電話応対をチェックするさまざまな手法

更新日:2022.05.06スタッフブログ

電話応対品質をチェックする女性

コールセンター運営で欠かせないモニタリング。オペレーター個々のスキルを調査する方法にはいくつか種類があります。なぜ、コールセンターではモニタリングが必要なのでしょうか?また、サービスの品質調査を行うことで、業界としてどんなメリットがあり、それがクライアントや消費者に対してどの様な影響を及ぼすのでしょうか?今回は、モニタリングにおけるさまざまな方法を紹介することで、スタッフのスキル調査のあり方を考えてみたいと思います。

モニタリングとミステリーコールの違いやそれぞれの特徴

モニタリングとミステリーコールは違う?

もともと、モニタリングとは「監視」と言う意味で、コミュニケーターの応対品質を調査し、評価・分析する際に用いられます。しかし、方法としてのモニタリングとミステリーコールでは、調査の目的と実施スタイル、評価対象が異なる点はあまり知られていません。

モニタリングとは、実際にオペレーターがお客さま(消費者)と会話する内容を録音し、言葉使いや声のトーン、話の進め方、状況に応じた言葉の選び方や対処方法などを分析・評価する手法です。コールセンター企業が、自社スタッフの応対品質をチェックする目的で行います。調査対象も調査員も自社スタッフということになります。

これに対しミステリーコールとは、特定のコールセンターを対象にスタッフの応対品質をチェックする手法です。これはコールセンターが、他社の電話応対レベルを見極める目的で用いられるケースが多いです。企業レベルを幅広い視点から客観的に調査するために、モニタリングを専門に行う調査会社に依頼し分析を行います。

モニタリングのメリット

調査方法と評価対象

コールセンターが、自社のコミュニケーターの会話内容を録音し、応対品質をチェックする。

メリット

  • 個々のオペレーターの応対品質が把握できる
  • スタッフの課題や改善点が見つかり、指導・教育の方向性が定まる
  • 自社全体のレベルアップにつながる
  • 調査はすべて自社で行うため、コストがかからない
  • お客さまの意向が把握できる

ミステリーコールのメリット

調査方法と評価対象

専門の調査会社(調査員)を使い、他社のコールセンタースタッフの応対品質をチェックする。

メリット

  • 競合他社のオペレーション品質を客観的に把握できる
  • コールセンター業界のレベルが把握できる
  • 他社と比較し、自社スタッフの問題点や足りない部分が見えてくる
  • 他社の応対例、対策などの情報収集ができる
  • 業界レベルが分かることで、目標設定がしやすくなる

それぞれの調査方法の特徴を理解して選ぶ

上記ではモニタリングとミステリーコール、それぞれの概要とメリットをお伝えしましたが、コールセンターによっては、自社スタッフのスキル調査を第三者機関に委託して行っているところもあります。それぞれ調査方法が異なるものの、「オペレーションの品質チェック」という趣旨は同じです。調査の際は、それぞれのメリットや特徴を踏まえたうえで最良の手段を選ぶことになります。

電話応対コンクール

上記ふたつの方法と趣は異なりますが、電話応対の品質を確認するうえで判断材料となるのが、業界の人材育成を目的に毎年開催される「電話応対コンクール」です。コールセンター関係者による全国規模の大会で、多くの企業から参加者が集まり、どのコールセンターの誰がオペレーション品質が優れているかを決定します。

参加が決定すれば、優勝を目指して各スタッフが練習に励むため、スタッフの意識の向上とレベルアップが図れます。自社スタッフの客観的なスキル把握だけでなく、他社コミュニケーターがどれくらいの品質レベルにあるのかの情報も入手でき、さまざまな面で有意義な大会です。

電話応対コンクールに向け練習に励む女性

常時、スタッフの品質をチェックする機能も

機能的にオペレーターの会話内容や言葉使い、言葉の選び方をチェックし、リアルタイムで業務改善につなげる方法もあります。それは「リアルタイムモニタリング機能」と呼ばれるもので、内線番号と座席位置でオペレーターを識別管理し、電話内容をもとに管理者がウイスパー機能で直接指導するシステムです。

応対品質のチェックと改善指導がリアルタイムにできる機能なので、業務効率の向上やマネージメント負担の軽減など、多くのメリットがあります。

もっとも恩恵を受けるのは、エンドユーザー

日ごろの応対品質や業務スタンスのチェックを目的に行われるモニタリングやミステリーコールなどは、その正確性を増すために、スタッフへの事前告知もなく内密に行われます。そのため、「人の会話を盗み聞きしてまで調べる必要があるのか?」とネガティブに捉える方が多いのも事実です。しかし、運営がスタッフ個々の応対スキルを把握せず、個の判断や力量のみで業務を行わせていては、組織としてチェック機能が働いているとは言えません。悪いところや良い点をきちんと評価してこそ、コールセンターとしても成長できるのです。

オペレーター個々のスキルが向上し、業界全体としてもレベルアップできれば、幅広い層のお客さまが満足度の高いサービスを受けられる様になります。電話応対品質の調査は、快適でストレスフリーなサービスを求めるお客さまにこそ、もっともメリットが大きいと言えます。

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