ビジネスフォンのモジュラーケーブルの選び方

更新日:2023.02.16ビジネス豆知識

ビジネスフォン

ビジネスフォンを職場で設置する際は、電話機と主装置をつなぐモジュラーケーブルが必要です。市販品には多くの種類があり、どれを選べばよいか迷うかもしれません。ケーブルの種類を理解しておくと、ビジネスフォンに対応したタイプを選ぶのに役立つと考えられます。そこで今回はモジュラーケーブルの基本的な種類を解説し、選び方のポイントやおすすめのタイプなどもご紹介します。

モジュラーケーブルとは

モジュラーケーブルはいわゆる電話線であり、ケーブルの両端にモジュラージャックと呼ばれるコネクタがついた形状です。

ケーブル部分の種類

モジュラーケーブルのケーブル部分は、大きくストレート配線とロールオーバー配線に分けられます。ストレート配線は、両端のコネクタをつなぐ配線がまっすぐに伸びているタイプです。配線はケーブル内で交差せず、極性が入れ替わらないまま極線に接続されます。

そのため、このタイプは極性のない一般的な家庭用電話機でよく使われます。ロールオーバー配線は、ストレート配線と異なりケーブル内で極性が入れ替わるタイプです。ほとんどのケーブルは4芯や6芯であり、インターホンやドアホンで多用されています。ビジネスフォンは電話機に極性があり、ロールオーバー配線をつながないと正しく動作しません。そのため職場でビジネスフォンを導入する際には、ロールオーバー配線を用意する必要があります。

コネクタ部分の種類

コネクタ部分の種類は、大まかに6極2芯、6極4芯、6極6芯の3タイプです。6極2芯は、L1からL6まで6つある極線のうちL1とL2だけが使われています。ストレート配線の場合はそれぞれ同じ極線に接続され、ロールオーバー配線では接続される極線が逆になります。6極4芯ではL1~L4の極線が使われ、ストレート配線は接続される極線が変わりません。

ロールオーバー配線では、L1とL2、L3とL4がそれぞれ入れ替わって接続されます。6極6芯の場合、L1~L6の極線がすべて使われます。このタイプも、ストレート配線では接続される極線が同じです。ロールオーバー配線になると、L1とL2、L3とL4、L5とL6が入れ替わります。6極2芯は家庭用電話機やFAX、6極4芯はビジネスフォン、6極6芯はインターホンのついた電話機などで使われています。

LANケーブルとの違い

モジュラーケーブルは電話線ですが、LANケーブルはネットワーク網を構築するケーブルです。LANケーブルは、ケーブルをつないだ器機類をひとつのネットワーク網に組み込めます。パソコンやプリンタに配線すると、それぞれの器機のデータを相互にやり取りできます。

電話線ではないため、家庭用電話機や一般的なビジネスフォンにつないでも電話はかけられません。ケーブル内の配線数は8線であり、コネクタ部分は8極8芯になっています。モジュラーケーブルより配線が多いため、ケーブ部分は太くなる傾向です。同じ理由から、コネクタ部分も少しサイズが大きくなっています。

モジュラーケーブルの選び方

モジュラーケーブルを選ぶ時の基準としては、主に用途や形状が挙げられます。

用途で選ぶ

モジュラーケーブルをつなぐ器機は、基本的に電話機です。用途で選ぶ時には、どんなタイプの電話機につなぐか検討します。最近はいろいろな通信端末で電話をかけられますが、モジュラーケーブルをつないで使用する電話機には家庭用の固定電話や多機能タイプのビジネスフォンがあります。家庭用の固定電話の多くは2芯で極性がないため、6極2芯のストレート配線で問題ありません。

ビジネスフォンは多機能タイプの電話機であり、6極4芯をつなぐケースが一般的です。6極6芯のコネクタは、ケーブル部分の配線の種類を問わず一般家電ではほとんど使われていません。6極4芯はたいてい6極2芯に対応した器機にも使えるので、通常、このタイプを選んでおくと無難でしょう。

形状で選ぶ

モジュラーケーブルは、使い勝手や配線した時の見た目を考慮して選ぶ方法もあります。形状でモジュラーケーブルを分けると、種類は巻き取りタイプとフラットタイプの2つです。使い勝手を重視するなら、巻き取りタイプが適しています。このタイプはコンパクトにまとめられるので、持ち運ぶ場合や使わずに片づける時に邪魔になりません。

フラットタイプは、芯線が横一列に並ぶ平たい形状です。スリムケーブルとも呼ばれ、一般的なケーブルより曲げやすい特徴があります。家具の裏などを通すのに大きな手間がかからず、簡単に視界から隠せるので、見た目を気にするならおすすめです。職場でビジネスフォン用に準備する時も、コンパクトに片づけたいなら巻き取りタイプ、配線時にできるだけ目立たせたくないならフラットタイプを選ぶのがよいと考えられます。

その他の選択基準

その他には、ノイズを防ぎたいか、長さを自分で調整したいかといった選択基準があります。ノイズを防ぎたい時に適している種類は、シールドやフェライトコアのついたタイプです。シールドは、雷による自然ノイズ、またパソコンや電子レンジが生み出す人工ノイズからケーブルをガードします。

フェライトコアは、高周波ノイズの軽減に効果的です。ケーブルの長さを自分で調整したい場合、コネクタのついていないタイプが使えます。ニーズに合った長さの市販品が見つからない時、このタイプのケーブルを必要とする長さにカットしてから別売りのコネクタを装着すると希望の長さに調整できます。職場でビジネスフォンのモジュラーケーブルを購入する際には、これらの基準を参考にしてみてください。

おすすめのモジュラーケーブル

最近のモジュラーケーブルでおすすめの種類をいくつか挙げると、エコロジーなタイプ、スリムなタイプやノイズに強いタイプです。

エコロジーなタイプ

地球環境への影響を考慮すると、エコロジーなタイプがおすすめといえます。現在、地球環境は楽観視できない状況にあります。できるだけ職場周辺の自然環境に配慮するなら、エコロジーなタイプを選ぶのが望ましいでしょう。このタイプは素材にポリオレフィンが採用され、燃やした時にダイオキシンが発生しません。

ダイオキシンは大気、水や土壌を汚染する恐れがあり、焼却時に排出されなければ環境保護につながると考えられます。市販品には6極4芯が用意されているので、6極2芯に対応したビジネスフォンでも問題なく使えます。

スリムなタイプ

職場にビジネスフォンを設置した時にできるだけ室内の見た目をよくするなら、おすすめはスリムなタイプです。通常、職場では一般家庭と異なりひとつの部署内に数多くの電話機を設置します。たくさんの器機にモジュラーケーブルをつなぐと、足元は雑然とするかもしれません。

スリムなタイプは、やわらかくフラットな形状のケーブルです。キャビネットやロッカーのすき間を通せば、あまり目立たせずに配線できると考えられます。市販品はいろいろ長さがあるので、職場の設置スペースに合わせ少しでも邪魔にならないサイズを見つけられるでしょう。

ノイズに強いタイプ

ノイズに強いタイプは、ビジネスフォンの通信環境をできるだけ快適にしたい時に適しています。職場に限らず身の回りには、モジュラーケーブルにとって影響のよくない外来ノイズがたくさん発生しています。自然のノイズと人工的なノイズともに通信速度を下げる恐れがあり、好ましくありません。

ケーブルにシールドを巻いたタイプは、外来ノイズの防止に強さを発揮します。高密度のフェライトコアを一体装備していると高周波ノイズの減少にも効果があり、高速通信を実現できます。ビジネスフォンのモジュラーケーブルを用意する際には、おすすめのタイプもチェックしてみてください。

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