相手の心をつかむ!成果を呼び込む営業電話
更新日:2023.04.07コールセンター営業電話を最後まで聞いてもらうのは簡単ではありません。少しでも相手の心をつかみ、アポイントメントや成約件数の増加に結び付けたいところです。どういった電話のかけ方が成果を呼び込めるか知っておくと、実践でも活かせるでしょう。今回は、孫正義のテレアポテクニックや最初に断られないテレアポトークのコツをご紹介します。
目次
孫正義のテレアポテクニックに学ぶ
現在、ソフトバンク社長として世界に知られる孫正義。実は、テレアポテクニックに秀でていることでも有名です。
孫正義のテレアポとは
孫正義のテレアポテクニックを学ぶうえで覚えておきたいのは、日本マクドナルド創業者との面会をめぐるエピソードです。16歳の夏、彼は日本マクドナルド創業者に会いたいと思い立ち、秘書に電話をかけました。なかなか面会の許可を得られず、やがて「直接、会いに行こう」と決心します。
その際のやり取りが、とくに彼の営業能力を物語る逸話として知れ渡っています。まず伝えたのは、「顔を見るだけでいいから、3分間だけ社長室に入れてもらいたい」という趣旨の内容です。
さらに秘書には自分が話した通りのメモを作ってもらい、それを社長に渡してほしいと頼みます。秘書が電話口で読み上げたものを、「てにをは」まで直したといいます。会うかどうかは、秘書でなく社長本人に判断をお願いしたいと念押しも忘れません。
結果、15分だけ会ってもらい、「これからはコンピュータビジネスの時代」といったレクチャーを受けられたとのことです。
極意は5つ
このエピソードから学び取れるのは、孫正義のテレアポテクニックにおける以下の5つの極意です。
1.地道な努力
2.タフな精神力
3.大胆な発想力
4.営業台本の作成
5.営業台本の指導
まず営業電話では、日々、地道な努力を続ける姿勢が欠かせません。同時に、何度アポイントメントを断られても諦めない精神的なタフさが必要になります。できれば、どれほどの大物にも物怖じせず会おうと考える大胆な発想力をもちたいところです。
相手の心をつかむには、優れた営業台本(トークスクリプト)の作成も大切です。孫正義のトークの場合、「顔を見るだけでいい」と切り出し、「目を合わさない」「話もしない」と続け「仕事を邪魔しない」とアピールします。
これらは、とにかく本人に会いたい気持ちを表現した見事なトークといえるでしょう。印象的な言葉がいかに相手の心を動かすか分かる好例として、参考になります。
ただし、綿密な営業台本をつくるだけでは不十分です。使いこなせなければ、効果は半減します。営業台本を用意したら、「てにをは」にこだわって誰かを指導してみましょう。人に教えると、自分のトーク力の向上につながります。
最初に断られないテレアポトーク
営業電話はアポを取れないことも少なくありませんが、最初に断られないためにはテレアポトークのコツを意識するとよいでしょう。
大きな声でゆっくり話す
テレアポトークでは、まず大きな声で話すことを心がけます。電話での会話は、対面で話すほど聞き取りやすくありません。声が小さいと何を話しているか分かりにくくなり、印象を悪くする恐れがあります。少しくらい滑舌が悪くても気にせず元気に明るいトーンでハキハキと会話したほうが好印象を与えられ、話を聞いてもらえる可能性は高まります。
話すスピードは、遅めを意識して下さい。小声で早口にしゃべると、聞き取りにくさが増します。それだけで、相手は聞く気をなくされるかもしれません。大きな声を出したほうが口の動きは大きくなり、ゆっくり話せます。緊張すると急いで用件を伝えたくなりますが、まずは落ち着いて会話を始めて下さい。
要点は簡潔に表現
話の要点は、できるだけ簡潔に表現しましょう。長々と話していると、どうしても会話の焦点がぼやけてきます。こちらが何を伝えたいか明確にできなければ、聞く側の興味が薄れても仕方ありません。ほとんどの場合に通話できる時間は限られており、すべて伝えきるのは困難です。「これだけは知ってほしい」という要点だけを、簡単に話しましょう。
いろいろ話したい内容がある時には、ポイントを絞り込むのが得策です。最初に「お伝えしたいのは3つです」と明言すると、何を話すべきか自覚できるので余計な会話を避けられます。相手も、先に話の内容を予告されていれば聞く準備を整えられます。会話をスムーズに進めやすくなるため、最後まで聞いてもらえる可能性は小さくありません。
メリットの提示を忘れない
テレアポでは、そもそも相手に興味をもってもらう必要があります。好奇心を刺激するために忘れてはいけないのが、メリットの提示です。案内する商品・サービスにどんなメリットがあるか説明するのは、必須です。自分たちが扱う商品・サービスのよさを、しっかりアピールしなければいけません。
商品の宣伝とともに、いま電話で話を聞けばメリットがあると感じてもらうことも重要です。ネットですぐ調べられる内容なら、聞く必要はないと断られるでしょう。自分の提供する情報がほかでは簡単に得られないと理解してもらうことも、大切になります。
実は断られた後が勝負!
営業電話は、どれだけ努力しても成功するとは限りません。失敗が続くと悩みは増えると思いますが、実は断られた後が勝負といわれています。
問題点を検討・改善
営業電話を断られた時は、どんな問題点があったか検討するよいチャンスです。すぐに電話を切られても、ゆっくり落ち込んでいる場合ではありません。そんな時こそ、自分に何が足りなかったか振り返ってみましょう。
まずは、話し方の見直しです。通話内容が録音してあれば、自分で聞いてみて下さい。自分の声を客観的に聞くと、電話口ではどれほど聞き取りにくくなるか確認できます。声は大きいか、トーンが暗く沈んでいないか、早口にならず落ち着いて話せているか一通りチェックし、気になる点は改善していきます。
滑舌に自信がなければ、舌の動きや口の形に注意しながら腹式呼吸で発声練習するとよいでしょう。
電話のタイミングを工夫
営業電話を断られるのは、話し方ばかりが原因ではありません。電話をかけたタイミングが悪ければ、上手に話しても最後まで聞いてもらえないことがあります。相手が外出の準備に忙しい、あるいは料理中で手を離せず会話を続けられないケースはよく見られます。
時間に余裕がなく電話を切られた場合、タイミングを工夫すると話を聞いてもらえるかもしれません。「いま時間がない」といわれた際には、連絡しても差し支えない時間帯を聞いておくと再度の電話をかけやすいでしょう。「こちらの都合を考えてくれたから、少し話を聞こう」と思われる可能性もあるので、実践する価値はあります。
気持ちの切り替えも大切
営業電話では、気持ちの切り替えも大切です。いきなり知らない相手から電話がかかってきたら、多少なりとも警戒心を抱くのは自然でしょう。すぐ心を開いてもらえなくても、不思議ではありません。
そんな心理をふまえれば、営業電話は断られる場合が多くて当然といえます。とにかくアポイントメントを取り付けなければいけないと、あまり気負う必要はありません。断られたら「当たり前」と割り切り、次の営業活動に専念することをおすすめします。
まったく成果が出なかった時には、成約率やアポイントメントの獲得数で自身を評価するのではなく、電話を何件かけたかカウントし、自分の頑張りを認めてあげましょう。
営業電話で相手の心をつかむには、声の出し方、話の長さ、電話するタイミングなどが重要です。テレアポテクニックを磨くなら、孫正義の5つの極意も参考になります。とはいえ多くの場合、営業電話は断られても仕方ありません。なかなか努力が実を結ばなくても気負い過ぎず、「断られるのが当たり前」くらいに考えながら業務に臨んでみて下さい。
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