コールセンター部門を立ち上げる前の予備知識
更新日:2022.03.29コールセンターコールセンターは、電話を通してお客様とやり取りする仕事です。現在は多くの会社がコールセンターを設けており、問い合わせや意見を受け付けています。会社が成長したことにより、コールセンター部門を独立させようとするところもあるでしょう。コールセンター部門の立ち上げは他の部署とは異なる知識が必要です。この記事では、コールセンター部門を立ち上げる際に必要な予備知識や注意点などを詳しく紹介します。これからコールセンターを立ち上げたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
コールセンター立ち上げのためにやるべきこと
はじめに、コールセンターを立ち上げる際に必要な準備について解説します。スムーズにコールセンターを開設するには何をしなければならないのでしょうか?
設置する場所の決定
コールセンターは、ネットワークさえしっかりしていれば本社から離れていても問題ありません。1990年代からコールセンターは首都圏や大阪といった大都市ではなく広域地方都市に設置するのが一般的になりました。
札幌市・仙台市といった地方の中核都市にコールセンターを設置したり、企業からコールセンター業務を請け負う業者が新たにオフィスを開発したりする例も多く、自治体も雇用促進が可能なことから、積極的に企業を誘致しています。自治体によってはコールセンターの設置に対し助成金を交付するところもあります。一例をあげてみましょう。
仙台市では、3年間の「新規投資に係る固定資産税等相当額の100%」を限度額なしで支給するのに加え、雇用加算として新規雇用者が20人以上であることを条件に、新規雇用の正社員1人につき60万円を加算しています。(※)助成金制度を利用すれば、コールセンターの立ち上げにかかる費用をかなり抑えることができるでしょう。
しかし、2010年代に入ると地方都市も人手不足が問題となってきました。これにより、現在では人手を確保しやすいという理由からあえて人件費の高い東京や大阪にコールセンターを構える企業も出てきています。
※出典:仙台市企業進出ガイド
http://www.city.sendai.jp/toshigata/jigyosha/kezai/kigyo/gaiyo/callcenter.html
備品を準備する
コールセンターというと電話がずらりと並んでいるイメージがありますが、必要な備品は電話だけではありません。デスク・椅子・パソコン・キャビネットといった基本的なオフィス家具や備品、さらに休憩室・給湯室などの設備が必要です。コールセンターは気持ちよく働ける職場環境の構築が重要視されています。無駄な経費はカットしなければなりませんが、必要な備品まで「なんとかなる」とカットしないように注意しましょう。
スタッフを確保する
チャットボットなどコールセンターの業務の一部をAIが担うケースも増えてきましたが、まだまだコールセンターの業務の大半は人頼みです。スタッフをどれだけ確保できるかは、重要視されます。コールセンターは扱っている品物や対応業務の内容によって、比較的余裕がある時間帯と忙しい時間帯に差があります。
たとえば、個人ユーザーからの問い合わせが主な業務の場合、多くの会社が休みの土日祝日の問い合わせが多い傾向です。一方、企業相手のコールセンターの場合は平日の午前中~午後5時までに問い合わせが集中しがちとなっています。どの時間に人員を多く確保すればいいのか、確定してからスタッフの募集を出すと働きたい時間と曜日のミスマッチが起こりにくいでしょう。
コールセンターのシステムを構築する
コールセンターは単に問い合わせに応じるだけが業務ではありません。在庫の確認、発注した商品の配送状況、担当者への連絡など、たくさんの仕事があります。これらをスムーズに行うためにはシステムの構築が欠かせません。PBX(構内交換機)やパソコンと電話・FAXを連携させるCTIをはじめとして、本社と情報を共有できるネットワークの構築をしましょう。もちろん、セキュリティ対策も必須です。
顧客とのやり取りをスムーズに行えば回線が混み合う可能性も少なくなります。逆に言えばシステム構築がしっかりと行われていないコールセンターは、運営をスムーズに行なうことはできません。開始早々躓くことになるでしょう。
コールセンターの立ち上げにかかるコストはどのくらい?
では、コールセンターの立ち上げにかかるコストはどのくらいかかるのでしょうか?ここでは、実例を交えながらコストの相場を紹介します。
コールセンター構築や運営のための初期費用とランニングコスト
コールセンターの立ち上げにかかるコストは大きく分けて2つあります。1つは初期費用です。これは、「電話回線の設置費用」「CTIシステムの導入・カスタマイズ費用」「オプション機能の追加費用」「部屋を借りたり設備揃えたりする費用」などが該当します。額は多めですが、一回だけの出費です。
一方、ランニングコストはコールセンターを運営する限りずっとかかってくる費用のことです。一例を挙げると「システムの運営費」「システムの保守費用やメンテナンス費」「人件費」「家賃」などがあります。コールセンターが大規模なほど、初期費用とメンテナンス費用がかかります。
なお、初期費用を節約してもランニングコストがかかっては意味がありません。逆に初期費用がかかってもランニングコストが節約できればトータルでお得です。
インバウンド業務かアウトバウンド業務でも費用が異なる
コールセンターにはインバウンド業務とアウトバウンド業務があります。インバウンド業務とは、以下のようなものです。
- 受注業務
- 総合案内
- カスタマーサポート
- テクニカルサポート
- ヘルプデスク
アウトバウンド業務とは、以下のようなものです。
- 電話調査
- 督促
- 営業
- 案内
インバウンド業務は顧客が会社にアクセスすることで発生する業務、アウトバウンド業務は会社側が顧客、もしくは顧客候補にアクセスすることで発生する業務と考えると理解しやすいでしょう。CTIシステムの費用もどちらの業務を選択するかで異なっていきます。
たとえば、インバウンド・アウトバウンドどちらかの業務だけ行う場合、導入費用は数万円、運用費は1ヶ月数千円~が相場です。両方に対応している場合は、初期費用は同じぐらいですが、運営費は月に1~2万円が相場です。
スタッフの人件費
コールセンターで発生する費用の70%が人件費です。人件費を節約すれば、初期費用も運営費用も抑えられますが、スムーズに機能しなくては本末転倒です。前述したように、コールセンターは常に忙しいわけではありません。忙しい時間帯に人を増やし、そうでない時間帯は減らすなどして調整しましょう。コールセンターで働く人財の内、8割近くがパートやアルバイト派遣社員ですが、正社員も必要です。人件費を抑えることばかりに目を向けないように心がけましょう。
コールセンターの立ち上げで確認したい注意点
コールセンターを立ち上げる場合、何よりも大切なのが費用と通信インフラです。「できる限り安価にコールセンターを立ち上げたい」とは誰もが思うことです。しかし、本当に必要な費用まで削っては十分な体制が整いません。コールセンターを立ち上げたが、顧客の電話をさばききれずに長時間お待たせしてしまった場合は、それだけでクレームの対象になります。また、通信インフラの確保も重要です。電気はもちろんのことインターネットも高速で安定して通じることが第一条件です。
コールセンターの立ち上げはアウトソーシングも検討
コールセンターの起ち上げには、ノウハウが必要です。自社でコールセンターを立ち上げることもできますが、より早く、よりスムーズにコールセンターの起ち上げを行いたい場合は、アウトソーシングも検討しましょう。ノウハウを持っている業者に委託すれば、自社で行うより早く安価に電話応対ができる可能性もあります。
コールセンターを立ち上げは課題を解決しながら
コールセンターは、単に電話を揃えて人を雇えばできるものではありません。本社とスムーズに連絡を取り、顧客の要望を叶えられるようにすることが大切です。はじめてコールセンターを開設する場合、課題も次々と出てくるでしょう。それを解決しながら行なうことが重要です。自社では余裕もノウハウもない場合は、アウトソーシングも検討しましょう。
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