採用面接で面接官が気を付けるポイントとNG質問
更新日:2023.04.17スタッフブログ面接官の力量によって優秀な人材の採用率、採用するためにかかるコストも変わってきます。さらに言えば、魅力的で優秀な面接官なら、応募者が内定を辞退する可能性も低くなります。今回は、面接官が気を付けるポイントやマナー、応募者にしてはいけないこと、NGと言われる質問について紹介します。
目次
適切な面接をする意味
面接官は応募者を選考する立場にありますが、初対面の人間であるということに変わりありません。面接を軽視しがちな企業も多いですが、優秀な人材が欲しいのであれば、面接を重要視すべきと言えます。良い社員がいる会社は、良い会社であり、良い社員を採用するためには、良い面接官が必要です。
面接官の力量次第で優秀な人材が獲得できます。優秀な人材を獲得できれば企業としても成長していくでしょう。逆に有能な人材を採用できなければ、いつまでたっても優秀な人材を求めて面接をしなければいけなくなり、面接のためのコストや労力が膨らんでしまいます。
この人だ!と感じた人に必ず入社してもらおうと考えれば、事前の準備や適切なマナーは必須です。
面接官が気を付けるべきポイント
ここからは、面接官として気を付けるポイントをご紹介します。
1、面接官は会社の顔
特別なコネクションが無い限り、応募者と企業をつなぐ重要な役割を担っているのが面接官です。優秀な人材を獲得するのも逃すのも面接官次第です。
面接官は、応募者に見られているということを意識しなければいけません。清潔感のない面接官や誠実さが感じられない面接官はダメです。普段とかけ離れた服装をする必要はありませんが、会社の代表として応募者を面接することを認識して面接に臨みます。
人の印象は最初の3~5秒で決まるといわれます。応募者に第一印象で良くないと思われないような、身だしなみやしぐさで対応することが大切です。
2、応募者も面接官を見て選考する
企業に選ぶ権利があるように、応募者にも選ぶ権利があります。面接官の態度や質問次第で、応募者は簡単に去ってしまいます。具体的には、意地悪な質問をしないのと、上から目線で話さないことが大切です。
応募者が辞退したのは軟弱だからと決めるよりは、面接官として応募者にどう思われていたのか、この会社に入りたいという印象を与えられたか、逆の立場になって考えてみる必要もあります。
3、おもてなしの心を持つ
応募者は時間と労力とお金を使って面接に来ていますから、「今日は面接に来ていただいてありがとうございます」という気持ちで応募者に接しなければいけません。まずは、面接官から柔らかい笑顔で挨拶、そして自己紹介をします。応募者の年齢等に左右されずに個人を尊重する気持ちも忘れてはいけません。
初めて行く会社ですから、不安をたくさん抱えて面接にやってきます。どんな会社だろうと思っているのは、新規取引先の担当者と変わりがありません。お茶を出すまではしなくても良いですが、おもてなしを心がけるだけで接する態度が変わります。
4、リラックスできる環境作り
面接時は応募者がリラックスできる環境を作ります。普段、自分のことをアピールする機会はほとんどありませんから、誰しも面接は緊張するものです。応募者本来の実力を発揮させてあげるのも面接官の大切な役割です。
最初は応募者が答えやすい質問から始めましょう。「ここに来るまで道に迷いませんでしたか?」など、雑談に近い質問から始めると良いです。できるだけ笑顔で接して、うなずきやあいづちを打って話を聞くと、親近感を持ってもらうことができます。また、応募者のペースやトーンに多少なりとも合わせて会話することも大切です。
また、面接では猫をかぶるのは当然ですから、よりリラックスしてもらえれば、普段はどのような人物なのかが浮かんできます。そこで、応募者が社風に合う性格なのか、人柄なのかを見極めましょう。会社のベクトルに合った考え方をしているかを見ることも大切です。
5、座る位置は向かい合わせよりも斜め45度?
面接は、向かい合って行うのが普通とお考えの方が多いと思います。しかし、向かい合って話すと応募者が緊張してしまうことがあります。初対面の人と話す面接は、斜め45度くらいに座っている方が、相手が安心して話せるスタイルですので、参考にしてみて下さい。
また、隣り合わせはカウンセリングに良く使われます。相手のことが良く見えませんのでカウンセリングには向いています。本番の面接で隣り合わせに座ることはないと思いますが、待ち時間などで、雑談がてらどのような人物かを見極めるといったシチュエーションで有効です。
6、質問の内容は明確にすること
基本的に明確な質問をにしないと、応募者の回答も明確にはなりません。意図的に漠然とした質問をして、コミュニケーションスキルを見るなら別ですが、不明確な質問には不明確な答えしか返ってきません。
例えば、「パソコンは使えますか?」と問いかけただけでは、どのレベルまで使えるのかを問われているのかわかりません。軽い操作ができる程度なのか、簡単なアプリケーションを制作できるほどプログラミングができるレベルなのか、様々な返答が応募者の頭をよぎり、言葉につまってしまう原因です。
仮に、基本情報などの資格を持っていても、実務未経験の人もいますから、会社が求めているレベルを例にあげて質問するべきです。「パソコンで文字入力ができますか?」よりも、「パソコンの文字入力スピードは速いほうだと思いますか?」「キーボードを目視せずに文字を打てますか?」といった質問をすると、どのレベルまで到達しているのか、明確な答えが得られます。
また、更に質問を深堀すると良いでしょう。
- そのスキルをどこで身に付けたのか?
- どのような方法で身に付けたのか?
- 要求するスキルが身に付いていない場合、どこまでなら理解しているか?
このように質問を掘り下げていくことで、応募者と会社のマッチング度合いが分かります。会社とのミスマッチを防ぐために質問の深堀はとても重要です。
そして、会社の待遇条件や仕事内容は、応募者から質問される前に面接官から伝えるべきです。応募者が不安に思っている点は、面接の場で確認して解消しておきます。
7、面接官の態度や質問で応募者の入社意欲も変わる
入社を決めた理由に、「面接官がとても話しやすくて魅力的だったから」という応募者が少なくありません。面接官の態度や質問が応募者に大きく影響します。
優秀な面接官なら、応募者からこんな風に思われるでしょう。
- こんな素敵な人と働きたいと思った
- 自分が気付かなかった魅力を引き出してくれた
- 自分の改善点を教えてくれて、更に評価もしてもらえた
- 良く自分のことを聞いてくれたし、これなら入社後も安心できる
- 仕事内容もしっかり話してもらえて、不安が解消できた
応募者の入社意欲を高めて、この会社に入りたいと思わせるのも面接官の大切な役目です。応募者に面接官を通して会社に期待と希望を持ってもらい、複数の内定を獲得していたとしても、最終的に選んでもらえるようにするべきです。
面接官がしてはいけないこと
当たり前のことばかりかもしれませんが、自分の行動を今一度振り返ってみましょう。
- あくび、居眠り、腕を組む、背もたれにもたれかかる
- 飲食する、たばこを吸う
- 面接官が遅刻する、話を否定する、他社を悪く言う
- 質問を受けていないのに、不合格と言う
- 適当な返答をして応募者を混乱させる
- 高圧的な態度や声を荒げて威圧する、人格否定や、心理的な圧迫を与える
実際にこんな面接官がいるのかと思う内容ばかりですが、実在しています。失礼な面接官だと、頑張って履歴書を書いた応募者はがっかりしてしまい、「面接を受けなければ良かった」と感じてしまいます。仮に応募者の履歴書を見て、会社にマッチしないと思っても、面接官は絶対にしてはいけないことです。面接官一人の態度で、会社の評価が下がってしまうことがあります。
面接でしてはいけないNG質問
一般的に日常会話とされることでも、面接の場では聞いてはいけないことがあります。特に最近は、面接時でしてはいけないNG質問に敏感な応募者も多くなっています。「過去に質問されたことがある」という方もいるかもしれませんが、自分が面接官になった時は質問しないようにしましょう。
- 本籍や出身地に関すること
- 家族状況や家族に関すること
- 家族の職業や収入、資産に関すること
- 思想、宗教、支持政党、尊敬する人
- 自宅付近の略図や経路など
- 男女雇用機会均等法に抵触すること
他にも考えられるものはたくさんあります。人生観や愛読書を聞くのもダメです。ただ、働くことに関する質問は問題ありませんので、以下のような質問リストを作成する必要があります。複数の面接官がいる場合は、質問リストを共有して面接をするべきです。
- 働くことについて、どのように考えていますか?
- どんな仕事をしてみたいと思っていますか?
- あなたのどんな面を仕事に活かしたいと思っていますか?
- 持っている資格や技能はありますか?
- 社会人としてどんなことが大切だと思いますか?
今の時代は、不適切な質問をしてしまった場合、すぐに拡散されてしまうリスクがとても高いです。面接官のNG質問で会社の信用を失ってしまうことがありますので、今まで以上に気を付けなければいけません。
面接官は会社の代表として面接をしていることを忘れてはいけません。
面接は応募者の人生を変えてしまうものでもあります。応募者のスキルや魅力を引き出すのも優秀な面接官の役目です。たとえ入社できなかったとしても、優秀な面接官に面接をしてもらった応募者は、悪い気分にはなりません。また、次も頑張ろうと思うものです。
応募者も面接官もお互いに気持ちの良い面接の場になれば、次に繋がります。会社とのミスマッチも防ぐ優秀な面接官は、会社からも、応募者からも必要とされるでしょう。
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