業務用端末で公衆無線LANを使う危険性
更新日:2023.03.01ビジネス豆知識最近、従業員が業務用に貸与されたノートパソコン・タブレット端末・スマートフォンを社外へ持ち出すケースがよく見られます。カフェやコンビニは公衆無線LAN(Wi-Fiスポット、フリーWi-Fi)を提供するところが増え、店に入れば気軽にインターネットを利用できます。ただ、業務用端末で公衆無線LANを使うリスクは皆無ではありません。今回は、外出先での公衆無線LAN利用に潜む危険性や注意点をご紹介します。
目次
公衆無線LANを使うリスク
現在は多くの場所で公衆無線LANを使えますが、インターネットに接続する時には多くのリスクが伴うといわれています。業務用端末を使う場合、重要な情報を盗まれる危険があるため気を付けなければいけません。
公衆無線LANの現状
近年、公衆無線LANは飲食店や交通機関で幅広く提供され、外出中にもモバイル端末から簡単にインターネット接続できます。その背景には、スマートフォンやタブレット端末の普及とともに外国人観光客の増加があります。飲食店は集客を目的として、交通機関や観光スポットでは旅行者の利便性を考えて公衆無線LANを導入する傾向にあります。
仕事で外回りする際や出張時、社外でパソコン作業する機会は少なくないでしょう。カフェやコンビニ、また新幹線や空港では公衆無線LANを無料提供するケースが増えており、出先であってもネット利用に不便しません。公衆無線LANは回線契約する手間がなく、無料サービスであれば通信料は不要です。サービスによっては高速通信も可能であり、仕事で大容量のデータを処理する場合にもスムーズに作業を進められます。
公衆無線LANに潜む危険性
公衆無線LANは使い勝手のよさが大きな魅力ですが、多くの危険も潜んでいます。とくに注意が必要と指摘される問題は、盗み見・盗聴と偽のアクセスポイントです。通信内容の盗み見や盗聴は、暗号化されていないアクセスポイントで発生するリスクが高いと考えられています。
データが暗号化されないと、同じアクセスポイントの利用者により簡単に情報を入手されてしまいます。自分がアクセスしたサイトのURLからメールの内容などを見られてしまうかもしれません。利用者に悪意があれば、ウィルス感染やパスワードの盗難といったトラブルに発展します。
偽のアクセスポイントとは、正規のWi-Fiを装った一種のなりすましです。飲食店や公共施設が提供するネットワークと名称が似ているため、悪質な手口と思わずアクセスすると利用端末に不正侵入され被害を受けます。盗み見・盗聴や端末の乗っ取りを目的として仕掛けられた悪意のある罠であり、公衆無線LANの利用時に同名のネットワークがいくつか並んだら用心が必要です。出先で手軽にWi-Fiを使えると非常に便利ですが、アクセス時にリスクは避けがたいと考えられます。利用する際には注意を怠らず、場合によっては公衆無線LAN以外の方法を選択するセキュリティ対策も望まれます。
業務用端末で接続する際の注意点
業務用端末でインターネットに接続する際、とくに注意したい点はアクセスポイントが暗号化されているかの確認です。個人情報を含むアプリは使わず、Wi-Fiへの自動接続を許可しない設定も忘れてはいけません。
暗号化されているか確認
社外で業務用端末からネット接続する際、公衆無線LANを使うならアクセスポイントが暗号化されているか必ず確認しましょう。電波が暗号化されないままオープンで送受信されると、不正アクセスにより盗まれる危険があります。無線LANの暗号化方式で、よく見られる規格はWEP、WPA、WPA2の3種類です。WEPは技術が古く、セキュリティレベルは高くありません。規格の種類を選ぶなら、WPAやWPA2のほうが無難です。Noneと表示されている場合にはセキュリティ対策が施されていないので、避ける必要があります。
個人情報を含むアプリは使わない
公衆無線LANは、アクセスポイントが暗号化されていても安全性は保障されません。最近は暗号化規格にWPA2を採用するケースが一般的ですが、多くの場合に暗号化キーは公開されており不正アクセスのリスクを避けられないと指摘されています。飲食店で多くの来客があるなか業務用端末を使っていると、多少なりともデータを盗み見られる可能性はあります。仕事関係でなくても、重要な個人情報が漏れれば小さな被害では済まないでしょう。万一の事態に備えるなら、公私を問わず個人情報を含むアプリの使用は控える配慮が不可欠です。
Wi-Fiへの自動接続を許可しない
パソコンやスマートフォンは、Wi-Fiへの自動接続を許可するか選べる設定があります。オンに設定していると、知らないうちに暗号化されていないアクセスポイントに接続するかもしれません。アクセスポイントのなかには、なりすましを含めた悪質なものが潜んでいます。うっかり自動接続すれば、トラブルに巻き込まれる原因となります。
実際、偽のアクセスポイントに接続したことで情報が抜き取られる被害は少なくありません。インターネットにつながらないことは、悪質な手口から業務用端末を守る効果的な対策です。あらかじめ自動接続は許可せず、公衆無線LANの利用を終えたらWi-Fiをすぐ切断する習慣を心がけましょう。
有効なセキュリティ対策
業務用端末の安全性を高めるうえでのセキュリティ対策には、セキュリティソフトの導入が有効です。端末から離れる時には画面をロックし、場合によっては公衆無線LAN以外の方法によるアクセスが望まれます。
セキュリティソフトを導入
公衆無線LANを利用するかに関係なく、パソコンやタブレット端末でインターネット回線にアクセスする際にはセキュリティソフトの導入が不可欠です。職場や社外を問わず、メールの送受信やネット上でのサイト閲覧がウィルスの侵入を招くケースがよく起きています。
情報漏洩のリスクを減らすには、少なくともセキュリティソフトのインストールが望まれます。不正アクセスの手口は絶えず巧妙化しており、現時点ではセキュリティソフトも万全ではない状況です。インストールしただけで安心とはいえず、安全性の向上には定期的なアップデートが怠れません。スマートフォンも通常の電話機と異なりパソコンの一種に該当するので、セキュリティ設定は忘れずに済ませましょう。
業務用端末を離れる時には画面をロック
カフェや公共スペースで業務用端末から離れる時には、画面をロックしておくとトラブル防止に効果的です。カフェや公共スペースには、不特定多数の利用者が訪れます。飲み物の注文や手洗いに行くため席を離れた際、パソコン画面が表示されたままになっていると誰の目に入るか分かりません。
インターネットにアクセスしていなくても、勝手に操作され情報の盗み見や漏洩につながる恐れがあります。席に戻るまでに、従業員の個人情報や仕事上の機密事項が外部に流出したら大変です。カフェなどでは業務用端末も財布と同じく貴重品と考え、画面はパスワードでロックしておくのが無難といえます。
公衆無線LAN以外でアクセス
公衆無線LANの安全面に問題がある時には、他の方法でインターネットにアクセスする選択肢があります。外出先で公衆無線LANを使わずネット接続する場合、よく知られた方法はモバイルWi-Fiの活用です。携帯可能なタイプを持ち運べば、安全性を高めたうえでインターネットに接続できます。
パソコンやタブレット端末からアクセスするなら、スマートフォンの通信機能を使ってもよいでしょう。この方法はテザリングと呼ばれ、スマートフォンを外付けモデムとして利用するイメージです。いずれも公衆無線LANより安全面に優れ、セキュリティ対策に適した方法としておすすめできます。
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