人事異動後の引き継ぎを着実に行うコツ

2020.05.28ビジネス豆知識
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人事異動や担当者の転勤や退職に伴い、職場では仕事の引き継ぎが発生することもあります。多くの場合に時間的な余裕はなく、アンケート調査によれば後任者が不満を感じるケースはよく起きています。業務がうまく引き継がれないと、後任者だけでなく職場や取引先にも不利益を与えるかもしれません。そこで今回は後任者などのために、担当者が着実に引き継ぎを行うコツをご紹介します。

転勤異動

 

後任者の6割以上は引き継ぎに不満

人事異動に伴い仕事が引き継がれた際、不満を感じる後任者は6割以上の多さです。主な不満の理由としては、資料の分かりにくさが挙げられます。

 

仕事の引き継ぎに関するアンケート

2015年、リクナビNEXTジャーナルは、インターネットリサーチにより「異動・転勤時の業務引き継ぎ」に関するアンケートを実施しました。調査は3月9日~12日に及び、全国の20代と30代の男性144名・女性132名(計276名)から回答を得ています。

「業務の引き継ぎ方で不満に感じたことはありますか?」との質問には、199人から回答がありました。そのうち「いいえ」の34.7%に対し、「はい」は65.3%に上ります。回答者の6割以上は、前任者からの引き継ぎに不満を覚えている結果です。

3人の後任者のうち2人には仕事がスムーズに引き継がれていないことになり、引き継ぎの難しさを物語っていると考えられます。

 

具体的に不満を感じた点

具体的に感じた不満点の最多は「引き継ぎ資料が分かりづらい」60.8%、次いで「引き継ぎ資料(内容)に漏れがある」50.8%、「引き継ぎ資料がなく口頭の引き継ぎ」48.5%、その他4.6%でした。

上位3つに多少の差はあるものの、いずれも引き継ぎ資料にまつわる問題点が指摘されています。

アンケート結果を見る限り、単に資料を用意すれば良いわけではないようです。中身の分かりやすさにも配慮が求められているため、引き継ぎの際に資料づくりの重要性は高いと考えられます。

 

引き継ぎの基本は5つのステップ

仕事の引き継ぎで心がけたい5つのステップは、1.業務のリストアップ、2.スケジュールの作成、3.用意する資料の検討、4.引き継ぎ資料の作成、5.実際の引き継ぎです。

 

1.業務のリストアップ

分かりやすい資料をつくる際、最初に手がけたい作業は担当してきた業務のリストアップです。

仕事の重要性や業務の優先順位を考慮せず、すべて書き出します。「これは小さな業務だから」と省けば、後々、作業を手がける必要が生じても引き継げないといった事態を招く恐れがあります。

リストアップ時には、覚えている限りの担当業務を漏れなく列挙することが重要です。

 

2.スケジュールの作成

担当業務のリストアップを終えたら、スケジュールを作成します。計画的に作業すれば、時間の節約につながります。

とくに意識したい点は、いつまでに、どんな仕事を、どのタイミングで引き継ぐかです。この3点を押さえておくと、たくさん確認項目がある業務の引き継ぎに多くの時間をかけやすくなります。複雑な業務を引き継ぐ場合にも、時間切れで慌てずに済むでしょう。

 

3.どんな資料を用意するか検討

アンケートをふまえれば、引き継ぎには資料が欠かせません。次は、それぞれの業務についてどんな資料を用意するか検討します。

資料作成の際、明記する主な項目は業務の重要性・優先度、作業手順のフローチャート、社内外の業務関係者や連絡先、関連情報・データの保管場所、トラブル発生時の対処法です。

重要なデータについては、情報漏洩を防ぐためパスワードの厳重な管理もお願いしなければいけません。

 

4.引き継ぎ資料の作成

記載項目が決まったところで、資料作成を開始します。資料の体裁は手書きでも問題ありませんが、見やすさや修正の手間を考えるとパソコン入力が妥当と考えられます。

作成時には、簡潔に表現することが大切です。伝達漏れを防ごうと細かく説明し過ぎれば、逆に分かりづらくなるかもしれません。各項目の要点を短くまとめれば、後任者にもすぐ理解してもらえるでしょう。

 

5.後任者に引き継ぎ

資料を用意したら、最後は後任者に引き継ぎです。資料を渡し、口頭でも各業務の進め方を説明します。

業務によっては、実際に作業してみせるのも理解を深めてもらうには有効です。その際、よく起きる問題点も伝えるとトラブル回避につながります。後任者にも作業してもらえば、どれくらい理解できたか確かめられます。

説明不足の部分は補足し、疑問や不明点がなくなれば引き継ぎ作業は終了です。

 

 

仕事を円滑に引き継ぐコツ

仕事を円滑に引き継ぐコツとしては、作業手順の丁寧な記載や後任者へのアフターケアが挙げられます。

 

作業手順は丁寧に記載する

それぞれの業務の具体的な作業手順については、丁寧な記載を心がけるとトラブル防止につながります。

普段から繰り返している作業については、ほとんど手順を記憶しているでしょう。自分では簡単に感じるかもしれませんが、慣れていない後任者は思わぬところでミスする可能性があります。手順の記載では、丁寧な説明を怠れません。

ただ引き継ぎ業務を手短にまとめた資料のなかで長々と書くと、分かりやすさは損なわれる可能性があります。そんな事態を避けるには、作業手順に関するマニュアルを引き継ぎ資料とは別途に用意するのがおすすめです。

作業工程ごとにキャプチャ画像を活用し、ひと目で分かる作業マニュアルをつくれば後々の引き継ぎでも役立つと期待できます。

 

後任者のアフターケアも忘れずに

引き継ぎ作業の完了後には、後任者のアフターケアも大切です。業務を一任せずフォローすれば、見落とした部分の発見につながります。

転勤や退職の際には、引き継ぎ業務以外にも多くの作業を進めなければなりません。時間が限られるなかでは、ほぼ一方的な口頭説明だけで終わることもあります。そんな場合、引き継ぎに不備が生じるリスクは十分にあると考えられます。

その点を考慮すると、仕事を引き継いだ後のケアは不可欠です。後任者が業務に取りかかる際、放置せずスムーズに進められるか確認すれば問題が起きても速やかにアドバイスできます。

社内外の関係者への報告も、職場を離れる時に忘れてはいけない業務です。自分が異動する旨を連絡するとともに、後任者もきちんと紹介しておきましょう。

 

業種によって異なる引き継ぎのポイント

仕事の引き継ぎ時に注意したいポイントは、営業職、事務職、接客部門など業種によって異なる場合があります。

営業職の場合、とりわけ重要となるポイントは取引先の引き継ぎです。取引内容にとどまらず、独特のルールに誰に決裁権があるかも面倒がらず伝えましょう。できるだけ情報を共有しておけば、これまで築き上げた信頼関係の維持につながります。

事務職であれば、作業マニュアルの説明に問題がないかチェックが欠かせません。業務に慣れていると、マニュアルは大まかな内容になりがちです。後任者が業務未経験でも戸惑わないくらい、さまざまな状況を想定しながらマニュアル作成する必要があります。

接客部門なら、通常のオフィス業務と異なり現場で説明してから資料作成するほうが効率的といわれています。後任者がどこで間違えやすいか把握しておくと、時間に余裕がなくても資料作成に手間がかかりません。

 

しっかり仕事を引き継げば、職場や取引先に迷惑をかけずに済みます。何より後任者から不満に思われないためにも、相手の立場を考えながら作業を進めていきましょう。

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