社員を海外研修に出すメリットとは?
更新日:2023.03.15ビジネス豆知識国内でもグローバル化が進む昨今、さまざまな業種で増えてきた海外研修。多くのメリットがあると期待できますが、単に社員を海外に出すだけでは不十分です。しっかり準備を整えてからであれば、社員だけでなく会社もさまざまな成果を得られるでしょう。そこで今回は海外研修がもたらす代表的なメリットをご紹介し、準備するうえでの注意点や心得を解説いたします。
目次
海外研修のメリット
海外研修のパターンは多彩ですが、共通するメリットは「成長できる」「自信がつく」「短期間に集中できる」「視野が広がる」「人脈を増やせる」です。
人間的に成長できる
海外に行くと、ただ日々の生活を送るだけでも文化風習の違いからいろいろ苦労します。言葉が通じないと買い物や食事するにも思い通りにならず、精神的な負担が大きくなりがちです。多くの会社では、研修において課題を設定する場合もあります。社員は、それも短い研修期間中に解決しなければいけません。さまざまな苦労や問題を乗り越えた社員は、海外研修を終える頃になると人間的に大きく成長しているわけです。
自信がつく
海外研修の場合、生活方法や仕事の環境が普段とは大きく変わるため国内では味わえない苦労をいろいろ体験できます。とくに多くの方を悩ますといわれるのが、言葉の問題です。学校で語学の成績が良かった場合でも、研修先ではネイティブの話すスピードについていけず言葉を理解できないことがあります。困難な状況に屈せず環境の変化や言葉の問題をクリアすると自信につながり、研修後の仕事にも活かされるケースが多く見られます。
短期間に集中できる
海外研修は、ほとんどの場合に費用を負担するのは会社側です。予算には限りがあり、通常は短期間で実施されます。研修はあくまで仕事の一環であり、旅行と違い参加者は一定の成果を求められます。実施期間が短ければ、のんびり過ごす余裕はありません。少しでも成果を増やそうと考えれば、自然と集中力は高まります。研修を通じて短期間に集中する姿勢を社員が習得すると、その後も仕事の効率化を図るうえで役立ちます。
視野が広がる
海外の国々は、必ずしも価値観が同じではありません。研修中にさまざまな考え方に触れると、社員の視野は広がります。海外でよく価値観の違いを実感するのは、現地ならではの習慣やマナーを知った時です。例えば欧米のビジネスシーンの場合、初対面の挨拶では名刺交換より握手が大切と考えます。日本と同じようにいきなり名刺を出すと、失礼に思われるかもしれません。社員の視野が広がれば、国により価値観が違っても柔軟に対応するスキルが養われると期待できます。
人脈を増やせる
海外研修に行った際には、現地でなければ出会えない方と面識をもてます。交流した人数が多ければ、その分だけ人脈も増やせるでしょう。海外に人脈をつくれると、会社が国外進出を進める際の足がかりとして活用できます。現地スタッフと一緒に仕事する時、文化の違いから問題が生じても馴染みの顔があると頼りになるでしょう。海外研修は、人脈の拡大により会社に利益をもたらす意味でも大きなメリットがあるといえます。
社員を海外に出す場合の注意点
社員を海外に出す場合の注意点は、主に目的の明確化、適切な人材選び、リスク管理の3つです。
目的は明確に
海外研修の目的がはっきりしないと、社員は何を学べばよいか分からなくなる場合があります。研修を成功させるには、まず目的の明確化が必要です。最近は、さまざまな業種でグローバル化の影響が見られます。多くの会社は、グローバル戦略の一環として海外研修にも積極的です。
ただ目的に関しては、十分に理解していないケースが多く見られます。海外研修に関わる社員からよく聞かれるのは、経営陣の方針、ライバル会社が海外進出している、取引先から要望があったとの声です。これでは、誰が参加者にふさわしいか、また何を課題にすればよいか適切に決められないでしょう。海外研修で社員に多くの成果を期待するなら、明確な目的のもと実施する必要があると考えられます。
適切な人材を選ぶ
海外研修の目的に、決まりはありません。会社の現状や問題点をふまえ、ニーズに応じて設定するのが良いといえます。人材選びでは、目的に合っているかの検討が必要です。語学に堪能でなくても、大いに成長の見込める社員を選ぶのが妥当でしょう。
そもそも海外に出ることを考えると、生活面を始めとする数々の困難に耐えられるかどうかも問題です。参加する社員には、さまざまな問題を乗り越えられる精神力や体力が求められます。人選においては、研修の目的に合っているだけでなく、海外で生活できるかどうかの確認も怠れません。
リスク対策も重要
研修先は政治情勢から衛生面まで国内とは状況が大きく異なると考えられるため、リスク対策も非常に重要です。リスクのある項目をさらに細かく挙げると、日常生活や買い物でのトラブル、職場での人間関係のこじれ、自然災害の危険性まで多岐にわたります。
事前に万全を期すのは難しい話ですが、現地での対応を社員任せにするのも問題です。会社は、さまざまな危険から大切な社員を守るため可能な限りリスク対策を講じることが望まれます。政治不安や自然災害に対しては、迅速に脱出するため複数の避難方法を用意しておかなければいけません。すべてのリスクを完全に防ぐのは厳しいとしても、さまざまな事態に備えると社員の安全確保につながります。
心得ておきたいことは
海外研修に何らかの形で関わる場合、当事者意識をもつ、研修先の職場環境を把握する、社員の生活環境を整えることも大切と心得ておきましょう。
当事者意識をもつ
会社で海外研修を計画した時、自分が参加しなくても人選やリスク対応で関わる可能性があります。その際、忘れてはいけないのが当事者意識です。人選では、人事部が大きく関与すると考えられます。当事者意識をもつと、研修を成功させるため参加者には頑張ってほしいと思えます。
真剣に検討すれば、選ばれた人はしっかり期待に応えてくれるでしょう。リスク対応では、危険回避の手段をいくつも準備しなければいけません。時間と手間のかかる作業ですが、当事者として社員のリスクを減らしたいと考えれば面倒には感じないものです。海外研修が実施される際には関係者全員が当事者意識を共有し、きちんと準備を済ませてから社員を送り出してあげましょう。
研修先の職場環境を把握する
海外研修を準備する際、研修先の職場環境を把握しておくことも重要になります。会社によって、研修先となる海外拠点の環境は一律ではありません。現地に子会社のある企業、現地企業と合弁会社を経営している企業、工場や事務所だけ設置している企業など多様なケースが見られます。
職場環境の違いは、社会保険などに影響します。国によっては、社会保障協定を締結していないかもしれません。社員を派遣するか出向にするかによっても、保険などは複雑に変化します。研修期間中、社員が落ち着いて業務するには、どんな職場で研修するのか状況把握も怠れません。
社員の生活環境の整える
海外は生活マナーが異なる場合も少なくありませんが、生活環境が整っていると安心材料になります。生活環境を整えるうえで理解しておきたいのが、健康保険のシステムです。海外で研修中に病気やケガに見舞われた場合、通常、保険証は使えません。医療機関で治療を受けた後、基本的に費用は全額自己負担です。
健康保険の資格があり海外医療費を還付請求する場合、民間の海外旅行傷害保険を利用する方法があります。会社あるいは社員が加入している健康保険と組み合わせれば、自己負担額を減らせます。海外研修は、病気やケガとも無縁ではありません。健康保険のシステムも正しく理解し、社員が安心して生活できる環境を整えてあげましょう。
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