IoTビジネスとは?

更新日:2023.04.07ビジネス豆知識

IOTビジネス

最近は、遠隔操作できるエアコンや、Wi-Fiを利用した掃除機といったIoT製品が増えてきています。インターネットにつなげることで、より便利に家電を使用することが可能です。家庭だけでなく、ビジネスシーンでも注目を集めるIoT。この技術が広まることで、企業の生産性が高まったり、製品に新たな価値をつけられたりといったことが期待できます。ただし、日本企業にはIoTが広まりにくい文化があるとの指摘も。こちらでは、IoTビジネスについてお伝えします

IoTビジネスとは?

IoTとは、「Internet of Things」の頭文字を取った言葉です。日本語に訳すと、「モノのインターネット」。IoT化が進めば、身の回りのあらゆるものがインターネットにつながり、操作できる様になります。より生活を便利にするために注目されているシステムです。

「モノのインターネット」の「モノ」とは、あらゆるものを指します。個人の生活シーンでIoTが導入されると、洗濯機や炊飯器、エアコンといった家電類がインターネットとつながり、システム化が加速します。ネットにつなげることで、外出先で炊飯器のスイッチを入れたり、スマートフォンで室温や湿度を確認してエアコンを入れたりといった操作が可能です。

現在は、IoTをビジネスに組み込む動きが広まっています。たとえば生産現場です。生産現場では、トラックをインターネットにつなげて操作するといった使い方がされています。ほかにも、工場にIoTを導入してエネルギー使用量を「見える化」したり、生産設備に異常がないか監視したりといった使い方が一般的です。IoT化を進めることで生産性を大きく高められる可能性があり、さまざまな企業で導入のための取り組みが進んでいます。

IoTが進んでいるドイツとアメリカ

IoTの分野は、主にドイツとアメリカの企業が牽引してきました。

ドイツでは、2013年に製造業大手のシーメンスやボッシュ、IT大手のSAPといった企業が参画して「プラットフォーム・インダストリー4.0」が設立されています。「インダストリー4.0」とは、日本語でいうと「第4次産業革命」のことです。プラットフォーム・インダストリー4.0は、技術仕様の標準化を目指して活動をはじめました。

一方、アメリカでは2014年にゼネラル・エレクトリックやIBMが中心となり、「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)」が設立されています。こちらも、プラットフォーム・インダストリー4.0と同じく技術標準を目指した組織です。さらに、2015年にはシスコシステムやマイクロソフトで「オープンフォグ・コンソーシアム」を結成しました。

ドイツのインダストリー4.0が製造現場における技術仕様に力を入れているのに対し、アメリカのIICは機器に組み込むデバイスの標準化を重視しています。2016年にふたつの団体は連携を決め、統合に向けて動き出しました。IoT分野は、ドイツとアメリカの団体によって最終的な国際標準仕様が完成する可能性が高いと考えられています。

日本のIoTは遅れている?

センサーやロボットの分野で、日本企業は世界でも高い実力を誇っています。一方、IoTでは後発です。日本でIoTが広まらないのは、日本企業の体質が関係していると考えられています

日本企業の雇用形態は、正社員の終身雇用が一般的です。IoT技術が導入されれば単純作業を機械に任せられる様になりますが、従業員の雇用は配置転換をして維持する必要があります。欧米の様に速やかにIoTを導入するのは難しいのが現状です。

また、日本の製造業では「モノ」を長く大切に使う文化があります。工場によっては40年以上機械を使い続けるところも少なくありません。従来の機械は、技術のある職員が扱えば多少古くても問題なく動かせました。しかし、IT技術が組み込まれたIoT機器は、5年以上経過すると性能面で厳しくなります。また、最新型の機器が次々に出てくるため、古い機械ではライバル企業に追いつけません。

さらに1980年代の、日本経済の黄金期の経験が、IoT化に抵抗を感じさせてしまう面もあると指摘されています。当時の日本はものづくりに関して世界でも高い評価を得ており、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」ともいわれていました。経営層や管理者層の中には、当時の経験を元に方針を決める方も少なくありません。しかし、出てきたばかりのIoTビジネスは成功モデルが確立されておらず、試行錯誤しながらシステムを整えていく必要があります。新しいシステムに不安を覚える方は多く、IoT化が進まない原因のひとつといえそうです。

IoTビジネスで何が変わる?

IoTビジネスが浸透すると変わる可能性があるのは、価値の置かれる部分です。以前は、自動車の性能や機械の操作性といったハードウェアに関することに価値が置かれていました。その後技術が進み、カメラの性能やPCの機能といったソフトウェアが重視される様になります。IoTが広まれば、ハードウェアやソフトウェアではなく、サービスに価値が置かれる様になると考えられています。

現在販売されているテレビにはソフトウェアが組み込まれており、購入後も機能や操作性のアップデートが可能です。また、デジタルカメラもソフトウェアを更新することで機能を追加できます。

ネットワークにつながる様になったことで販売後も価値を高められる様になり、どれだけ性能を高めてくれるのかというサービス性が重視される様になりました。IoT化が進めば、この傾向がさらに強まっていくと考えられます。

IoTのビジネスモデル

IoTには大きく分けて7つのビジネスモデルがあります。

見える化タイプ

3Dの図面データや、建機の位置情報といったものをデジタル化して「見える化」するタイプです。アナログからデジタルへの変換で、状況が把握しやすくなり、暗黙の了解になっている事柄を明確な形で示せます。

ランニング、メンテナンスタイプ

保守運用やメンテナンスといった継続サービスを提供します。建機のリモートコントロールや航空機エンジンの省燃料に使われているのがこちらのタイプです。

コンテンツ、コンサルティングタイプ

省エネや省人化のためのコンサルティングや、オペレーションの見直しによるコスト削減といったことを行います。

マスカスタマイズタイプ

ソフトウェアを用いて量産品ベースにカスタマイズしたり、仕様を選択したりできるタイプです。既存製品のソフトウェアを更新するだけで、新しい機能を得られます。

ロットサイズワンタイプ

個別受注製品を生産し、提供するタイプです。個人のニーズに合わせハードを生産します。アンダーアーマー社やハーレーダビッドソン社の商品はロットサイズワンにあたります。

リモートコントロールタイプ

建機のリモートコントロールやドローン、自動運転自動車といった、遠隔操作による価値を提供するタイプです。人件費やコストの削減、生産性向上に効果を発揮します。

シェアリングモデルタイプ

ヒト・モノ・カネ・時間・データといった、あらゆるものをシェアします。UberやAirbnbといったサービスは、こちらのタイプです。

IoTビジネスの課金モデル

IoTビジネスの課金モデルは、「従量課金型」「定額サービス型」「スポットサービス型」の3つに分かれます。

従量課金型

IoTの課金体系でもっとも多いのがこちらのタイプです。利用者は、ガスや水道といったインフラサービスと同じ様な形で料金を支払います。

定額サービス型

定額使い放題の課金モデルです。ランニング、メンテナンスタイプのIoTビジネスと相性が良くなります。

スポットサービス型

一時的なサービスを提供する場合は、内容や回数に合わせて課金するスポットサービス型が適しています。

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今後、多くの業界で導入が予想されるIoTビジネス。さまざまな面でサービスの価値が最大化され、今の生活にも劇的な変化がもたらされるかもしれません。今後ますますの技術発展、IoT分野での日本企業の躍進も期待したいところです。

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