激減する営業職。生き残るヒントを探そう

2019.12.20スタッフブログ
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2000年当時に比べ、営業職の人口は激減しています。その理由は大きくわけてふたつ、EC市場の拡大とコンテンツマーケティングの進行です。さらにAI(人工知能)の発展が営業職激減に拍車をかけると予測されています。今回は、AI時代の到来を控える営業職の方が、この先も生き残る方法をご紹介します。

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国勢調査から見る営業職の就労状況

営業職に従事する方は、時代とともに減少しています。今一度、就労状況を2000年初頭から振り返ってみましょう。

「平成12年国勢調査」によると、当時の日本には960万人の販売従事者(※1)がいました。これは1973年からはじまった高度経済成長期、またバブル経済の名残りといえます。当時は“モノを作れば売れる時代”であり、GDP(国内総生産)も世界2位に達しました。多くの国内企業が飛躍的な成長を見せるとともに、営業職に従事する労働者が増加します。

2000年以降、営業職は段階的に減少します。ことの発端は、株価暴落により引き起こったバブル経済崩壊(1990年代初頭)です。急激な景気後退で国内企業の業績が悪化し、ボーナスの減少や正社員の解雇、非正規労働者の雇用が行われるようになります。

国勢調査が行われる5年単位で比較すると、2005年の販売従事者の総数は約911万人、2010年は約800万人、2015年は740万人となっています。国勢調査における販売従事者には販売職も含まれますが、それを考慮しても営業職が減っているのは確実でしょう。

※1.販売従事者・・・自社の商品やサービスの販売に関わる仕事に従事するもの。営業職や販売職が含まれる。

 

営業職が減少しているふたつの理由

そもそもなぜ、営業職の人口は減少傾向にあるのでしょうか。ふたつのポイントに絞って解説します。

 

業務フローのEC化

経済産業省が2019年5月に公表した「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、日本国内のBtoB-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は約344兆円、商取引のEC化率は30.2%でした。2014年時点での市場規模が約280兆円、EC化率が26.5%であるため、5年たらずで60兆円近くも規模が拡大しています。

ここで注目してもらいたいのが、EC化率の数字です。商取引のEC化にともない、これまで行われてきたアナログな業務フローが撤廃されます。営業職においては、テレアポ・対面営業・電話やFAXでの在庫確認などが良い例でしょう。結果的に営業職の仕事が減り、人口も減少していると考えられます。

 

オウンドメディアの営業職化

「コンテンツマーケティング」の浸透にともない、オウンドメディア運営に力を入れる企業が増えています。オウンドメディアには、ビジネスブログや調査分析レポート、資料請求ホームなどを掲載・設置するのが一般的です。またブログ記事において、自社商品の特徴・魅力や使用上のトラブルなど、顧客にとって有益な情報を提供します。

これらの取り組みは、営業職が行ってきた顧客対応と同様です。経営者目線でいうと、オウンドメディアを用意して“売れる仕組み”さえ作ってしまえば、コストをかけて営業職の方を雇う必要がありません。一方で優秀なマーケターを雇ったり、外部コンサルに委託したりする方が、費用対効果の面で優れます。

 

AIが営業職の仕事を奪うのは本当か?

近年、「AIによって仕事を奪われる職業ランキング」といったニュースが話題となりました。「野村総合研究所」と「オックスフォード大学」のオズボーン准教授らで行った共同研究によると、日本国内の労働人口の49%がAIやロボットで代替可能とのことです。それには、訪問販売員などの営業職も含まれます。

ただしほとんどの営業職において、AIに仕事を取られるとは考えにくいでしょう。なぜなら営業は、顧客との心理戦だからです。相手の考えを読み取ったり、それに合わせて異なるプランを提示したりと、臨機応変な対応が求められます。人間にしかできない営業活動は、まだまだ残されているのです。

 

AI時代に生き残れる営業職の特徴

「自分はまだまだ大丈夫・・・」と安心するのは早計です。マニュアルトークを展開し、最低限のノルマを達成するだけでは、いずれAIに仕事を奪われます。この先必要となるのは、営業活動における“人間らしい付加価値”を身につけることです。ここでは、AI時代に生き残れる営業職の特徴をご紹介します。

 

自ら意思決定と提案ができる営業職

現場の状況に合わせて意思決定を行ったり、提案できたりする営業職の方でなければ、この先は生き残れません。例えば、ただ商品説明を繰り返すだけならば、いずれ淘汰されるでしょう。一方的な説明ばかりでは、AIとなんら変わりないためです。AIが真似できない、人間らしいコミュニケーション能力に磨きをかけましょう。

 

顧客の意思決定をサポートできる営業職

「Aプランも魅力だけどBプランも捨てがたい・・・」。この様な顧客の悩みに対し、客観的な意見をもってアドバイスできる方は重宝されます。客観的な視点を身につけるには、第一に商品理解が必要です。他社商品、ひいては業界全体への知識も求められます。事前に集めた情報を武器にして、顧客の意思決定をサポートしましょう。

 

高度な専門知識を身につけた営業職

STEAM(※2)をはじめ、理系の専門知識は身につけたいところです。例えば近年は、タブレットなどで営業資料を提示し、商談を進めるのが一般的となっています。それが営業活動のAI化により、現場で参照するデータ量が膨大になると予測されています。統計学でも身につけていなければ、プレゼンさえ困難な状態となるのです。

業種によっては、技術面の説明を求められることがあります。例えば自動車メーカーなら、自動運転技術やEV・PHV(電気自動車)の仕組みなど、エンジニアレベルの知識が必要です。これらを現場で説明できなければ、顧客に不信感を与えるでしょう。技術革新が進むにつれ、営業職自身もアップデートを重ねなければなりません。

※2.STEAM・・・S=Science・Technology・Engineering・Mathematicsの頭文字を取った造語。理系的な専門知識を指す。

 

企画ができる営業職

ビックデータを活用し、アイデアを創出するのはAIの得意分野です。しかし、クリエイティビティ(創造性)は人間にかないません。先述した「野村総合研究所」の研究においても、AIに代替されにくい職種として、デザイナーやアーティストが含まれていました。よってクリエイティビティを発揮し、新商品・サービスの企画立案ができる営業職の方は生き残れるでしょう。

 

AIを活用できる営業職

AIは人間が活用してこそ価値があります。仕事を取り合うライバルではなく、優秀なアシスタンスとして味方につけるのが理想です。例えば、自社の営業支援システムにAIを導入すると、営業成績の底上げが期待できます。AIの本質はディープランニング(深層学習)です。一人ひとりの動きを学習し、状況分析に必要なデータを収集します。いずれデータが蓄積すると「メールの書き方が不適切」「○○の顧客は成約率が低い」とアドバイスし、営業活動を支援する様になります。

 

現状、ビックデータを元にした状況分析がAIの限界です。しかし将来的には、営業職の方が抱えるノンコア業務を代替できる様になると予測されています。ビジネスメールの作成を筆頭に、スケジュール管理やプレゼン資料作成などをAIに任せられるわけです。これまでに比べ、営業活動に専念しやすくなるでしょう。

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