もしもし検定過去問:第四十九問「知らなかったことに謝罪」
更新日:2022.10.27スタッフブログ「もしもし検定の過去問を電話代行サービス(株)のオペレーターが解説」のコラム、第四十九回目となります。今回の問題が49問目で、次が大台の50問目。実際のコラムの記事数で言うと、真夏企画などもあったので、もっと記事数があるのですが、それでも大台を迎えると祝い事をしたくなるというものです。まあ、200とか300記事数になってくると、「いまさら」なんていう感じがするのでしょうが、どこかで落ちることなく、過去問題を紹介できることに感謝をしております。それもこれも「日本電信電話ユーザー協会」さんが行っている「電話応対技能検定」という試験のおかげです。
▼もしもし検定の過去問題49
設問
相手の事情を知らなかったため失礼なことをした場合、謝ることばとして不適切な言い方はどれですか。次の中から1つ選びなさい。
- 「そうとは知らず、申し訳ありませんでした」
- 「そうとは存じなかったもので、申し訳ありませんでした」
- 「そうとは存じませんで、申し訳ありませんでした」
- 「そうとはご存じなかったもので、申し訳ありませんでした」
公益財団法人電信電話ユーザー協会(編)(2013年)
『電話応対技能検定(もしもし検定)3・4級公式問題集』(日本経済新聞出版社)
問題へのアプローチを電話代行オペレーターが解説
今回もよくある選択肢で、正解を導くのではなく、不適切な選択肢を紹介します。選択肢の後半はいずれも同じで、問題となるのは前半部分の
- 「知らず」
- 「存じなかった」
- 「存じません」
- 「ご存じなかった」
の4パターンから不適切な使い方の日本語を選びます。今回の問題で言えることですが、すぐに理解でき、解答が出せるなら特段必要ではないと思いますが、念のためテクニックとして紹介させて頂きます。どうしても解答がわからない時、それぞれの選択肢で仲間はずれを見つけます。今回の場合は選択肢1が「知らず」と別の形で、選択肢4は「ご存じなかった」と先に「ご」が付いている。こうすることで、仲間はずれから選択すれば、解答を導きやすくなるはずです。
もしもし検定の解答
正解:4
電話代行オペレーターによる徹底解説
失礼なことをした場合というのはオペレーターにも当然あります。なぜなら人間が対応するのですから、1つのミスやポカをやらかすことがあるからです。そうならないように、電話代行サービス(株)では品質向上を目指したセミナーや社内学習などを行って来ています。それでも、失敗や問題が起こってしまうことはあります。その時に重要となるのが、しっかりとした謝罪をすることです。
曖昧、適当、心がこもらないような謝罪は、相手にもその曖昧な気持が伝わります。そのため、誠心誠意、心を込めて弊社では対応をさせて頂いております。さて、問題に戻りましてそれぞれの選択肢を見ていきます。
1.そうとは知らず、申し訳ありませんでした
これは正解。「知らず」というのは敬意が少々足りない使い方ですが、謝罪していることにかわりませんので、なんとか合格と言えます。
2.そうとは存じなかったもので、申し訳ありませんでした
2.「存じなかった」となっていますが、敬意としては十分であり、知るの謙譲語である「存じる」なので使い方も問題ありません。
3.そうとは存じませんで、申し訳ありませんでした
2と同じように謙譲語の使用なので問題なしです。
4.そうとはご存じなかったもので、申し訳ありませんでした
「ご存じ」という利用方法の場合、謙譲語ではなく尊敬語に代わってしまいます。自分に使う言葉ではありませんので、これが誤りと言えます。
このように「知らず」「存じなかった」「存じません」「ご存じなかった」という似通った使い方であっても、自分に適した使い方、自分には使っては行けない言葉などが日本語としては複雑です。こういう部分の使い方というのは、人との関わりだったり人との会話のうちに自然と育まれるもので、外国人であってもしっかりと日本人と会話する人は、自然と綺麗な日本語が身についてくるものです。
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