パニッククレーマーとは?対処のポイント
更新日:2024.08.21電話代行パニッククレーマーとは、心理的なパニックによりクレームを訴える人を指します。近年では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、未知のウイルスへの不安や恐怖からパニッククレーマーになってしまう人が増え、注目を集めました。根本的にはクレームをする人の心理的な問題であるため、通常のクレームと同じ方法で解決できるとは限りません。電話対応でも、どう対処すればよいか頭を悩まされているとの声が聞かれます。そこで今回は、最初にパニッククレーマーの特徴を解説し、接客時の適切な対処法や電話対応時の大切なポイントをご紹介します。
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目次
パニッククレーマーの特徴
パニッククレーマーは、不安感や苛立ちの蓄積からパニック状態になり、周りにクレームをぶつけてしまう人を指した言葉です。通常のクレーマーと比較しながら、パニッククレーマーの特徴をご紹介します。
特徴1:悪意はない
一見するとパニッククレーマーはモンスタークレーマーに似ていますが、とくに悪意がないところに大きな特徴があります。専門的な見解によると、パニッククレーマーがパニックを起こす原因は不安な気持ちや苛立ちの蓄積、あるいは増大です。理不尽な要求を強いるケースも見られますが、いわゆるモンスタークレーマーと異なり、嫌がらせや金銭が目的ではありません。
最近の事例としては、コロナ禍で生じたトラブルが挙げられます。多くの店頭からマスクや消毒液が姿を消したことで、パニックを起こす人が増大したのです。ウイルス感染に対する不安や不満から、理不尽に販売を求めるパニッククレーマーになってしまったといいます。電車内や飲食店でマスクをせずに咳払いする人に対し、パニッククレーマーが敏感に反応してトラブルになるケースも見られました。
特徴2:感情が爆発
パニッククレーマーの場合、不安やストレスなど、心にたまった感情が爆発するところも特徴的です。通常のクレームでは、商品やサービスに問題があると不満の声が挙がります。対応時には誠意をもって謝罪したうえで、不満点を聞き取りながら解決策を提案すると、たいてい納得してもらえます。
一方、パニッククレーマーがクレームを訴える時の根本的な原因は、商品やサービスに対する不満ではなく、心理的要因です。心理的に大きな不安感などを抱えている場合、何かのきっかけで火がつくと感情が爆発してしまいます。言葉の通り一種のパニックを起こしている状態にあるため、応対者にとっては原因の究明や問題解決が難しいでしょう。
特徴3:要求が理不尽
ほとんどのパニッククレーマーに悪意はありませんが、要求内容はモンスタークレーマーと同じく基本的に理不尽です。パニッククレーマーになると感情が爆発し、多くのケースで冷静に気持ちを制御できません。心にたまった不安や苛立ちを抑えられず、思いつくまま周りに理不尽な要求をぶつける傾向が見られます。
顧客対応では、誠意ある謝罪が受け入れてもらえるとは限りません。また、親身に話を聞きながら丁寧に事情説明しても、感情的になってしまっている場合、説得するのは難しいでしょう。どんな言葉が感情を害するか分かりにくく、一般的なクレームより二次被害を招きやすい特徴もあると指摘されています。
適切に対処するには
お客様がパニッククレーマーになっていると考えられる場合、適切に対処するには危機管理の意識をもつことが重要です。同時に、理不尽な要求を受け流す姿勢も大切になります。
危機管理の意識
接客でパニック状態になったお客様からクレームを受けた時は、「通常のクレームでなく危機管理である」と意識を切り替えるのが賢明です。普段、どれほど親切丁寧な接客を心がけていても、お客様から感情的な言葉をぶつけられると精神的にダメージを受けます。すべて真正面から受け止めていたら、仕事が辛くなってしまうかもしれません。
そんな事態を回避するには、「クレーム対応」と考える代わりに、「危機管理」であると認識するのが効果的です。上手に意識を切り替えられた場合、より強い気持ちで応対できるといわれています。いつも以上に精神面が強固になれば、いきなり大声で怒鳴られても落ち着いて解決策を考えられるでしょう。
受け流す姿勢
パニッククレーマーと見られるお客様への対処では、理不尽な要求を受け流す姿勢も大切です。心理的にパニックを起こしたお客様の多くは、とにかく自分の希望を押し通すため必死になっています。感情に支配され周りが見えず、要求内容が理不尽かどうか冷静に判断できません。
お客様に精神的な余裕がないと、応対者がどれだけ分かりやすく事情を伝えても、納得してもらうのは難しいでしょう。また、親切心で発した言葉が、思いがけない形で不愉快に思われるケースも知られます。そのため、不安感から生じた理不尽な要求は、説得を試みるより一通り受け流すほうが問題を肥大化せずに済むと考えられています。
明確な意思表示
お客様が感情的に理不尽な要求を訴えてきた時も、通常のクレーム処理と同じく明確な意思表示は不可欠です。パニッククレーマーに悪意はありませんが、それでも理不尽な要求に応える必要はありません。どれほど感情的な言葉で必死に訴えられても、受容できない旨を明確に意思表示する態度は必須です。
単独での対応が厳しく感じられる時は、複数で対処する方法も有効です。2人以上いれば、1人は「聞き役」になり残りは「記録係」を務められます。この方法なら、お客様の話を傾聴している姿勢が示せるとともに、同僚が一緒にいると心の支えになります。いずれにしても、お客様の勢いに圧倒され理不尽な要求を受け入れるのは望ましくありません。
電話対応でのポイント
電話対応で意識したい大切なポイントは、結論を急がないことです。クレーム電話は早く切りたいと感じますが、焦りはミスにつながりやすいといわれています。必要があれば、周りにフォローを求めましょう。
結論を急がない
お客様がパニッククレーマーに該当するかどうかを問わず、電話でクレームを受けた場合も焦りは禁物です。職場にクレーム電話があった時、いきなり大声で怒鳴られると冷静ではいられないでしょう。ただし、そのままクレーマーのペースに流されると、理不尽な要求を断れなくなる恐れがあります。
お客様に悪意がないと判断した場合、まず自分の意識を通常のクレーム処理から危機管理へと切り替えるのがポイントです。これで気持ちが落ち着けば、その後は冷静に会話を進めやすくなります。とはいえ、長電話は仕事に差し支える原因です。一定の時間が過ぎても解決の糸口が見つからない時は、改めて書面で回答するなどの選択肢もあります。
周りと協力
電話によるクレーム処理でも、店舗などでの顧客対応と同じく周りと協力することは可能です。お客様がパニックを起こしていると、応対者が丁寧に状況説明しても簡単には理解してもらえないところに解決の難しさがあります。この点は、電話対応でも大きく変わりません。
自分1人で処理するには負担が大きいと感じられた場合、周りに協力を求めるのが得策です。経験豊富なベテランにバトンタッチする、あるいは改めて上司から連絡を入れると伝えます。「最後まで話を聞いてくれないのか?」と訴えられても、責任を感じて無理に会話を続ける必要はありません。
通話時間を設定
職場のクレーム電話が長くなると懸念される際は、事前に通話時間を設定しておく方法も選択肢の一つです。通常、仕事上の電話は、長くても30分程度で終わるのが一般的です。クレーム電話の場合、お客様がパニックなどを起こし感情的になると会話は必要以上に長引くケースが珍しくありません。
クレームが貴重な意見と考える職場も珍しくないため、どんな内容であれ電話は切りにくくなるでしょう。その際、あらかじめ社内ルールで通話時間を決めておくと応対者は会話を終えやすくなります。お客様がパニッククレーマーの場合、電話対応でも速やかな解決は難しいといえます。応対者1人に任せず、職場全体で工夫しながら対処するのがおすすめです。
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