リフレーミングで仕事の苦手意識を克服しよう!
更新日:2023.03.22ビジネス豆知識リフレーミングは、物事の見方・考え方を見直す時に使われる思考方法です。もともと心理学の分野で体系化され、最近は人材育成に役立つとの理由からビジネスの場でも注目を集めています。この方法の効果などを理解すれば、仕事の苦手意識の克服やモチベーション向上につながるでしょう。そこで今回は、リフレーミングの概要・ビジネスシーンにおける効果・代表的な方法などをご紹介します。
目次
リフレーミングの概要
リフレーミングは、物事の見方・考え方を変えることです。心理学の分野で発展した思考方法であり、近年は先入観や固定観念を見直す手法としてビジネスシーンでも注目を集めています。以下では、言葉の意味などをご紹介します。
言葉の意味
リフレーミングは、英語のリフレイム(reframe)に由来する言葉です。物事の見方を変える概念・思考方法として、心理学の分野で発展していきました。英語のリフレイムは、「frame:額縁・枠に入れる」に「re:再~・~し直す」が追加された表現です。もともとの意味に沿って、「再額装する」「編成し直す」「見方を変える」などの意味で使われています。
1970年代、コミュニケーション心理学の分野で、リフレイムの意味をふまえた「リフレーミング」と呼ばれる概念・思考方法が考え出されました。心理カウンセリングなどで使われるなか、体系化されたといわれています。近年は視野の拡大やモチベーション向上に効果があると認識され、ビジネスシーンでも注目され始めています。
リフレーミングの種類
リフレーミングの種類は、大きく分けると「状況リフレーミング」と「内容リフレーミング」の2つです。「状況リフレーミング」は、現状や現状を生み出した背景を見直すことです。ここでの「状況」には、自分を取り巻く人物・事物の全体が含まれます。現状を見直すことで、マイナスに感じた要素をプラスに転換できる効果があると考えられています。
「内容リフレーミング」は、自分の内面に対する考え方を見直すことです。ここでの「内容」は、性格や悩みなど内面的な要素を指します。自分の内面にある性格や悩みを見直した場合、新しい価値を見出せる可能性があるといわれています。2つのリフレーミングは、自分の現状や性格に対する見方・考え方をマイナス方向からプラス方向へ切り替えるのに効果的です。そのためビジネスの場では、従業員のモチベーション向上に役立つと期待されています。
ポジティブシンキングとの違い
リフレーミングと類似する思考方法に、「ポジティブシンキング」があります。これらの違いは、見方・考え方を変えるか、ネガティブ要素を前向きに考えるか、の差です。多くの物事は、観察者の視点や立場を変えることで見え方が変化します。物事を観察する時の視点や立場の変更により新しい意味・価値を発見する思考方法が、リフレーミングです。
一方、ポジティブシンキングは、自分の欠点や悩みなどネガティブ要素をポジティブに考える思考方法です。欠点や悩みを前向きに受け入れる姿勢が重要であり、必ずしも視点や立場を変えるわけではありません。ポジティブシンキングは前向きな姿勢が重視されるのに対し、リフレーミングは物事の見方・考え方の変更が必須である点に大きな違いがあります。
リフレーミングの効果
ビジネスシーンにおいて、リフレーミングは従業員の自信の獲得やモチベーション向上に効果的です。また、良好な人間関係の構築にもつながると見込まれています。以下では、リフレーミングがもたらす主な効果をご紹介します。
従業員が自信を獲得できる
従業員が自信を獲得できるところは、リフレーミングを通して得られる大きなメリットです。リフレーミングは、自分を取り巻く現状や性格・悩みに対する見方・考え方を変えることです。これまで当たり前であった見方・考え方の見直しが目的であり、プラス思考を最優先に考えていません。
それでも、以前とは異なる見方・考え方を取り入れた場合、自分の現状や性格について新たな意味・価値を見出せる可能性があります。新たに発見した意味・価値がポジティブな要素であれば、プラスに作用して自信の獲得につながるでしょう。従業員に自信がない場合も、ネガティブに考えていた現状や性格をプラス方向に転換できるリフレーミングは仕事に対する自信を高めるのに有効です。
モチベーションが向上する
従業員のモチベーション向上も、リフレーミングを実践した時に期待できる代表的な効果です。仕事に自信がない場合、どの作業も難しく思える可能性があります。同時に「ミスするのではないか」との不安感が大きくなれば、仕事へのモチベーションは下がるかもしれません。
それに対して自信を獲得できた場合、作業ミスを懸念する不安感は小さくなると考えられます。不安感の低減により「適切に処理できる」との思いが強まれば、仕事のモチベーションは向上するでしょう。リフレーミングで従業員が自信を獲得できれば不安の解消につながり、仕事に対するモチベーション向上にも効果を発揮します。
良好な人間関係も構築できる
従業員によるリフレーミングは、社内で良好な人間関係を構築するにも効果のある方法です。他者を評価する時、リフレーミングがプラスに作用すると短所に思えた性格を好意的に見直せる可能性があります。社内で従業員同士がお互い性格や勤務姿勢を高く評価できれば、人間関係は良好になると期待できます。
従業員同士による良好な人間関係の構築は、社内全体の一体感を強めるのにも効果的です。お互いに認め合う気持ちが生まれれば個々の作業で協力しやすくなり、仕事の生産性も上がると見込めます。以上の高価から、多くの企業ではリフレーミングが従業員の自信の育成や風通しのよい職場づくりに役立つと見られています。
リフレーミングの方法
リフレーミングの方法は、「言葉のリフレーミング」や「時間軸のリフレーミング」が代表的です。これらの方法は、いずれも簡単に練習できるといわれています。以下では、主なリフレーミングの方法をご紹介します。
「言葉のリフレーミング」
「言葉のリフレーミング」は、これまで当たり前になっていた言葉の意味を見直す方法です。この方法を練習する時は、最初に任意で言葉を選びます。いくつも意味がある言葉を選ぶと、意味を見直すのが簡単です。日頃から慣れ親しんでいる意味を思い浮かべてから別の意味に置き換えれば、リフレーミングの練習になります。
「優柔不断」は、「決断力がない」「気移りしやすい」などネガティブな印象の強い言葉です。この言葉をリフレーミングした場合、「決断力のなさ=思慮深い」、また「気移りしやすい=好奇心旺盛」に置き換えられます。「思慮深い」「好奇心旺盛」はポジティブな印象があるため、リフレーミングにより言葉のマイナス面がプラス面に転換された事例といえるでしょう。
「時間軸のリフレーミング」
「時間軸のリフレーミング」は、時間軸を見直して自分の考えや経験の新しい価値を発見する方法です。この方法の場合、記憶の曖昧な過去のことより現在の考えや最近の経験を選んだほうが練習しやすくなります。いまの考えや数日前の経験を思い出した後は、将来的な視点から現在の自分の状況を見直します。
仕事上のミスは、将来的な価値を発見するのに適した経験です。入社して間もないミスであれば、「いまのうちに失敗を経験しておけば、数年後に活かせる」と将来的な価値を見出せます。リフレーミングの方法は上手に使うと仕事でミスした時も前向きになれるため、現在の業務に苦労している場合は苦手意識を克服するのにおすすめです。
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