企業型DCとは?

2020.11.13ビジネス豆知識
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自分で資産運用することで年金の受取額が変わる制度として、確定拠出年金があります。企業型DCは、この確定拠出年金の一種です。会社の従業員が対象であり、さまざまな税制優遇措置を受けられるメリットがあります。うまく資産運用できれば将来の年金受取額を増やせる可能性があるため、この制度について理解を深めておく価値は低くないでしょう。そこで今回は、企業型DCの基本的な仕組みや主なメリットをご紹介します

企業型DCとは?

企業型DCとは

企業型DCとは、企業側が積み立てた年金の掛金を従業員が資産運用する制度です。

基本的な仕組み

企業型DCは、基本的には会社の定めたルールにもとづき掛金が負担され、従業員の責任で運用されるところに大きな特徴があります。

一般的に掛金の負担額は、会社の役職などに応じて決定されます。上限に関しては規定があり、他に厚生年金基金などの企業年金がある場合には月額27,500円、他にないと月額55,000円です。制度上、限度額を超えた掛金の拠出は認められていません。

加入方法については、会社で自動加入に設定しているケースと従業員側で選べる場合があります。加入者は自分で金融商品を選び、資産配分を決めます。積み立てた年金資産は退職金あるいは年金形式で受け取りますが、いずれも資産を引き出せる時期は原則として60歳以降です。

どう資産運用するかは従業員の問題であり、退職金や年金の支給額が変動しても責任は従業員本人が負うことになります。

マッチング拠出の仕組み

マッチング拠出とは、企業型DCのうち会社が負担する掛金に従業員が金額を上乗せする制度です。

企業型DCでは会社が掛金を提供してくれますが、他の企業年金の有無に関係なく上限額が定められています。その金額に、すべての従業員が満足できるとは限りません。

従業員が会社側の負担額では不十分と感じた時、掛金を増やせる仕組みがマッチング拠出です。従業員は、会社の負担金に自分で用意した掛金を合わせて資産運用に回せます。

マッチング拠出で従業員が拠出できる掛金は、会社の負担金額の範囲内です。同時に、会社と従業員の合計金額は企業型DCの制度上の上限を超えてはいけません。

企業型DCを導入している会社でもマッチング拠出を利用できるとは限らないため、担当部署に確認しておくと安心です。

企業型DCの主なメリットは税制優遇措置

企業型DCの主なメリットに、税制優遇措置があります。優遇措置の内訳は、運用益の全額非課税、各種控除の適用対象、所得税・住民税軽減の3つです。

運用益は全額非課税

企業型DCの運用により得た利益は、全額非課税になります。

一般的な金融商品の場合、資産を運用した時に得られた利益は課税対象です。通常であれば、運用益に対して約20%の税金が課されます。この税率は、家計への負担が軽くないと考えられます。

企業型DCになると、運用益は所得金額を問わず全額非課税です。およそ20%の課税率に比べると大幅な負担軽減と考えられるため、家計にもたらすメリットは大きいといえます。

各種控除の適用対象

退職金あるいは年金形式で受け取った年金資産は、いずれも各種控除の適用対象です。

企業型DCで積み立ててきた年金資産は、60歳になると退職金か年金として受け取れます。いずれの形式で受け取っても、所得金額に対しては各種控除が適用されます。

実際に適用される控除措置は、どちらの形式で年金資産を受け取るかによって異なります。退職金の場合には「退職所得控除」、年金形式であれば「公的年金等控除」の適用対象です。

所得税・住民税は軽減

マッチング拠出を利用すると、従業員が拠出した掛金には所得控除が適用され所得税・住民税は軽減されます。

企業型DCを導入している会社では、従業員が希望すればマッチング拠出を利用できるケースがあります。その場合、従業員が自己負担した毎月の掛金はすべて所得控除の適用対象です。

この優遇措置により、控除を受けた従業員の所得税と住民税は軽減されます。これらの課税額が減れば家計にとって大きな助けになるため、メリットは小さくないと考えられます。

加入手続きについて

企業型DCの加入手続きは、自動加入か選択制かを問わずほとんど会社で引き受けてくれます

会社が担当する手続き

企業型DCは会社側から見ると福利厚生の一環であり、従業員は自動加入が原則です。選択制の職場もありますが、基本的に加入手続きは会社で済ませてくれます。

会社が担当する手続きの数例を挙げると、運営管理機関となる金融機関の選定、毎月の掛金の拠出や企業型DCに用いる口座の管理にかかる手数料の負担です。

従業員が担当する手続き

従業員が担当する手続きは、自動加入か選択制かによって違いが見られます。自動加入と選択制のいずれも、運用商品の種類や年金資産の配分割合は事前に決めておく必要があります。

選択制の場合、まず企業型DCに参加するかどうか検討しなければなりません。この時点では、会社が拠出する費用を企業型DCの掛金として処理してもらうか給与に上乗せして受け取るか決めます。

企業型DCへの加入を選んだ場合には、担当部署で加入申請の手続きも必要です。

加入手続きが完了したら

企業型DCへの加入手続きが完了すれば、年金資産の運用状況を確認することで運用商品や配分割合を見直せます。運用状況を確認できる場所は、運営管理機関の専用サイトです。

加入手続きで企業型DC専用の口座が開設されると、従業員にはユーザーIDとパスワードが与えられます。これらをアカウント情報として専用サイトの取引画面にアクセスすれば、運用状況をチェックできます。

掛金の累計額から全資産の時価評価額や評価損益、運用成績まで詳しく分かるため、自分の資産運用の見直しに役立ちます。

用意されている運用商品

運営管理機関により用意されている運用商品は、「元本確保型」と「元本変動型」の2つです。

元本確保型

元本確保型は、積み立てた元本が確保されるタイプを指します。

このタイプの代表的な商品は、「定期預金」と「保険」です。元本割れのリスクがないため、元本を減らしたくない場合に適しています。ただし、金利が低い状況のもとでは年金資産を大きく増やせません。

そもそも企業型DCは、従業員が掛金を資産運用する制度です。そのため、元本割れのリスクを避ける手堅いスタイルは企業型DCならではの特徴を活かしていないと指摘する声も聞かれます。

元本変動型

元本変動型は、元本が運用状況に応じて変動するタイプです。

このタイプの商品は、「投資信託」です。投資信託の場合、運用成績に応じて手に入る利益は変わります。うまく運用できれば資産は増えますが、損失が生じて資産が減るケースもあります。

企業型DCは従業員が資産運用する制度と説明されますが、投資信託では投資の専門家が実際に投資先を決める担当です。従業員は、その運用成果をふまえ選択した投資信託の種類を変更するか検討します。

商品の選び方

運用商品の選び方は、とくに決められていません。

商品選びの大まかなパターンは、ひとつの商品に一本化するか複数商品を組み合わせるかの2つに分けられます。確保型と変動型のメリットをいずれも期待するなら、組み合わせるパターンがよいかもしれません。

確保型に限ると十分な利益は見込めず、変動型だけではリスクが小さくないと考えられます。両者を組み合わせ一定の資産を確保しながら残りを投資に回せば、リスクを抑えつつ多少の利益を望めるでしょう。

企業型DCは運用益が非課税になるため、その利点も考慮するなら無理のない範囲で投資に挑戦してみてもよいとの意見がよく聞かれます。

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