夏のコールセンターで働く時の暑さ・寒さ対策
更新日:2023.06.02秘書代行コールセンターなどでは、夏場にオフィスの室温問題で悩まされるケースが多いといわれています。暑くても寒くても、室内温度が適切でないと仕事に集中できず体調を崩す恐れがあります。快適な職場環境を整えるために、いろいろな対策法を知っておくことがおすすめです。そこで今回は、夏場のオフィスで見られる室温問題をふまえ、主な発生原因や効果的な対策法などをご紹介します。
目次
夏場のオフィスの室温問題
夏場のオフィスでは暑さと寒さともにトラブルを招く危険性があり、どちらの問題も軽視できません。オフィスにおける適度な室内温度の目安が定められているため、事前に確認しておきましょう。
暑さが招くトラブル
オフィスの暑さが招く代表的なトラブルは、熱中症、集中力の低下、ストレスの蓄積です。とくに熱中症は命に関わる事態であり、注意する必要があります。ここ10年ほどの推移を見ると職場での死傷者は400人を下らず、多い時は1,000人を超えています。室内で倒れるケースも皆無ではなく、オフィス内でも常に警戒は怠れません。
また、暑さで普段通りに頭が回らなくなると集中力は低下し、いつまでも汗が止まらず不快に感じればストレスがたまります。いずれも仕事の妨げとなり、ミスが増えて作業効率が落ちる原因となり得ます。
一般的に、熱中症は室温30℃・湿度60%以上になると発生率が高まると指摘されています。経費節減のためエアコンの使用を控えるとしても、暑さが招くトラブルを防ぐには、何かしらの方法で室内を涼しく保つ工夫が望まれます。
寒さが招くトラブル
反対に、エアコンの効いたオフィスで寒さが招く主なトラブルは、クーラー病と呼ばれる体調不良です。クーラー病の典型的な症状としては手足の冷えのほか、体のだるさ、頭痛、食欲不振などが挙げられます。一見すると夏風邪に似ていますが、それぞれの発症原因は異なります。
夏風邪は、冬と同じくウイルスが原因です。それに対してクーラー病は、屋外と室内の激しい温度変化により引き起こされます。猛暑の屋外と冷えた室内を往来すると自律神経の体温を調節する機能が正常に働かなくなり、体調不良につながります。
自律神経の機能障害から生じるクーラー病は、いまのところ特定が難しいといわれている症状です。まだ治療薬はなく、症状が疑われる時は安静を保つ、あるいは環境改善などで自律神経の機能を回復させる必要があると考えられています。
オフィスの適温は?
オフィスにおける適切な室温の目安は17~28℃、湿度は40~70%です。これらの数字は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」や「事務所衛生基準規則」を参考にした場合の適温として示されています。会社で法令の規定範囲を守っていない時は、違法と見なされる可能性があります。
「職場快適基準」は、快適なオフィス環境について上記2つより詳細に設定している法令です。規定では、夏季の室内温度24~27℃、冬季の室内温度20~23℃、いずれの季節も室内湿度50~60%が目安と定められています。
これらは、すべて適切な室内温度に関する法的な指標です。エアコンの設定基準ではありませんが、電力コストを節約する目的で空調の使用を控えるとしても、会社は従業員が快適に働ける環境づくりに努める必要があります。
オフィスが暑くなる原因
オフィスが暑くなる主な原因は、エアコンの効果の差、機器類の排熱、人口密度の高さ、窓の遮熱不足、湿度の高さなどです。
エアコンの効果の差
エアコンの効果の差は、夏場にオフィスで働いているとき暑く感じる原因の代表例に挙げられます。通常、デスクが空調設備から近いほどエアコンの効果は高くなります。風向きや風量を調節しても室内全体を均一に冷やすのは難しく、エアコンから遠いところは暑さが続く傾向にあります。遠くまで冷やすため設定温度を下げると、エアコンの近くにいる人が寒く感じる恐れがあり、有効な解決策とはいえません。
機器類の排熱
機器類の排熱は、エアコンの効果の差とともにオフィスの室温が暑くなる代表的な原因です。オフィスにある機器類は、本体が高温になる危険を避けるため排熱している場合があります。パソコンやプリンターからの排熱は、エアコンを使っていても室温の上昇を招くと指摘されています。とくに機器類の周りが暑く感じられる時は、これらの排熱に原因がないか確認してみるとよいでしょう。
人口密度の高さ
従業員の多い会社などでは、室内の人口密度の高さがオフィスの暑さにつながりがちです。職場に限らず、同じ場所で人が増えると風通しは悪くなり、室内の温度は上がりやすくなります。オフィスの場合、1人あたり約6畳のスペースを確保しないと快適な環境は保ちにくいといわれています。人口過密による室温の上昇を防ぐには、お互いの作業スペースの距離感などにも配慮が必要です。
窓の遮熱不足
オフィスの窓の遮熱不足も、夏場に室内が暑くなる主な原因のひとつとして知られています。窓の遮熱性能が低いと外から強い太陽光が射し込み、オフィスが温められる可能際があります。とくに壁一面がガラス張りの場合は室内に陽射しが入りやすく、遮熱対策が重要です。
湿度の高さ
オフィスの温度に問題が見当たらない時は、湿度の高さにより室内が暑くなっているかもしれません。人体は、発汗した後に汗が蒸発すると体温が下がる仕組みです。湿度が高いと汗は蒸発しにくいため、暑さを感じやすくなります。オフィスの室温が適切であれば、湿度を見直す必要が出てきます。
オフィスを快適にする対策法
オフィスで法令が定める目安にもとづき快適な職場環境を実現するには、次の対策法を取り入れると効果的です。
暑さ対策
暑さ対策としては、扇風機の設置、断熱シートの活用、クールビズの導入などが挙げられます。
扇風機を設置
オフィスが暑くなる原因のうちエアコンの効果に問題がある場合、扇風機を設置する方法がおすすめです。エアコンを使う際は、同時に扇風機を回すと冷たい空気は室内全体に送られます。空調設備からの距離による効果の差は解消され、遠いところでも室温は下がり、快適な環境に変わります。
断熱シートを活用
窓の遮熱性能が思わしくない場合は、断熱シートなどを活用すると陽射しの熱を弱めるのに効果的です。最近は、窓ガラスに貼れるフィルムや遮熱機能のあるブラインドカーテンも手に入れられます。これらを用いると窓からの熱の伝達は抑えられ、室内の温度上昇を防ぐのに役立ちます。
クールビズの導入
クールビズの導入も、オフィスにおける夏場の暑さ対策として効果が期待される方法のひとつです。勤務中、ノーネクタイやノージャケットで作業できると働きやすくなると考えられています。普段、従業員がスーツ姿で出勤しているなら、暑さの厳しくなる時期は職場全体で楽な勤務スタイルを推奨するとよいでしょう。
寒さ対策
寒さ対策には、エアコンを適温に設定することが大切です。また、衣類による防寒対策なども効果があります。
エアコンを適温設定
オフィスが寒く感じられる場合は、エアコンが適温に設定されているか確認したほうがよいと考えられます。誰かが外回りから戻った時、温度設定を下げているかもしれません。そのまま使っていると、室内は冷え過ぎる可能性があります。寒さ対策として、エアコンの設定温度のチェックは不可欠です。
衣類で防寒対策
オフィスで勤務中に寒さが辛くなってきたら、さまざまな衣類で防寒対策する方法もあります。エアコンの温度設定が適切でも、デスクが送風口に近いと人によっては寒く感じるでしょう。そんな時は、薄手のサマーカーディガンやストールを身につけると体を温められます。
他にも、ストレッチや飲み物で対策する方法が知られています。コールセンターなどでオフィスの室温に悩まされた時は、いろいろな対策法を試してみてください。
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