もしもし検定過去問 2級技能第四問「あいまい文を意識」

更新日:2022.04.27スタッフブログ

PCに移った棒グラフと書類を持った男性

「もしもし検定の過去問を電話代行サービス(株)のオペレーターが解説」のコラムです。今月は真冬企画「帰ってきたこの難問が解けるか!?」と題しまして、日頃は3・4級の問題を出すところを、上位級である1・2級の問題を紹介し皆様をさらなる高みへ招待させて頂こうと考えています。

今回は戻ってきまして2級から出題させて頂きたいと思います。2級と言っても問題としては難しいので、気を抜かずにしっかりと問題文を読み、その中からヒントとなりそうな文言を見つけて選択肢を確認してください。少なからず問題文の中にヒントは紛れているはずだと、私個人は考えています。それが大きなヒントもあれば、か細いシグナルのようなものまで様々ですが、まずは問題文を理解することから始めるのが、問題の基本です。

▼もしもし検定 二級技能問題4

設問

ことばの順序が災いして、伝えたつもりの意味が誤って受け取られることがあります。こうした類の文を「あいまい文」と言います。次の中から「あいまい文」ではない文を1つ選びなさい。

  1. 「私は、面倒な家事を妻にまかせてしまいます」
  2. 「私は、あなたのように片付けがうまくないのです」
  3. 「私は、姉と違って手先が器用ではありません」
  4. 「私は、いつも大事に持ち歩いている書類を入れたカバンを置き忘れました」

電話応対技能検定専門委員会(編)(2013年)
『電話応対技能検定(もしもし検定)2/1級過去問題集』(公益財団法人日本電信電話ユーザー協会)

問題へのアプローチを解説

この問題、そもそもの言葉がわからないと取っ付きにくいと思います。そもそもあいまい文とは一体なんでしょうか?

あいまい文とは、あいまいな形で言葉が繋がっていることを言います。もともと日本語にはあいまいな言葉が多く、前後の言葉を読み解いて内容が見えて来るものです。そのつながりを示す言葉が足りず、認識の齟齬が起きることを言います。

例えば「ピアニストの姉は弁護士です」という文があります。
この場合、「姉は弁護士でありながらピアニストでもある」(弁護士とピアニストの兼業)という読まれ方もすれば、「ピアニストの姉は弁護士をしている」(かつてピアニストではあったが、今は弁護士をしている)という読まれ方もできます。

そうならないようにするためにも、あいまい文がどのようなものであるか理解する必要があります。今回の場合、問題文にどんなものであるかのヒントがありますので、それぞれの選択肢を読んでみて、正解を導けば宜しいかと思います。

もしもし検定の解答

正解:3

電話代行のオペレーターによる徹底解説

それではそれぞれの選択肢を見て行きたいと思います。今回は、「あいまい文」ではない文をひとつ選ぶという問題です。

1.私は、面倒な家事を妻にまかせてしまいます

こちらは不正解。つまりあいまい文です。どこがあいまいなのか。それは「面倒な」にあります。この問題、「面倒な家事」を「妻に任せた」とありますが、それは家事が面倒だからなのか、他の家事はできるが、面倒な家事だけなのか、その区分ができていないことです。

2.私は、あなたのように片付けがうまくないのです

こちらも不正解。あいまい文です。今回は否定でもある「ように」がポイントです。「あなたのように」とありますが、「あなた」という人間が「片付け」がうまいから謙遜しての対応か、それとも「あなた」が下手で自分自身も同列なのだからという意味なのか、その部分があいまいです。

3.私は、姉と違って手先が器用ではありません

こちらが正解です。しっかりと説明できていると思います。あいまい文とするなら「私は器用ではない姉と違って」となるかもしれません。「私は器用ではない」「姉と違って」となるか、「私は」「器用ではない姉」「と違って」となります。

4.私は、いつも大事に持ち歩いている書類を入れたカバンを置き忘れました

こちらも不正解。こちらは「大事に」しているのが「書類」なのか「カバン」なのか、その点があいまいです。「大事に持ち歩いている書類」なのか「大事に持ち歩いているカバン」なのかです。

どうでしょうか、あいまい文について理解頂いたでしょうか。予期せぬ形であいまい文になってしまう場合があります。そうならないためにもしっかりとあいまい文について知っておく必要があります。

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