自律型人材の特徴や育成方法

更新日:2023.02.22ビジネス豆知識

自律型人材の特徴や育成方法

自律型人材は、自分を律しながら自己判断で適切に業務を遂行できる人材です。さらに企業・顧客のニーズふまえ成果を上げられるため、近年のビジネスシーンで注目を集めています。このタイプの特徴や育成方法について理解を深めれば、企業は多くのメリットを得られるでしょう。そこで今回は、自律型人材の概要・メリット・育成方法などをご紹介します

「自律型人材」とは

「自律型人材」とは

自律型人材」は、自分を律したうえで主体的に仕事を進められる人材です。以下では、ビジネスシーンにおける言葉の定義、このタイプの人材に見られる特徴、多くの企業で注目される理由などをご紹介します。

2ビジネスシーンにおける言葉の定義

自律型人材」は、周りからの指示なしに自分の判断にもとづき能動的に仕事を進められるうえ適切に成果を生み出せる人材と定義されています。

本来的に「自律」は、「他から支配・制約を受けず、自分で決めた規範にしたがい行動すること」を意味する言葉です。周りに注意されなくても自分の行動を正しく律する自制心があり、経済的・社会的に独立する「自立」とは意味が異なります。

ビジネスシーンの場合、自律型人材は上司や同僚の指示を待たず自分の意思や判断により適切に業務を遂行できるタイプです。また、能動的に行動できるだけでなく、企業・顧客が求める成果を生み出せる能力も備えている人材を指します。

自分の好きに働くのと異なり、企業の経営方針・事業戦略をふまえる自制心があり、企業に大きく貢献すると期待される人材といえるでしょう。

自律型人材の特徴

自律型人材は、周りの指示がなくても企業・顧客のニーズに沿って仕事を進められるところが大きな特徴です。このタイプの人材は、上司や同僚の説明を待たず企業の将来的ビジョンや事業の方向性を理解したうえで業務を遂行します。自分が何を求められているかを的確に把握しているため、企業・顧客のニーズに沿った成果を生み出せます。

責任感の強さも、自律型人材に見られる主な特徴です。常に強い責任をもって、自分の意思・判断を行動に移します。自己判断で仕事を進めている自覚があり、ミスした時は真摯に受け止めます。また、周りの意見や評価に振り回されにくく、仕事に自分らしさを反映できる点も特徴的です。

多くの企業で注目される理由

多くの企業で自律型人材が注目される理由は、時代の変化に合わせ迅速かつ的確に判断・行動できる人材が求められているためです。近年、社会の変化は著しく速まり、かつてに比べると顧客の価値観・ニーズは多様化しました。多くの企業は、目まぐるしく変わる社会や顧客ニーズに対応することが困難な状況だといいます。

そんななか、ビジネスの場で必要性の高まっている人材が、適切な状況判断のもと臨機応変に行動できるタイプです。自律型人材は企業の求める判断力と行動力があると見られ、従来の業務方法が通用しない現状にも対応できると期待されています。

自律型人材のメリット・デメリット

自律型人材のメリット・デメリット

自律型人材が企業にもたらす主なメリットは、業務を効率化できるところです。ただし、デメリットも皆無ではありません。以下では、自律型人材の具体的なメリットとデメリットをご紹介します

自律型人材のメリット

企業にとって自律型人材のメリットは、業務の効率化や管理職の負担軽減を見込めることです。自律型人材が主体的に仕事を進めた場合、周りが指示を出すまで作業の手が止まる事態は避けられます。同時に責任感を伴っているためミスがあっても自分で修正する可能性が高く、業務がスムーズに進みやすくなると考えられます。

それぞれの業務が自己判断により適切に進行している時、管理職が指示を出す必要はありません。多くの業務で指示内容を細かく伝える手間が省かれれば、管理職の負担を軽減するのに効果的です。自律型人材が自己の意思・判断により業務を遂行すると、仕事に自分らしさを反映しやすくなります。指示通りに動くより自分で試行錯誤したほうが独創的なアイデアを考え出せる可能性は高く、個性を重視する企業にとっては大きなメリットです。

また、テレワークに向いている点も、主要なメリットに挙げられます。昨今は、コロナ禍の影響もあり、テレワークを導入する企業が増えました。自律型人材は自分で考えながら働けるため、上司が指示を出しにくい状況下でも安心して仕事を任せられます。

自律型人材のデメリット

企業の目線から懸念される自律型人材の主なデメリットは、人材の確保あるいは育成の難しさです。現在、国内は少子化傾向が止まらず、多くの業種で労働力が不足しているといわれています。基本的に労働人口が少ないなか、自制心を保ちつつ適切に勤務できる人材を確保するのは簡単でありません。

人材確保そのものが難しい状況で自律型人材を求める場合、社内で人材育成する方法があります。ただし、企業のニーズに見合う能力やスキルを育むには、多くの時間や手間がかかると考えられます。職場の人手が少なくコスト面に余裕がないと、自律型人材の育成は困難です。そのため、社内で人材育成する際は、あらかじめ指導者や指導時間を確保したうえで実践する必要があると指摘されています。

自律型人材の育成方法

自律型人材の育成方法

自律型人材を企業で育成する方法は、大きく5段階に分けて進めることが大切です。以下では、各段階の具体的な手順などをご紹介します

1.社内での定義づけ

企業が自律型人材を育成する場合、必要な人材について社内で定義することが最初の手順です。一般的に自律型人材は、「自分を律して能動的かつ適切に働ける人材」を意味しています。ただし、実際に職場で求められる人物像は企業によって異なるため、社内での育成が望まれる人材を改めて定義する必要があります。

2.必要なスキルの明確化

企業が求める自律型人材を社内のニーズに沿って定義した後は、必要なスキルを明確に示す段階です。社内で育成したい人物像が企業ごとに異なるのと同じく、その人材に身につけてほしいスキルも一律ではありません。そのため企業では、自律型人材を独自に定義づけるだけでなく必要なスキルの明確化も不可欠になります。

3.適度な目標設定

企業が自律型人材を育成していくうえでは、育成対象に目指してもらう目標を適度に設定することが大切です。職場で人材育成する際、指導者が過度に高い目標を掲げると、育成対象が達成するのは難しくなります。計画性をもって人材育成を進めるなら、対象者の現状をふまえて適度な目標を設定すればスキルの向上につながります。

4.人材育成の実践

社内における自律型人材の定義づけから適度な目標設定まで済ませた後は、人材育成を実践する段階です。この段階では、指導者によるスキルの伝達と育成対象による実務への反映が必要になります。習得の望まれるスキルは研修で伝えてから受講者に通常業務で活用してもらうと、スキルの定着度を確認できます。

5.定期的な見直し

企業による自律型人材の育成では、社内のニーズに見合う成果が出ているか定期的に見直すことも重要です。人材育成は、最初から予定通りに成果が出るとは限りません。定期的なチェックで十分な成果が得られていないと判明した時は、社内での定義づけやスキル・目標の設定に問題がないか見直す必要があります。問題点を改善しながら人材育成を進めれば、企業にとって必要な自律型人材を社内で育て上げられるでしょう。

この記事を読まれている方へのオススメ

>>人材定着に効果的なリテンションマネジメントとは
>>経験学習とは?基礎知識や人材育成のポイント
>>ダイバーシティ。幅広く人材を採用するポイント

Pocket

The following two tabs change content below.
電話代行サービス株式会社では、電話応対のアウトソーシングを検討している方向けに、電話代行やビジネスに関する情報を発信していきます。 電話代行について相談する
お問い合わせ