ビジネスシーンにおけるチャットのマナー
更新日:2023.03.31ビジネス豆知識先方とのやり取りでビジネスチャットを利用するケースが増えています。そんな中、ビジネスチャットのマナーについて迷っている方が多いようです。特にプライベートでチャットを利用している場合は、ビジネスチャットのマナーが分かりづらいかもしれません。こちらでは、ビジネスチャットのマナーや、あわせて知っていただきたいポイントについてお話ししていきます。
目次
ビジネスチャットの一般的なマナー
顧客とコミュニケーションをとる以上、チャットであってもある程度のビジネスマナーが求められます。ここでは、ビジネスチャットを利用する際に意識していただきたいマナーをご紹介します。
日本語を正しく書く
ビジネスチャットはメールよりは幾分かカジュアルな文体が許容されていますが、それでもあまりにくだけた日本語は好ましくありません。少なくとも日本語として正しい文を記載しましょう。相手がスムーズに理解できる文章にする必要があります。
意識していただきたい代表的なポイントは、「てにをは」や修飾語の使い方、主述関係です。これらが正しくない場合、相手とこちらの理解に齟齬が生じてしまう可能性があります。理解に時間がかかる文章も、ビジネスチャットでは控えるべきです。
敬語を用いる
当然のことの様に思われる方が多いかもしれせんが、ビジネスチャットで用いる文章は基本的に敬語です。チャットツールという特性上、過度にカジュアルになってしまいがちですが、敬語の文章は徹底してください。相手はプライベートで交流している友人ではないということを常に意識しましょう。
さらにいえば、先方との関係性や年齢、役職にかかわらず「ですます調」を常に使ってください。特に、実際に合ったことがある顧客の場合、気が緩んでしまいがちです。チャット外の親しさとは関係なく、ビジネスのやり取りであるということは常に忘れないようにしましょう。
返信は迅速に
ビジネスチャットはメール以上にスピーディーなやり取りができるツールです。相手の投稿には、可能な限り早く返信しましょう。特に返信が求められている文章でなくても、何かしらのリアクションを返しておくことをおすすめします。
たとえば、確認に時間がかかる問い合わせであっても、「確認します」とだけ返信しておくと好印象です。相手にとっても「メッセージを読んでくれいている」という安心感につながります。細かいことのようですが、ビジネスにおける信頼関係の構築にはこうした積み重ねが重要なのです。
短く簡潔にまとめる
ビジネスチャットでは、ビジネスメールの様な常套句は最小限にとどめ、短く簡潔に文章をまとめるように意識しましょう。長すぎる文章は読むのに時間がかかってしまうほか、チャット欄のスペースを圧迫してしまうため過去のメッセージを探すのも面倒になってしまいます。
ビジネスチャットはメールの様に使うべきか?
従来、顧客とのやり取りでは一般的にメールが使用されていました。メールはスケジュールや地理的な問題から対面で話せない時や、電話でのやり取りが困難な場合に便利なツールです。一方で、定型文や署名などメールならではのマナーにより、円滑なコミュニケーションが阻害されていたのも事実です。
チャットではインスタントなメッセージのやり取りにより、こうしたメールのデメリットをカバーできます。しかし、メールと同じように文章でのやり取りをすることから、チャットでもメールと同じような体裁でメッセージを送ってしまう方が多いようです。もちろん丁寧な文章を送るのは好ましいことですが、メールのようにチャットを使うとチャットならではのメリットがなくなってしまいます。
そもそも「チャット(chat)」とは「会話」という意味の英単語です。メールのようにひとつひとつのメッセージがぶつ切りになるのではなく、会話のように連続しているのがチャットの本来の形であるといえます。「お世話になっております」といった定型文はひとつのテーマに関するやり取りを始める際には必要ですが、それ以降は特に求められないでしょう。通常、ユーザーはお互いの素性を知っているため、ビジネスチャットには署名も必要ありません。
業務効率とマナーのバランス
ビジネスチャットを利用する際、マナーとともに意識していただきたいのが業務効率です。上述したとおり、チャットはメールによる連絡業務の効率をさらに向上させるためにビジネスで活用され始めました。より具体的にいえば「コミュニケーションコスト(コミュニケーションに消費されていた時間や精神的負担)」を軽減するためのツールです。
そのため、マナーでがんじがらめになってしまうとチャットを利用している意味がありません。ビジネスチャットは、あくまで「必要十分なマナー」を守りながら使っていきましょう。過度に丁寧な対応や上述したメールのような体裁は、連絡をとっている顧客も期待していません。
ある意味では、「チャットだからこそ実現できる業務効率を阻害しないこと」もマナーのひとつといえます。業務効率とマナーの良好なバランスを維持しながらチャットを使うのは、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、コミュニケーションコストを下げるために、ぜひ意識していただきたいポイントです。
チャットならではの利点をフルに活用
一般的なビジネスチャットツールにはさまざまな機能が搭載されています。こうした機能をフル活用することも、マナーの一環といえるかもしれません。相手がチャットの機能を利用することを考えてメッセージを送る配慮も大切です。
検索機能
チャットには同じボード内のメッセージから特定のワードを検索できる機能があります。過去のメッセージから特定の投稿を探したい場合に便利です。また、こちらがメッセージを送る際は先方が検索しやすい様に、検索ワードを含めておくことをおすすめします。
引用機能
過去のメッセージを引用して投稿することも可能です。一度止まっていた話題を再度始めたい時に活用できます。また、期限が決まっているタスクに関して、相手にリマインドしたい際にも便利です。
返信機能
チャットでは各ユーザーの投稿が連続で表示されます。新しい投稿から順に表示されるため、過去の投稿を見るためにはスクロールしなければなりません。特に3人以上のユーザーでひとつのボードを共用している場合は、「何の話題で・誰とやり取りをしているのか」が分かりづらくなりがちです。
そんな時は、チャットの返信機能を利用しましょう。任意のユーザーの、任意の投稿に対して返信ができます。相手のユーザーもどのメッセージに対して返信しているのかが分かるため、やり取りがスムーズです。
リアクション機能
多くのビジネスチャットツールには、文章ではなく絵文字で意思を伝えるリアクション機能が搭載されています。カジュアルなコミュニケーションのため使える顧客とのやり取りで使える場面は限られますが、関係性によっては用いても良いでしょう。メッセージを確認したことをアピールしたい時に便利です。
ビジネスチャットとはいえ、守らなければならない最低限のマナーはあります。一方で、マナーを意識しすぎてコミュケーションコストが大きくなってしまうのは考え物です。今回ご紹介したマナーとチャットならではのメリットを意識して、チャットツールをビジネスでフル活用しましょう。
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