司法書士のキャリア|難易度と勉強方法

更新日:2025.06.09業界関連情報

司法書士のキャリア|難易度と勉強方法

司法書士の資格を取得すると、不動産登記・企業法務や高齢者支援など多様な分野で活躍できる可能性があり、独立開業や企業内法務をはじめ幅広いキャリアパスが開けます。また、これらの業種では、業務の効率化や専門業務に集中するために電話代行を導入するケースも多く見られます。資格取得後は、業務効率化の一環として電話代行の活用もご検討ください

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司法書士試験とは?

 司法書士試験とは?

司法書士試験は、不動産登記などの専門家である司法書士の資格を取得するための国家試験です。また、この試験は法務省により実施されています。

2025年度の試験日程など

法務省の資料によると、2025年度の試験日程は次の通りです。

・筆記試験:2025年7月6日(日)
・口述試験:2025年10月14日(火)

筆記試験のうち、午前の部の試験時間は9時30分~11時30分、午後の部は13時~16時です。ただし、当日は諸注意や指示があるため、試験開始30分前までの着席が求められています。一方、口述試験の集合時刻は、口述試験受験票に記載されます。試験会場は、筆記試験・口述試験のいずれも、全国にある所定の法務局か地方法務局です。また、筆記試験の結果発表は2025年10月2日(木)、最終合格者の発表は同年11月4日(火)に予定されています。

なお、受験申請受付期間は2025年5月2日(金)~5月16日(金)であり、2025年度の受付期間は終了しました。

法務省 令和7年度司法書士試験受験案内書 (参照 2025-05)

試験内容や出題方法

筆記試験の試験科目は、大きく分けると以下の4分野です。

1.憲法・民法・商法・刑法の知識
2.不動産登記と商業登記に関する知識
3.供託・民事訴訟・民事執行・民事保全の知識
4.その他、司法書士業務に必要な知識・能力

商法については会社法など商法分野の法令、登記関係では登記申請書の作成に関する問題が含まれます。また、その他は、司法書士法第3条第1項第1号~第5号の規定内容が試験範囲です。試験時間は、1が午前の部(9時30分~11時30分)、2~4が午後の部(13時~16時)に割り当てられています。

出題方法は、1・3・4の3つが多肢択一式、2のみは多肢択一式と記述式を組み合わせた方式です。多肢択一式は各々35問で105点満点、記述式は全2問・140点満点、それぞれ一定の基準点に達した場合、合格となります。

また、口述試験は、筆記試験の2と4が出題対象です。つまり、不動産登記と商業登記に関する事項、および司法書士法第3条第1項第1号~第5号に規定された司法書士の業務で必要となる事項について問われます。なお、口述試験の配点や合格基準は、法務省の資料に明記されていません。

法務省 令和7年度司法書士試験受験案内書 (参照 2025-05)

受験資格など

司法書士試験に特定の受験資格はなく、司法書士法第6条の規定にもとづき、年齢や性別を問わず誰でも受験可能です。2025年度の受験申請受付期間は終了していますが、受験手続きは受付窓口や郵送で申請する方法があります。受験手数料は8,000円で、収入印紙を受験申請書に貼付して提出する方式です。前年度の筆記試験に合格している場合、当年度の同試験は免除されますが、その旨は申請受付期間に申し出る必要があります。

また、身体などに障害のある方は、受験する時に必要な特別措置を受けられる場合があります。なお、受験手続きや試験の詳細については、法務省の公式サイトや問い合わせ窓口でご確認ください。

法務省 令和7年度司法書士試験受験案内書 (参照 2025-05)

司法書士試験|難易度と合格率

 司法書士試験|難易度と合格率

司法書士試験は、基本的に合格率が低く、さまざまな資格試験のなかで難易度が高いといわれています。

難易度

法務省の司法書士試験は、難易度が高いとされる国家試験の一つです。資格関連の情報サイトによると、かつて同試験の合格率は、主に3%台であったといわれています。また、ここ数年間の試験結果を見ても、合格率は約5%にとどまっている状況です。近年は以前に比べて合格率が上がったものの、1割に満たないレベルであり、一般的に難易度の高い資格試験として認識されています。

合格率

司法書士試験の合格率(2020-2024)

司法書士試験の合格率は、過去5年間に限ると、いずれも5%台です。2020年度以降の試験結果は、以下のように発表されています(受験者数・合格者数・合格率の順)。
・2020(令和2)年度:11,494名・595名・約5.18%
・2021(令和3)年度:11,925名・613名・約5.14%
・2022(令和4)年度:12,727名・660名・約5.19%
・2023(令和5)年度:13,372名・695名・約5.20%
・2024(令和6)年度:13,960名・737名・約5.30%
2024年までの5年間、受験者数は数百人単位で増えています。それに対し、合格者数は数十人単位で微増するにとどまり、各年度の合格率は約5.2~5.3%と大きな変化は見られません。

以上の結果をふまえた場合、司法試験の合格率は5%程度と低く、試験内容は簡単でないと考えられます。

法務省 令和2年度司法書士試験の最終結果について (参照 2025-05)
法務省 令和3年度司法書士試験の最終結果について (参照 2025-05)
法務省 令和4年度司法書士試験の最終結果について (参照 2025-05)
法務省 令和5年度司法書士試験の最終結果について (参照 2025-05)
法務省 令和6年度司法書士試験の最終結果について (参照 2025-05)

勉強方法

司法書士試験の合格に向けた勉強法は、大きく分けると独学通学の2つです。独学は、自分で教材や問題集を用意し、学校・仕事の後や週末の時間を使って勉強する方法となります。通学に比べて費用が抑えやすく、自分のペースで受験勉強を進められるメリットがあります。

通学は、予備校の講座や資格スクールを活用する方法です。独学ほど費用負担は軽くなく、時間的な制約は受けますが、カリキュラムに沿って計画的に勉強できるところは大きな利点に挙げられます。

資格関連の情報サイトによると、試験合格に必要とされる勉強時間は、3,000時間前後が目安です。ただし、予備知識の有無や勉強の進め方によって、多少の個人差が出てくるといわれています。いずれの方法を選ぶとしても、短期間での合格を目指す場合、計画性をもって効率よく勉強することが大切になるでしょう。

司法書士試験|合格後のキャリアパス

司法書士試験|合格後のキャリアパス

司法書士試験に合格した後、この資格を活かせるキャリアパスは多彩です。試験勉強を通して学んだ専門的な知識やスキルは、さまざまなビジネスシーンで役立つと考えられます。

司法書士は、独立開業するケースが多く見られる士業の一つです。仕事内容は、不動産登記・法人登記から関連書類の作成・成年後見業務や法的な相談の受付・対応まで広範囲に及びます。業務範囲が幅広く全国的にニーズがあるものの、有資格者の人数は少なめであり、資格取得後に独立開業しやすい特徴があります。

一般企業に就職・転職する際も、司法書士の資格があれば就活で有利になるとの見方は有力です。司法書士試験は難易度が高く、同試験に合格したことは、努力の成果としてアピールできます。また、不動産業界や総務・法務部門の場合、登記や法律関係の専門知識は重宝されるでしょう。

このように、試験の合格者は、独立開業をはじめ多様な業務・職場で司法書士の資格を活用できる可能性があります。

司法書士試験|よくある質問

司法書士試験|よくある質問

司法書士試験に挑戦する時は、いろいろな不安や疑問点が出てくるでしょう、以下では、同試験について、よくある質問をご紹介します。

Q:独学でも受かりますか?

A:司法書士試験は、独学でも合格できる可能性はあります。ただし、試験範囲が広いため、予備校や資格スクールに通ったほうが勉強の効率はよく合格しやすいとの意見が一般的です。

Q:働きながらでも合格できますか?

A:司法書士試験は、社会人でも合格可能です。実際、2024年度の最終的な試験結果を見た場合、合格者の平均年齢は41.50歳と報告されています。

Q:司法書士になるのに何年かかりますか?

A:一般的な見解として、司法書士試験合格にかかる期間は2~3年です。また、合格後に新人研修の受講や登録手続きが必要になるため、司法書士となるまでには半年ほどかかるといわれています。

司法書士試験は、問題の難しさや出題範囲の広さから合格率が低くなっているため、予備校などを活用しながら効率的に勉強することが得策と考えられます。

法務省 令和6年度司法書士試験の最終結果について(参照 2025-05)

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