スマホ内線化の仕組みとメリット・デメリット
更新日:2024.11.20ビジネス豆知識スマホ内線化とは、スマートフォンで内線通話できるようにする仕組みや方法を意味します。スマホ端末から内線電話をかけられれば、ビジネスの場で広く役立つといわれています。ただし、メリットだけでなく多少のデメリットも伴うため、注意が必要です。この機会にスマホ内線化の理解を深めておけば、導入する際に注意点や対処法などが見つけやすくなると考えられます。そこで今回は、スマホ内線化の仕組み・方法を解説するとともに、主なメリットやデメリットをご紹介します。
目次
スマホ内線化の仕組み・方法
スマホ内線化は、一般的にビジネスで用いるスマートフォンを内線電話として利用可能にすることです。
スマホ内線化の仕組み
スマートフォンは、固定電話と同じく、内線用の通信網に組み入れると内線化できる仕組みです。固定電話は、電話回線をPBX(構内交換機)につなぐと内線網へのアクセスが可能になり、内線用回線で通話を進められます。スマホ端末も、PBXなどを経由して内線網に接続すれば、内線電話として利用できます。ただし、スマホは固定電話と異なり電話回線をつながないため、ネット回線や携帯電話用の通信回線を利用するところが特徴的です。
主な内線化の方法
スマホ内線化の方法は、大きく分けると、PBXを利用する方式とFMCを用いるパターンの2つです。
PBXを利用する方式
PBXを利用する方式では、IP-PBXかクラウドPBXが使われます。IP-PBXは、本来、IP電話をIP用のインターネット回線につなぐ交換機です。ネット上の通信回線を利用するため、専用の機器を設置するかソフトウェアをインストールすれば、スマホ端末も内線化できます。
クラウドPBXは、ネット上にPBXの主装置が設置されるクラウド型サービスです。このサービスを使った場合、ネット内のPBXで内線網を構築すると、そのネットワークにスマホを組み入れられます。それぞれ、PBXの設置方法に違いは見られますが、ネット回線を利用する点では共通しています。
FMCを用いるパターン
FMCを用いるパターンは、スマホを携帯電話用の通信網につなぐ方法です。そもそも、FMCは「Fixed Mobile Convergence」の略であり、携帯電話を固定電話とつなぐ内線網として開発されました。2024年9月現在、この方式によるサービスは、携帯電話会社や通信システム会社から提供されています。
具体的には、同サービスを申し込んでアプリをダウンロードすると、スマホを内線化できる仕様です。FMCのサーバに通信端末の情報を登録し、内線番号を取得すれば、内線電話として使えるようになります。なお、すでにPBXの主装置を設置している場合、スマホ内線化の専用アダプタを主装置に取り付ける方法もあります。
スマホを内線化するメリット
ビジネスの場でスマホを内線化するメリットは、仕事上の信頼獲得や通信費の節約につながるところです。
仕事上の信頼獲得
仕事上の信頼を獲得しやすくなる点は、スマホの内線化により得られる大きなメリットです。通常、スマートフォンで電話をかけた場合、通話相手の固定電話や通信端末にはスマホの番号が表示されます。基本的に携帯電話やスマホ端末の番号は、固定電話の番号ほど信頼感が高くなく、ビジネスの場では疑わしいと思われがちです。
それに対し、スマホが内線化されている時は、勤務先の電話番号を使って発信できます。お客様や取引先に外出先からスマホで連絡した際、相手側に職場の番号が通知されれば、疑念を取り除くのに役立つでしょう。スマホを内線化すると、安心感のある番号で発信できるため、信頼性は高まり電話はつながりやすくなると期待できます。
通信費の節約
スマホを内線化し、外線でなく内線用回線で通話した場合、通信費を節約するのに効果的です。固定電話とスマートフォンのいずれも、外線経由で通話すると、電話回線の利用料金が発生します。仕事関係で毎日のように外線電話をかければ、月々の通信費は、高額になるでしょう。
一方、内線電話をかける時は外線を経由しないため、電話回線への接続に伴う通話料金はかかりません。社外からスマホで勤務先に連絡を入れる場合も、内線経由であれば外線の利用料金は発生せず、通信費を節約できます。在宅勤務やテレワークの際も、通話料金を気にする必要がなくなれば、安心して職場と連絡を取れるでしょう。
仕事の生産性向上
仕事の生産性を向上できるところも、スマホの内線化で見込まれるメリットの一つです。多くの企業では、勤務中に何度も電話対応していると業務に差し支えるため、作業効率がよくないと問題視されています。とくに、担当者が不在で即座に電話を取り次げない場合、仕事全体の生産性低下につながるとの声も多く聞かれます。
その際、スマホが内線化されていると、外出中の担当者にも速やかに電話を取り次げるでしょう。電話の取り次ぎがスムーズになり短時間で連絡がつけば、社内業務は止まりにくくなり、仕事全体の生産性は上がると期待できます。このように、スマホ内線化は多くのメリットがあるため、様々な場面で利便性の高さを実感できると考えられます。
スマホ内線化に伴うデメリット
スマホ内線化に伴うデメリットは、データ使用量の増大やセキュリティ面の問題が懸念されるところです。
データ使用量の増大
データ使用量の増大は、スマホを内線化する時、とりわけ注意したい大きなデメリットです。スマホを内線化した場合、その端末は、自宅や外出先から職場へ連絡する際に用いると予想されます。発信場所にWi-Fi環境が整備されていれば、データ使用量を気にしなくて済むでしょう。
ただし、Wi-Fiに接続できない状況でスマホを使用すると、モバイルデータを消費して通信する必要が出てきます。モバイルデータの消費量が増えれば、それだけ通信費は膨らみます。現在、スマホ端末は、あらゆる場所でWi-Fiに接続できるとは限りません。そのため、内線化する時、データ使用量への注意は不可欠と指摘されています。
セキュリティ面の問題
セキュリティ面の問題も、スマホの内線化により不安視される主要な懸念材料です。近年、多くの企業は、ネット環境が整備されるなかセキュリティ管理の強化に努めてきました。このような状況をふまえた場合、スマホを社内のWi-Fiに接続して内線通話するのであれば、比較的に安全性は高いと考えられます。
一方、社外から職場に連絡するためフリースポットを利用すると、情報セキュリティの安全性が下がることは明白です。安易にフリーWi-Fiへ接続して通話すれば、情報漏洩を招く可能性があります。無料のWi-Fiスポットは、必ずしも安全管理の体制を強化している保証がないため、セキュリティ面の問題もスマホ内線化のデメリットに挙げられています。
その他の懸念点
スマホを内線化する時は、通話状態の悪化や具体的な利用方法にも注意が必要です。スマホ端末から内線電話をかける場合、ネット回線に接続すると、通話状態に影響する可能性があります。ネット回線の種類によっては音声の品質が保証されず、通話が途切れるといった事態も起きるため、注意は欠かせません。
また、FMCを利用する場合、同じ内線網に組み入れる通信端末はキャリアを統一する必要があります。通常、個人所有のスマホはキャリアが異なるため、同じキャリアの通信端末を別途で用意する手間が生じるでしょう。ほかには、公私が区別しにくい・電話の着信があると内線通話が切断されるなどの指摘も聞かれます。
以上のように、スマホ内線化は多少のデメリットもあるため、十分に注意する姿勢が求められてきます。主要なトラブルを避けるには、Wi-Fiの接続環境やセキュリティ面に配慮することが大切です。十分な配慮を怠らず、適切にスマホを内線化すれば、ビジネスの場で多くのメリットを得られると考えられます。
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