コールセンターのロールプレイング研修とは?
更新日:2023.11.28コールセンターコールセンターのオペレーターは毎日多種多様な電話に対応しています。オペレーターは経験に関わらず、どんな内容のお電話でも対応できないといけません。そのためにコールセンターでは、日々さまざまな研修が実施されています。今回は、その中でも多くのコールセンターで新人育成の手法として取り入れられているロールプレイング研修についてご案内します。
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目次
ロールプレイング研修とは
「ロールプレイング」とは、「ロール(role:役割)」と、「プレイング(playing:演じること)」を組み合わせた言葉です。日本では、「ロープレ」という略称も普及しています。業務上のさまざまなシチュエーションを疑似体験することで、実践に必要なスキルや知識をあらかじめ蓄えておく研修方法です。
顧客と直接コミュニケーションを取る現場では、ロールプレイングが研修の一環として一般的に取り入れられています。コールセンターもそうした現場のひとつです。通常、新人オペレーターが実際の顧客対応を開始する前には、ロールプレイング研修が実施されます。
コールセンターのロールプレイング研修では、さまざまな問い合わせを想定したシミュレーションが行われます。顧客の温度感や、属性を変えてシミュレーションを行うことも少なくありません。実務のさまざまなシチュエーションを想定して、ロールプレイングのためのシナリオが作成されます。
研修担当が顧客になりきり、電話をかけてきた設定で行うロールプレイングのスタイルが一般的です。対応履歴の残し方やFAQ検索の基本的な操作に慣れるために、業務用端末を操作しながらロールプレイング研修を受けることもあります。
ロールプレイング研修の重要性
ロールプレイング研修は、実際の対応で起こり得るシチュエーションを疑似体験しておくための研修です。コールセンターに限らず、業務マニュアルの記載内容を読んでおくだけでは実際の業務に対応できません。とりわけ新人の場合は、業務そのものへの強い緊張感やストレスがあります。
一方で、顧客にとって電話の向こうのオペレーターの練度やスキルは知る由もありません。オペレーターや電話対応を担当するようになった段階である程度の対応能力を期待されているということです。電話は1対1のコミュケーションのため、マネージャーや先輩のオペレーターがフォローすることもできません。
ロールプレイングは実際の顧客対応を始める前に対応スキルを身につけておくための方法としてとても重要です。新人オペレーターの場合は、コールセンター業務への適性を計ることもできます。ロールプレイングで浮かび上がった課題は、電話対応デビューまでを目標に改善を目指します。
また、オペレーターによる対応の違いを把握しておく目的でも実施されます。研修が終わり実務に入ると、モニタリングなどを実施しない限りオペレーターの対応内容を知る機会がありません。対応内容の個人差や特性を研修段階でつかんでおくことは重要です。
イレギュラーな事態への対処法を知っておくためにも、ロールプレイングを実施することがあります。コールセンターでは、一般的な問い合わせの一方で、イレギュラーな問い合わせ内容が頻発します。新人がこうした問い合わせをクロージングする必要はありませんが、対処の仕方について知っておくことは大切です。
実務の緊張感とは大きく異なることから、ロールプレイング研修の効果を疑問視している現場は少なくありません。しかし、独り立ちした段階から「企業の顔」として対応しなければならないコールセンターのオペレーターを育てるためには、やはりとても重要な研修内容のひとつといえます。
研修内容と手順
ロールプレイング研修は正しい手順を守らなければ効果が薄いと考えられています。以下ではコールセンターにおいて一般的なロールプレイング研修の手順をご紹介しましょう。
問い合わせ内容の理解
まずは、何のための問い合わせなのかをオペレーターに理解させます。コールに対するオペレーターの役割を把握させることが大切です。
案内の流れの把握
通常、コールセンターでは問い合わせ内容に応じたトークスクリプトがオペレーター向けに用意されています。この段階では、スクリプトの細かな文言まで覚えさせる必要はありません。あくまで全体の流れを教えることに終始します。その後、特に注意すべき重要ポイントがあれば案内します。
トークスクリプトの覚えこみ
続いて、作成済みのトークスクリプトをオペレーターに覚えこませます。実際の電話対応はトークスクリプトどおりに進めるとは限りませんが、研修の段階では案内の個人差をなくすためにトークスクリプトに沿って学習するのが基本です。
声出し
資料を読むだけではトークスクリプトを定着させることはできません。文言を体と脳に定着させる方法として、トークスクリプトの声出しを実施します。研修担当の指示にしたがって、ロールプレイング研修に参加しているオペレーター全員で実施するのが一般的です。
研修担当とのロールプレイング研修
研修担当とオペレーターが1対1でロールプレイング研修を行います。研修担当はトークスクリプトに沿って案内が行われているかどうかをチェックします。
オペレーター同士でのロールプレイング研修
オペレーター2人1組のグループをつくり、それぞれに顧客とオペレーターを配役して行うロールプレイング研修も効果的です。顧客役には「顧客視点」から見た相手オペレーターの改善点をチェックするように指示します。また、シナリオ設定をオペレーターに任せるロールプレイング研修も効果的です。
ロールプレイング研修の注意ポイント
ロールプレイング研修にはいくつかの注意ポイントがあります。
まずは、オペレーターの緊張を緩和させることが大切です。とりわけ新人の場合は、緊張していると積極的なロールプレイング研修への参加が期待できません。オペレーターの緊張が見える場合には、適宜アイスブレイクを実施します。
また、終了後にフィードバックを行うことも不可欠です。次のロールプレイング研修では、フィードバックをもとに改善を目指します。複数回ロールプレイング研修を繰り返して、少しずつ練度を上げていくことが重要です。
もっとも注意しなければならない点が「しっかりと本気で取り組むこと」です。ロールプレイング研修は実際の電話対応ではありませんが、れっきとした研修にあたります。演技をしなければいけないことから、恥ずかしがったり、ふざけあったりしながら実施することがありますが、これはロールプレイング研修が実を結ばないひとつの要因です。オペレーターには、実際の電話対応の様な気持ちで取り組むように指示します。
ロールプレイング研修を経てOJTへ
ロールプレイング研修を終えたオペレーターは、すぐに独り立ちするわけではありません。一人前のオペレーターとして配置される前に、通常はOJT(On the Job Training)が行われます。
OJTは、それまでの研修とは異なり、実際の顧客対応を行います。指導役がモニタリングでサポートしながら行うスタイルのOJTが一般的です。ロールプレイング研修で学んだことを活かし、顧客対応を落ち着いてできるように訓練します。また、分からないことがあれば適宜電話を保留にし、リーダーやSVに相談(エスカレーション)するといったフローを学ぶうえでも大切な研修です。
z未経験のオペレーターをすぐに実際の顧客対応要員として配置することはできません。電話対応のフローや緊張感に慣れるため、通常は段階的に研修が実施されます。ロールプレイング研修は現在も多くのコールセンターで実施されている極めて重要な研修科目のひとつです。
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