SDS法で電話口でも的確に説明するコツ
更新日:2023.10.23電話代行SDS法は、シンプルな会話構成で分かりやすく丁寧に話を進められる話法です。上手に活用して会話をスムーズに進めれば、業務報告や電話対応を短時間で終えられるでしょう。ただし情報量が多過ぎると、この話法でも話の内容を分かりやすく伝えるのは難しくなります。そこで今回は、SDS法の概要とともに活用時のメリットや会話を迅速・的確に進めるコツをご紹介します。
目次
SDS法の概要
SDS法は、会話をシンプルな流れで進めながら個々の情報について丁寧に伝えられる話法の一つです。以下では、具体的な話し方やほかの話法との違いをご紹介します。
SDS法の話し方
SDS法は、名前の通りS→D→Sの流れで会話を進める話し方です。最初と最後のSはSummary(要約)、中央のDはDetails(詳細)を意味します。
最初のSは、話し手が会話の内容を簡潔に伝える段階です。聞き手はまだ何を話されるかがわからない状態であり、初めから詳細を聞いても理解できない恐れがあります。聞き手が戸惑う事態を避けるため、話し手は最初に会話の大まかな流れを伝えます。
次のDは、話し手が個々のテーマを詳しく説明する段階です。すでに聞き手は会話の大筋について把握しているため、各テーマの細かい情報を聞いても理解しやすくなります。最後のSは、話し手が会話全体をまとめる段階です。聞き手は改めて話の要点を確認できるため、会話の理解度を深められます。
その他の話法との違い
SDS法と同じく会話を分かりやすく伝える話法には、PREP法やDESC法があります。これらの話法とSDS法の大きな違いは、会話の流れです。
PREP法は、Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)の順番で話を進めます。話し手は最初に結論を伝え、理由と具体例を説明した後で最後に再び結論を述べます。
DESC法は、Describe(描写)・Explain(説明)・Specify(提案)・Choose(選択)の順です。最初に聞き手の状況を描写し、次は話し手の意見を説明します。続いて聞き手への要望を提案し、最後は聞き手に今後の行動を選んでもらいます。これらに比べるとSDS法は会話の流れがシンプルであり、話の要点を簡潔に伝えられる点が特徴的です。
SDS法を活用するメリット
仕事上の会話や電話対応でSDS法を活用するメリットは、聞き手に会話の内容をシンプルかつ丁寧に伝えられることです。以下では、SDS法がもたらす効果を具体的にご紹介します。
会話がシンプルで分かりやすい
SDS法は「要約・詳細・要約」のシンプルな会話構成に特徴があり、話の分かりやすさが主なメリットです。この話法で話し手が伝える内容は、会話の概要やそれぞれのテーマの詳細・要点のまとめです。PREP法やDESC法と異なり、理由・具体例の提示や聞き手の状況描写は必要ありません。
聞き手は会話の大筋と各テーマに関する情報を聞くだけで済み、会話の内容を理解するのに手間はかかりません。さらに最後は会話の要点を再確認できるため、どんな内容であったか整理しやすくなります。これらのメリットからSDS法は、話し手が伝えたい情報を手早く話すのに効果的といわれています。
各テーマについての説明は丁寧
SDS法は、2番目のDで各テーマの詳しい情報が示され、説明が丁寧になるところもメリットの一つです。話し手は最初のSで何について話すか聞き手に伝えると、次のDで各テーマの説明に入ります。この段階では個別のテーマに関する情報が詳しく示され、それぞれの説明が丁寧に進められます。
話し手が会話の概要を伝えてから詳細情報を示す流れは、聞き手が各テーマの細部をスムーズに理解するのに効果的です。さらに、最後のSで話し手が会話で伝えたいことをまとめれば、聞き手が会話の全体像を改めて整理するのに役立つでしょう。
多くの場合に具体例の提示や理由説明は省かれますが、シンプルな会話構成で各テーマの情報を丁寧に説明できるメリットがあります。
SDS法を活用できる場面
ビジネスでSDS法を活用できる場面は、時間がないなか業務報告する時や電話対応する場合です。以下では、この話法が各々の場面で活用するのに適している理由をご紹介します。
急いで業務報告する時
ビジネスパーソンが上司に急いで業務報告する時、SDS法は速やかに会話を進められる話法です。勤務中、従業員の多くは時間に追われています。多忙な上司は、ゆっくり業務報告を聞いている余裕がありません。重要な案件であっても、部下は手早く報告作業を済ませる必要があります。
その場合、業務の概要と詳細情報をシンプルに話せばよいSDS法は短時間で報告作業を終えるのに適した話法です。最初に「〇〇について報告します」と伝えれば、それぞれの説明を即座に始められます。最後に「結果は△△でした」とまとめれば報告完了であり、多くの時間をかけず会話を終えられます。
迅速に電話対応する場合
SDS法は、お客様や取引先からの電話に迅速対応する必要がある場合も有効活用できる話法です。お客様や取引先も、ゆっくり電話している時間があるとは限りません。こちらの手が空いていても、会話に時間をかけることは相手にとって迷惑になってしまう可能性があります。お客様や取引先への配慮として、電話対応も迅速に進めることが大切といえます。
商品案内する時は、最初に「〇〇についてご案内します」と伝えて対象商品の詳細を説明するのが基本の流れです。詳細説明では、商品の特徴やアピールポイントについて案内を進めます。最後に「〇〇の特徴は△△です」と繰り返せば、お客様や取引先に商品のアピールポイントを強調できます。また、S・D・Sのいずれも簡潔な表現を心がければ、会話を必要以上に長引かせないで済むでしょう。
SDS法を用いる時のコツ
業務報告や電話対応でSDS法を用いる時は、会話に時間をかけないことが話を分かりやすく伝える大切なコツです。以下では、会話を迅速・的確に進めるうえで何を意識するとよいか具体的にご紹介します。
最初と最後は要約のみ
SDS法で会話を手早く済ませるには、最初と最後のSを言葉の意味通り要約のみにとどめる意識が大切です。最初に会話の要約だけでなくほかの内容も加えると、詳細説明に入るまでの時間は長くなります。それに対して概要のみを伝えた場合、スムーズに詳細説明を始められるため会話時間の短縮につながります。
また、話のテーマを最小限にとどめることも会話時間を短くするのに有効です。話すテーマを少なくするほど、会話の導入や詳細説明で多くの時間をかける必要はなくなります。さらに最後も不必要な情報を追加せず要点だけを述べれば、会話全体を分かりやすくまとめられます。
Dの詳細説明も簡潔に
SDS法の使用時に会話を長引かせないためには、Dの詳細説明を簡潔に済ませる意識も重要です。Dは会話の各テーマについて詳しく説明する部分ですが、情報量が多くなると会話時間の短縮は難しくなります。いろいろ話したい内容があっても、すべて説明するのは禁物です。
最初と最後の要約部分だけでなく詳細情報も簡潔に説明した場合、会話時間を短縮する効果は高まります。そのためSDS法では、具体例や理由説明を加えず情報量を抑えるケースが珍しくありません。詳細説明を簡潔に表現することで会話をスムーズに進められれば、話の内容を分かりやすく伝えるのに効果的です。日頃、電話対応などで会話が分かりにくくなりがちであれば、SDS法で簡潔な表現を心がけながら話すことをおすすめします。
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