ミドル世代にもビジネスマナー研修は重要!
更新日:2022.05.09スタッフブログビジネスマナー研修といえば、本来、新人教育の一環として行われるものです。しかし昨今、中堅世代のために同内容の研修を試みる企業が増えています。多くのミドル社員が参加を希望し、受講者からも高く評価する声が寄せられるケースも。そこで今回は、好評となった事例を紹介しながら、新たなスタイルの研修が導入された経緯、需要が高まった背景、そのメリットや講義内容についてご説明します。
意外と忘れている?ビジネスマナーを思い出すための研修
ミドルからの需要が高まる新人教育
ミドルのための新人教育とは、40代前後の中堅社員を対象とした研修です。教育内容のレベルは、一般的な新人教育と大差ありません。
この事業を実施した企業のひとつは、計画当初、多くの需要を見込んでいませんでした。40代前後の社員から「ビジネスマナーを学び直したい」という要望があったため、試しに開催してみたとのこと。すると、予想に反して多くの社員から申し込まれました。本来は新人を含めた社員教育を担う立場にある管理職からも、大勢の人が参加したそうです。
試験的な研修は、5日間にわたり開かれました。基本的には入社時に学んだ内容と変わりませんが、受講者は初日から非常に熱心に取り組んだという話です。
ミドル世代から改めて新人研修が求められる背景としては、定年の延長などが考えられます。20代前半に就職した人が40歳になっていれば20年近く働いたことになりますが、定年が70歳の場合、退職までは30年という計算になります。つまり40歳を超えて積むキャリアのほうが、これまでの勤続年数より長く残されているのです。
さまざまなビジネスシーンに直面する中、ビジネスマナーの必要性を感じているミドル世代は少なくありません。その思いは、「今なら、新人研修の内容が自分の血や肉になる」という、参加経験者の言葉にも表れています。
新入社員であった頃に、どれほど真面目にマナー研修を受けていても、その記憶は時間とともに薄れていくものです。これまで以上に長く働くことになる状況の中、再度研修を受けたいという気持ちが強まっても不思議ではないでしょう。
ミドル世代がマナー教育を受けるメリット
ミドル世代がマナー教育を受けると、普段からマナーに対して意識できていなかった部分があれば、その点に気づかされます。
先の研修に臨んだ人からは、「きちんとあいさつできていないと気付かされた」「廊下の歩き方を忘れている」といった声が届きました。身だしなみのレクチャーにはスタイリストが招かれましたが、多くの男性から「スーツの正しい着こなし方が分かった」など高く評価されています。髪形や服装への意識が、以前より強くなった参加者も少なくありません。人によっては、コミュニケーションの重要性も自覚しています。講師から「相手の話を聞いていない」と指摘され、会話する時には最後まで耳を傾ける必要があると再認識したのです。
これらの成果は、本人だけでなく職場の同僚や部下からも喜ばれているようです。あいさつやオフィスでの歩き方を思い出した人は、「立ち居振る舞いの印象が良くなった」と好評です。コミュニケーションスキルの改善により、「話しやすくなった」と感心した人もいます。多くの受講生が、職場に戻ってから周りの評価が高くなったというわけです。
その後、この研修は開催した企業の公式カリキュラムとなり、たくさんの参加希望者を確保しています。
ミドル向けの具体的な教育内容
ミドルのための新人教育は、社会人としての基本が主な教育内容です。すでに豊富な職務経験のある社員が対象になりますが、それほど難しいカリキュラムではありません。
試験的に導入された研修も例外ではなく、主なテーマは「ビジネスマナー」「ビジネス文書」「コミュニケーションスキル」の3種類でした。
ビジネスマナーでは、あいさつや身だしなみ以外に、敬語の使い方を含む電話対応や来客の接遇方法、さらに新人が避けて通れないお辞儀と名刺交換について扱っています。人脈が広がり業界内に顔見知りが増えると、名刺を交換する機会は減っているかもしれません。その様な状況になると、正しい作法も忘れてしまうでしょう。再研修を受けることで、何かの機会で名刺交換する際、失礼を働くことなくその場をやり過ごせるでしょう。
また、ビジネス文書の講義においては、正しい文章の書き方やビジネスシーンに適した表現方法を取り上げています。職場で先輩や上司という立場になると、会議やプレゼンテーションの資料を自ら準備するより、部下に資料作成を頼み、その内容をチェックすることが多くなるでしょう。日頃から自分で日本語の文章を書いていない人は、部下の表現に不備があれば指摘できても知っているはずの漢字を思い出せなくなりがちです。日本語力を高めておくためにも、この研修は効果的といえます。
コミュニケーションスキルの向上は、世代を問わず欠かせません。上司や部下などの立場に関係なく、社員同士のコミュニケーションが活発であれば職場の風通しが良くなり、良好な人間関係の構築につながるためです。コミュニケーション能力に長けていると、新人教育にも生かされます。会話を通じて新入社員の気持ちや理解度を確認しながら指導を進められるので、相手の気持ちが離れてしまう心配もありません。
新人研修の内容は、中堅社員の業務にとっても有効な要素が数多く含まれています。今、ミドル向けの新人研修は増加傾向にあるので、興味がある方は参加してみてはいかがでしょうか。
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