なぜ電話はつながる?電波の仕組みや種類について
更新日:2022.05.06スタッフブログ携帯電話を契約する際の説明などで「LTE」や「Wi-Fi」という用語を、一度は耳にしたことがあると思います。どちらも無線を利用した通信方法であり、何が違うのかよく分からないという人も少なくないかもしれません。また、パソコンについては、昔は有線接続でしたが、最近は無線で接続されるのが当たり前のようになり、こちらでもWi-Fiという言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
今回は、それぞれの仕組みや生み出された背景や、利用する電波の通信方法、仕組みなどについてご説明します。これらの特徴について理解を深め、各通信手段を賢く使いましょう。
意外と知らない電波の仕組み
携帯電話は実は有線?
携帯電話にとって、電話線の役割を果たしてくれるのは「電波」です。目には見えませんが、電波が届かない場所では携帯電話を使えません。いわゆる「圏外」の状態であり、電話線が切れるなどして固定電話につながっていない状態のようなものといえます。
しかし実は、携帯電話も有線ケーブルが不可欠です。携帯電話で通話している時には各端末から電波が発せられますが、その電波がお互いの端末間を直接往来しているわけではありません。こちらが発した電波は、最寄りの無線基地局に受信された後、各無線基地局をつなぐ有線ケーブルを伝わって、相手方の近くにある無線基地局に送られます。そこから再び電波として発信されて、相手の端末に届けられているのです。
通話する相手との距離に関係なく、電波が送受信される際には、常に無線基地局と有線ケーブルが仲介しています。これらがトラブルに見舞われると、通信環境に影響を及ぼす可能性も。反対に、問題なく通話ができている状態では、有線ケーブルなども正常であると判断できます。
移動しても切れない理由
携帯電話は、移動している最中も切断されません。常に電波状況を確認し、接続している無線基地局の電波が弱まると、より電波の強い基地局に回線を切り替えているからです。
このシステムは、「ハンドオーバー」と呼ばれています。接続中の基地局が遠くなり電波の強度が一定レベルを下回ると、より電波の強い基地局に回線を切り替えます。常に新しい基地局を探知する働きがあり、不具合が起こる前に、スムーズに処理する仕組みが整っているのです。
ひとつの無線基地局が対応できる範囲は決して広くなく、一般的に半径数メートルから数十キロメートルといわれています。それでも移動しながら快適に通話できるのは、「ハンドオーバー」という仕組みのおかげといえるでしょう。
LTEとは?
「LTE」は、基本的に携帯電話端末に対応した通信回線規格です。屋外において携帯電話の通信環境を安定化させるための技術であり、電波が届く範囲は、無線基地局から半径数百メートル~数キロメートル程度まで及びます。
携帯電話の通信方式は時代とともに進化していますが、第3世代(3G)から第4世代(4G)へ移行する過程において3Gの長期的発展が模索されました。4Gの実現には、いろいろな技術的ハードルが存在したためです。将来的に4Gへスムーズに移行するため、3Gの発展形として新しい通信方式の開発が進められました。これが「Long Term Evolution(長期的発展)」であり、略して「LTE」と呼ばれています。
ただし、LTEを含めて携帯電話向けの電波は一定の強度があり、携帯電話会社などがサービス提供のために利用する際には、電波法にしたがった免許が必要です。
Wi-Fiについて
「Wi-Fi」とは「Wireless Fidelity(忠実な無線通信環境)」の略であり、無線LANの1種です。この方式により、LANによるデータ通信は無線化されました。
もともとLAN(Local Area Networkの略)は、ローカルエリアというその名の通り、社内など狭い範囲での利用を想定して構築される通信網です。パソコンとプリンターなどデータをやり取りする機器類は、比較的近くに置かれる傾向にあり、LANケーブルが各端末をつないでいました。しかし、通信機器が多くなるにつれ機器同士の距離は離れ、使用するケーブルも増えていきます。小型で移動可能な機器も増え始めたため、通信方法の無線化が求められたのです。
Wi-FiもLTEと同じく電波を用いた無線通信ですが、狭い範囲での通信が前提になっているため、利用する電波は強くありません。微弱な電波を利用する場合、電波法では免許不要と規定されているので、誰でも自由に機器を設置して通信環境を整えられます。
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