【例文多数】上司に『一目置かれる』年賀状の書き方
更新日:2024.11.19ビジネス豆知識上司に送る年賀状は、マナーを守りつつ気の利いた内容にしたいと思う人が少なくないでしょう。その場合、簡単な一言を添えるだけでも印象がよくなり、一目置かれる可能性があります。ただし、人によっては、どのように添え書きするか悩むかもしれません。この機会に、いろいろな添え書きの言葉をチェックしておけば、参考例として役立つと考えられます。そこで今回は、上司に送る年賀状の作成マナーを解説するとともに、上司別・内容別のひとこと集や作成時の注意点をご紹介します。
目次
上司への年賀状の作成マナー
上司への年賀状は、作成マナーとして、書面の文章構成・句読点や投函日・添え書きの方法などに配慮することが大切です。
基本となる文章構成
年賀状の文章は、賀詞・挨拶文・日付の3つで構成する書式が基本的です。
①賀詞
賀詞は、新年を祝う言葉であり、年賀状の冒頭に記します。よく知られる表現としては、1~2文字なら「寿」や「賀正」「迎春」、4文字であれば「謹賀新年」や「恭賀新年」が挙げられるでしょう。これらのうち、2文字以下の言葉は、同僚や部下に対して用いる表現と見なされています。一方、上司へ向けた年賀状の場合、4文字の賀詞を記すのが基本のビジネスマナーとなっています。
②挨拶文
挨拶文の基本とされる要素は、お礼・祈り・願いの3つです。本文の最初は、感謝の言葉を記し、お礼の気持ちを伝えます。その後、相手の健康や活躍を祈り、今後の指導や変わらぬお付き合いを願って文章を閉じます。年賀状は新年の挨拶状であり、個人的な近況報告は、本文のメインとなる内容に適していません。そのため、上司への年賀状も、一般的に私的な部分に関する報告は控えるのが基本マナーと認識されています。
③日付
年賀状の日付は、新年の年号・日付を記すのがマナーに沿った書き方です。新年の年号は、和暦と西暦のいずれを用いても問題ありません。また、紙面の末尾に余白がある時は、そこに添え書きすると好印象につながるでしょう。12月に入ると年賀状の準備を開始する人も多いですが、文面の作成日を書くとマナーに反します。まだ新年を迎えていないからと、普段の感覚で作成時の日付を記した場合、「マナーを知らないのでは」と思われるかもしれません。上司の評価を下げず年賀状の印象をよくするうえで、基本マナーをふまえた文面作成は重要と考えられます。
句読点や投函日のマナー
年賀状は、文章構成だけでなく、句読点や投函日についてもマナーがあります。句読点は、賀詞と挨拶文のいずれにも使わない書式が適切なスタイルです。文中や末尾に用いた場合、縁起のよいことを区切る意味になるため、通常は使用を避けます。その際、文章を見やすくするなら、少し字間を開けるか改行するとよいでしょう。
また、年賀状は、正月三が日の期間に届くタイミングで投函するのが望ましいといわれています。とくに、上司へ送る場合、元旦に受け取ってもらえるよう早めに投函を済ませるのが基本です。投函日が大晦日の直前になると三が日の間に届かない可能性もあるため、余裕をもって準備することをおすすめします。
添え書きの方法
年賀状の添え書きは、本人による手書きが望ましいとされています。昨今は年末も仕事が忙しい人が多く、年賀状を印刷するケースが増えてきました。賀詞をはじめとする定型的な部分は、印字済みのものが使われる場合も多く見られます。それでも、心を込めた添え書きは、感謝の気持ちや相手への気遣いを伝えるのに効果的です。自分の手で丁寧に書くと、簡単な言葉でも誠実な思いを示しやすくなるでしょう。気の利いた表現を一言添えれば年賀状の印象アップにつながり、上司から一目置かれる可能性があります。
なお、年賀状の文章は、横書きより縦書きのほうが無難といわれています。また、誤字・脱字はNGです。上司に送る年賀状も、書き損じた時は修正で済まさず、最初から書き直すことが望まれます。以上の基本マナーを守り、一目置いてもらえる言葉を添えれば、上司に喜ばれる丁寧な年賀状を作成できるでしょう。
【上司別】年賀状ひとこと集
上司に向けた年賀状は、マナーに沿った印象のよい言葉を添えて、一目置かれるように工夫したいところです。また、上司との関係性をふまえ、適切な表現を選ぶ配慮も欠かせないでしょう。
直属の上司
直属の上司に年賀状を送る場合、添え書きには、日頃の感謝を伝える表現がおすすめです。
・旧年中は仕事面だけでなく個人的な悩みも親身に聞いてくださり 誠にありがとう ございました
・旧年中はビジネスの基本から各業務の進め方まで丁寧にご指導くださり 厚く感謝 申し上げます
・昨年は重要なプロジェクトに手間取る小職を手厚く支えてくださり、本当にありが とうございました
・旧年は不肖の私が新規プロジェクトを任された際 多大なお力添えを賜り 大変に ありがとうございました
・昨年中は未熟な私を温かく見守ってくださり、厚くお礼申し上げます
・昨年はご家庭にお招きいただくなど家族ともども大変お世話になり 深く感謝申し 上げます
年賀状は新年の挨拶がメインであり、添え書きは短めの一言で十分です。心を込めた表現で感謝の気持ちを示せば、上司の目に留まるでしょう。
課長や部長
年賀状を配属先の課長や部長に送る時は、添え書きで、仕事に対する熱意や業務に精進する思いを伝えるとよいでしょう。
・まだまだ未熟者ですが 本年も昨年と同じく全力で仕事に取り組んでまいります
・仕事に不慣れな身ではありますが 本年は昨年以上に日々の努力を重ね精進していく所存です
・本年も日々の時間を大切に過ごし 充実した一年にしたいと思います
・今年は着実に歩みを進め 公私にわたり実り多き飛躍の年になるよう 力を尽くしてまいります
・今年も一歩ずつ成長を重ね これまで以上に仕事で貢献していきたいと思っております
・本年はより一層の飛躍を目指し ご期待に沿えるよう仕事に邁進してまいります
課長や部長は、職場内に問題がないか気にかけてくれる存在です。従業員の勤務状況を注視しているため、仕事への熱意や積極的な姿勢を示すと好印象につながります。
社長
社長に向けた年賀状は、感謝の気持ちに健康を気遣う言葉も添えると、目に留まりやすくなるでしょう。
・日頃は何かとお声をかけてくださり 誠にありがとうございます
本年も 益々のご健康とご活躍をお祈りいたします
・昨年中は公私にわたり大変お世話になり 謹んで感謝申し上げます
本年も より一層のご健勝とご多幸を心より祈念いたします
・いつも名前でお声がけくださり、非常に嬉しく思っております
寒さ厳しき折 くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます
・日頃から社内の風通しがよく 快適な職場環境に感謝しております
まだ寒い日が続くと思われますので どうぞお身体はご自愛ください
企業によっては、社長と面会する機会が少ないかもしれません。年賀状で健康を気遣う思いまで伝えれば、一目置いてもらいやすくなると考えられます。上記のように、思いやりの気持ちを手書きで丁寧に示せば、いずれの上司にも十分に喜んでもらえるでしょう。
【内容別】上司への年賀状ひとこと集
年賀状の添え書きは、自分の近況を伝える方法としても有用です。上司へ報告する際も、簡単な一言であれば差し支えありません。
結婚報告
結婚報告は、参列してくれた方・出席されなかった方・未報告の方を区別し、文面を書き分けるとよいと考えられます。
【例文1:参列してくれた方】
昨年はご多忙のなか私たちの結婚式にご列席くださり本当にありがとうございました
まだまだ未熟ですが 二人で力を合わせ幸せな家庭を築いていきたいと思います
【例文2:出席されなかった方】
昨年は私たち二人の結婚を心から祝福してくださり 深くお礼申し上げます
これからも 新しい家庭を末永く見守っていただけたら喜ばしく存じます
【例文3:未報告の方】
私事ではありますが 昨年〇月〇日に結婚いたしました
今後は 新しい家族ともども変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いします
年賀状を夫婦いずれかの上司に送る時も、差出人の書き方は、二人連名で記す書式が望ましいでしょう。
引っ越し報告
年賀状での引っ越し報告は、添え書きに転居先の新住所も合わせて明記することが大切です。
【例文1:引っ越し報告のみ】
私事で恐縮ですが昨年〇月〇日に引っ越しいたしました
今年は心機一転し 新しい住まいでお正月を迎えております
お近くに足を運ばれた際は気軽にお立ち寄りください
新住所:・・・・・・
【例文2:結婚に伴う報告】
私事ながら昨年〇月〇日に結婚し 新しい居宅へ引っ越しいたしました
本年は 新居で夫婦二人のお正月を迎えております
お近くにいらした際は こちらにもお立ち寄りくだされば幸いです
新住所:・・・・・・
通例、引っ越し報告は転居後1カ月以内に済ませるのが適切であり、年明けまで時間がある場合は早めに知らせることが無難と考えられます。
出産報告
年賀状で出産報告する時は、さり気なく一言だけ添えれば、上司に「お祝いしなければ」と気を使わせずに済むでしょう。
【例文1:お祝いを頂戴している場合】
昨年 子どもが生まれた折には心温まるお祝いを頂戴しありがとうございました
今年のお正月は 新しい家族と一緒に楽しく迎えております
【例文2:まだ報告していない場合】
私事ながら 昨年〇月に新しい命を授かりました
本年は新しい家族が増え 賑やかなお正月を迎えております
出産報告を添えた年賀状は、差出人に子どもの名前も記すのが通例です。その際、フリガナが書いてあると、上司は読み方を悩まなくてよいため親切といえます。このように、新年の挨拶がメインの年賀状も、近況報告を簡単に添えるだけなら楽しく読んでもらえるでしょう。
上司への年賀状|注意点
上司へ送る年賀状は、文面の言葉選び・書面の内容・書状のデザインなどに注意が必要です。
忌み言葉を使わない
年賀状の文面を作成する際、忌み言葉を使った表現は厳禁です。そもそも、年賀状は、新年を祝うとともに日頃の感謝を伝えるための書状です。おめでたい気持ちを表現する手紙であり、基本マナーとして、忌み言葉の使用は望ましくありません。具体例を挙げると、「去る」「切れる」「終わる」「失う」「衰える」などは、ネガティブな印象があり不適切です。いずれの表現も、上司へ送る場合に限らず、年賀状の文面では避ける必要があります。
写真入りは避ける
上司に向けた年賀状を用意する際、写真入りは控えたほうがよいでしょう。写真入りの年賀状について、厳密な決まりや細かいルールはありません。ただし、上司へ送る書状は、仕事の面倒を見てくれることに対して感謝を伝える書面が適していると考えられます。一方、家族・友人と一緒の写真は、自分自身の近況をアピールする意味合いが強まりがちです。家族ぐるみの交流がない場合、相手によっては不快に思われる可能性もあるため、写真入りは避けたほうが良いかもしれません。
落ち着いたデザインを選ぶ
上司向けとなる年賀状の絵柄は、落ち着いたデザインを選ぶのが適切です。最近の年賀状は、印刷技術の進歩もあり、以前に比べてデザインの種類が豊富になりました。具体的には、無地のタイプだけでなく、季節感のある絵柄や人気のキャラクターを描いた派手なものまであります。さまざまな絵柄のうち、上司に送る年賀状としては、落ち着いた雰囲気のデザインが相応しいと考えられます。イラストが描かれたタイプなら、初日の出や富士山といった和柄が適しているでしょう。
住所は本人に直接尋ねる
年賀状の宛先となる住所は、上司に直接尋ねるのが原則的なマナーです。近年、ビジネスの場では、個人情報を保護するため従業員の住所を開示しないケースが増えています。人づてに確認した場合、上司から「なぜ知っているのか」と不審に思われる可能性があります。また、先輩や同僚に聞いた時は、誤った住所を教えられたり、聞き間違えたりするかもしれません。余計な誤解やトラブルを避けるためにも、年賀状の宛先は上司本人に確認することが大切です。
なお、年内に上司から「年賀状じまい」を受け取った時、返事を出してもマナー違反にはなりません。その場合、基本マナーとしては、相手の気持ちに配慮して承知した旨を知らせることが無難な対応とされています。これらの点に注意しながら年賀状を作成すれば、不快に思われる心配はなくなり、上司に喜んでもらえるでしょう。
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