コールセンターで NGな話し方とは?電話対応での語尾の使い方

更新日:2025.11.17ビジネス豆知識

コールセンターで NGな話し方とは?電話対応での語尾の使い方

電話対応では、ほんの少しの言い回しや語尾の使い方が、相手に与える印象を大きく左右します。ビジネスシーンでは、不適切な語尾の使い方や曖昧な話し方は、顧客に不快感を与えるだけでなく、会社全体の信頼にも影響するため注意が必要です。とくに、語尾を延ばす、横文字を多用する、業界用語で説明するなどは、よく問題視されるポイントです。本記事では、電話対応のプロであるコールセンターで避けられている話し方のNG例や、具体的な改善方法をご紹介します。電話対応に不安がある方や部下指導の参考に、ぜひお役立てください。

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コールセンターでNGな話し方5つの特徴

 コールセンターでNGな話し方5選の図解

電話対応では、ほんの少しの話し方のクセでも、相手に不快感を与えたり、誤解を生んだりすることがあります。

ここでは、コールセンターでよく見られるNGな話し方の特徴を5つ紹介します。まずはざっくりとポイントを押さえてみましょう。

語尾上げ

語尾上げの特徴は、会話に含まれる「~は」「~で」「~を」などの助詞ごとに音が上がるパターンです。

言葉をかぶせる

相手の話の途中で「そうですね、でも…」「それより…」と自分の言葉を重ねてしまう話し方です。

語尾を伸ばす

「~でございますぅ~」や「~ですねぇ~」と語尾を不自然に引き延ばして話すクセです。

横文字を多用

「アウトプットします」「コンバージョンを確認してください」など、カタカナ言葉や横文字を多く使う話し方です。

業界用語で話す

一般的ではない、社内用語や専門用語を使って説明する話し方です。

なぜ語尾上げやかぶせる話し方がNGなのか?

なぜ語尾上げやかぶせる話し方がNGなのか?

「語尾上げ」や「言葉をかぶせる」話し方は、一見ささいなクセのように思えます。しかし、これらは相手に不安や不快感を与えやすく、コミュニケーションの信頼性を下げてしまう原因になるのです。ここでは、なぜコールセンターではこれらの話し方がNGとされるのか、その理由を具体的に解説します。

話し方のクセ 注意点(問題点・影響) 改善ポイント 具体例
語尾を延ばす 幼稚・頼りない印象を与え、会話が長引く 語尾ははっきり切って話す ×:「~でぇ~」「~ですぅ~」
〇:「~です」「~します」
語尾が上がる 助詞ごとに音が上がり、自信がないように聞こえる 文末の語尾を下げて落ち着いたトーンで話す ×:「わたしは↑ 担当で↑ お電話を↑ しています↑」
〇:「わたしは担当でお電話をしています。」
言葉をかぶせる 相手の話を遮り、不快感や誤解を招く 相手の話を最後まで聞いてから話す ×:(相手が話している途中で)「それはですね!」
〇:(話が終わってから)「なるほど、では~ですね。」
横文字の多用 意味が伝わりにくく、相手に混乱を与える 誰でも分かる日本語に置き換える ×:「アポイントをリスケします」
〇:「予定を変更させていただきます」
業界用語の使用 専門外の人に伝わりにくく、説明が難解になる 一般的な表現で丁寧に説明する ×:「KPIが~」「コンバージョンが~」
〇:「目標の数値が~」「成果の割合が~」

語尾を延ばす

職場で電話対応する際、言葉の語尾を延ばす話し方は多忙な相手に時間の無駄遣いと受け取られる可能性があります。幼稚で頼りなく思われる恐れもあるため避けたほうが無難です。

語尾を延ばすと時間の無駄遣い

ビジネスシーンでは時間厳守が基本であり、電話口で不用意に語尾を延ばすと相手に時間の無駄と思われる可能性があります。職場で多くの仕事を抱えている方にとっては、1分1秒が貴重です。電話でこちらが「~してぇ~」や「~ですぅ~」と話せば、それだけ会話は長引くため望ましくありません。少しでも時間を節約するなら、語尾を延ばす話し方は厳禁です。

場合によっては幼稚で頼りない印象に

電話で語尾を延ばすと、幼稚で頼りない印象を与えるとも指摘されています。仕事に不慣れと思われたら、信頼感の低下につながります。語尾を延ばす話し方は、子どもによく見られる特徴です。電話対応で使うと、幼く思われる傾向にあります。

きちんと仕事できるのか疑われることも多いので、相手の信用を得るには話し方の修正が不可欠です。言葉の語尾を延ばすと、話が済んだかわかりにくくなる場合もあります。自分では話し終えたつもりでも、相手が誤解して言葉の続きを待つ可能性はゼロではありません。そんな事態を避けるためにも、ビジネスシーンで電話対応する時には語尾を延ばす話し方を改善する必要があります。

横文字の多用

横文字は誰にでも馴染みがあるわけでなく、意味を誤解される可能性もあるため安易な多用は問題です。

人によっては馴染みがない

職場の電話対応で横文字を使った場合、その表現に馴染みのない相手にはスムーズに正しい意味が通じません。日本語には、カタカナ英語を始めとして多くの横文字表現が含まれています。よく使われている横文字が、すべての方に同じくらい馴染みがあるとは限りません。

日常的に聞いている表現でも、簡単に理解を得られると思って使うと馴染みのない相手に不快感を与える場合があります。自分にとってありふれた横文字も、職場の電話対応での多用は控えたほうが無難です。

意味を誤解される恐れもある

横文字は必ずしも意味が一つとは限らず、電話対応では誤解を招く恐れもあります。外国語に由来する横文字は、言葉によっては複数の意味を含んでいます。ビジネスシーンを見ると、すべての業種や職場が同じ意味で使っているわけではありません。

仕事上の電話対応で異なる意味を覚えている相手に使えば、誤解のもとです。それでも多用すると、さらに理解のずれは広がります。お互い誤解したままの会話を避けるには、いろいろな意味をもつ横文字の使用は避けたいところです。横文字は、本来の言葉通りに発音されない傾向も見られます。海外企業との電話対応で多用した時も誤解の原因になるケースがあるため、多用しないほうがトラブルを防ぎやすくなり安心です。

業界用語で説明

業界用語は、専門外の方にとっては必ずしも馴染みがあるわけではありません。ビジネスの電話対応で使うと説明がわかりにくくなる可能性が高く、使用を避けたほうが賢明といえます。

業界用語は専門外の方に馴染みが薄い

業界用語の多くは専門外の方には馴染みが薄く、あまり職場での電話対応に適さない表現です。一般的に業界用語は、同業者相手に使われる特徴をもっています。もともと「部外者に知られたくない」との意識から使われ始めたともいわれ、通常は同業者以外に理解されなくてもとくに問題ありません。

そのため、業界用語は専門外の方に馴染みの薄い表現が数多く存在します。自分には当たり前の表現が簡単に理解されないケースは多く、いろいろな業種の方と会話するビジネスの電話対応に向いているとはいえません。

電話対応で使うと説明がわかりにくい

業界用語には、電話対応で使うと説明がわかりにくくなる傾向も見られます。多くの業界用語は、一般向けに生み出された表現ではありません。簡単な略語でも、なかなか意味が通じない事態はよく起こります。法律関係や医療分野の専門用語は、さらに意味の理解が難しくなります。

そんな特徴をもった表現を電話対応で使えば、説明がわかりにくくなっても不思議ではありません。お客様や取引先との電話対応では、わかりやすさが不可欠です。その点を考慮するなら、業界用語はできるだけ避ける必要があります。

語尾が上がる

語尾が上がる話し方には相手に不安感を与える傾向があり、ビジネスの電話対応では不適切といわれています。

不安感を与えやすい

語尾が上がる話し方は、聞き手を不安にさせるとの指摘も聞かれる表現です。ビジネスでは信頼を損ねる恐れがあり、望ましくありません。会話の語尾が上がる典型的なケースは、助詞ごとに音が上がるパターンです。「私は、職場で電話対応を担当しています」の場合には、「~は」「~で」「~を」のたびに語尾が上がります。この話し方で電話対応した場合には話の内容に自信がないと思われる可能性があり、聞いている側に不安感を与えやすいといわれています。

ビジネスでは不適切

語尾を上げることで電話の相手に不安感を抱かせ仕事に対する信頼を損ねるなら、この話し方はビジネスの場に不適切と考えられます。ビジネスでは、どの業種でも事業運営を続けるため利益の追求は怠れません。語尾が上がる話し方により仕事への信頼が失われ収益が減れば、電話対応した本人だけでなく職場や会社にとっても大きなダメージです。会話の聞き手を不安にさせる「語尾が上がる話し方」は仕事上の不利益にもつながるため、ビジネス向きではないといえます。

かぶせて話す

会話中に言葉をかぶせる話し方は相手の話を途中で遮るため、ビジネスの電話対応ではNGです。

相手は話している途中で遮られると不快

仕事関係の電話に限らず、自分が話している途中で言葉を遮られると、不快に思う方が多いのではないでしょうか。仕事かプライベートかを問わず会話する時は、何か伝えたいことがあります。会話中に言葉をかぶせられ、話が中断されると、最後まで伝えたいことを話せず不快に感じるでしょう。仕事上の電話で相手に不快感をもたれると、会社にとっては不利益になります。

こちらは話を最後まで聞けない

会話中に言葉をかぶせる話し方の場合、こちらは相手の話を最後まで聞けないデメリットもあります。たいていの会話では、最後に結論が話されるものです。職場へのお問い合わせでも、通常、お客様や取引先が何を知りたいかは話の終わりで明確になります。会話中に言葉をかぶせ最後まで聞かなければ、話の結論や相手の知りたいことはわかりません。

お問い合わせ対応で相手の疑問やニーズがわからなければ、的確に回答することは困難です。そのまま無理に回答すると的外れになる可能性があり、不快感とともに不信感をもたれる恐れもあります。電話対応で相手の会話中に言葉をかぶせる話し方も、さまざまな不利益をもたらすため、ビジネスの電話対応では不適切と考えられます。

改善するための話し方のコツ

電話対応での話し方のクセは、一朝一夕で直すのは難しいものです。しかし、具体的な方法を意識して練習することで、相手に安心感を与えられる話し方に改善できます。ここでは、効率よく話し方を改善するためのコツを紹介します。

上手な対応を真似する

まずは、電話対応が上手な先輩や同僚の話し方を観察してみましょう。語尾の使い方や声のトーン、相手の話を聞くタイミングなど、具体的に真似できるポイントを探します。

「~ですね」「~でございます」を自然に使えているか、語尾を必要以上に上げていないかなど、細かい部分まで意識すると効果的です。真似をすることで、自分では気づきにくいクセに気づき、改善の第一歩につながります。

自分の電話対応を客観的に振り返る

自分の話し方を録音して聞き返すと、語尾の上げ方や言葉のかぶせ方など、相手にどう聞こえているかを客観的に確認できます。また、上司や同僚に聞いてもらい、改善点をフィードバックしてもらうこともおすすめです。

ロールプレイングで実践する

実際の電話対応の場で練習するのはハードルが高い場合、ロールプレイング形式での練習が効果的です。顧客役と対応者役を交代で体験することで、語尾の使い方や言葉のかぶせ方など、自分の話し方が相手にどう伝わるかを実感できます。過去の問い合わせやよくある質問を使って練習すると、実際の電話でも応用しやすくなります。チームで行うと、電話対応の品質向上にもつながるためおすすめです。

電話対応の話し方に関するよくある質問

電話対応の話し方に関するよくある質問

電話対応では、語尾の使い方や言葉の選び方など、ちょっとしたことで悩むことが少なくありません。ここでは、電話対応でよくある疑問や悩みに答え、実践的なポイントをわかりやすく解説します。

Q. 語尾を伸ばすのは女性に多いと聞きますが、心理的な理由はありますか?

語尾を伸ばす話し方は、相手に柔らかい印象や親しみやすさを伝えたい心理が背景にあることが多いです。とくに女性は、相手を不快にさせず穏やかに会話を進めたいという気持ちから「~ですぅ」「~ですねぇ」と語尾を伸ばす傾向があります。しかし電話対応の場では、語尾を伸ばすと頼りなさや曖昧さを感じさせる場合もあるため、相手に伝わるよう明確な語尾で話すことが大切です。

Q. 電話で相手の話すタイミングにかぶらないコツは?

相手の話を最後まで聞き、一呼吸置いてから自分の話を始めることが基本です。相手が話し終えるのをしっかり待つことで、聞き手としての安心感を与えられます。また、簡単な相槌を短く入れる程度にとどめると、会話の流れを止めずに相手の話を受け止められます。こうしたタイミングの取り方を意識することで、話のかぶりを防ぎ、スムーズな電話対応が可能になるでしょう。

Q. 抑揚のある話し方を身につけるトレーニング方法は?

抑揚のある話し方は、単調な声を避けて相手に聞き取りやすさと好印象を与えるために有効です。トレーニングとしては、自分の話を録音して語尾や声の強弱を意識しながら聞き返す方法があります。また、ニュースや朗読を声に出して読み、声の高低や間の取り方を練習することも効果的です。さらに、ロールプレイングを通じて質問への答え方や説明の際に抑揚を意識して話すことで、自然に抑揚のある話し方を身につけられます。

電話対応では、ほんの少しの話し方のクセでも相手に与える印象は大きく変わります本記事で紹介したNG例と改善のコツを意識することで、相手に安心感を与え、信頼される電話対応が可能になるでしょう。自分の話し方を客観的に振り返り、上手な対応を真似たり、ロールプレイングで練習したりすることが、着実な改善につながります。

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