ホラクラシーとは
更新日:2023.03.09ビジネス豆知識近未来の組織形態と言われているホラクラシー。耳にしたことがありますか?ホラクラシーとは上下関係が存在しないフラットな組織形態のことです。今まではヒエラルキー型の組織形態がほとんどでした。今回はホラクラシー型組織のメリットやデメリットについて紹介したいと思います。
目次
ホラクラシー型組織とは
上司や部下などの関係が一切存在しない組織形態のことです。従来のように意思決定の権限が経営層になく個々に分散しています。社員全員が同じ立場で意思決定をしていきます。ホラクラシー型組織では組織を構成している社員はチームでまとまって意思決定をしていきます。
従来のヒエラルキー型組織では、社員の意見はほとんどといっていいくらい採用されることがないのが当たり前でした。そのせいか社員は少なからず仕事に対する意欲もそがれていってしまうこともありました。従来のヒエラルキー型組織での肩書だった部長や課長などがホラクラシー型組織では役割に変わります。ホラクラシー型組織では、社員が得意分野を活かして仕事に取組む自律型の組織ですので管理職やリーダーが存在しません。
チームに決定権が与えられるので社員個人が大きな裁量を持って自主的に仕事に取り組むことができます。社員全員が経営に関しての発言権を持つということです。また、社員一人一人の目標などもなく、評価や査定も社員全員で実施します。
ホラクラシー型組織では上司がいませんので、指示や決定を待つ時間も必要ありません。意思決定をスピーディーに行うことができる効率的で柔軟な組織です。役職で仕事を割り振ることがありません、役割ごとに仕事が割り振られますので社員がしなければいけない仕事が明確化されます。社員一人一人の主体性を重視した経営形態がホラクラシー型組織です。
ホラクラシー型組織のメリット
生産性の向上
ホラクラシー型組織では人の管理、監督という業務が必要ありません。人を管理、監督するのはかなり大変な業務ですから、それが無くなるだけで社員一人一人が自分の業務に専念できます。必然的に生産性は向上します。
ストレス軽減
上司がいませんので、上司の顔色を気にすることなく仕事ができます。出世もないので、社内政治など余計なことを考えなくても良くなります。これだけでもかなりのメリットですが、今まで仕事は指示、命令を受けて、やらなければいけないと感じてしまうこともありました。
しかし、ホラクラシー型組織では意思決定は社員全員でします。自分にも大きな裁量が与えられていると感じられることはモチベーションアップに繋がります。自主性も育まれ責任感も高まります。自分の能力を発揮できる仕事をすることができますので、主体的に仕事に取り組むことができます。義務感よりもやりがいを感じながら仕事をすることができます。そういう職場環境ですのでストレスは軽減されます。
会社の活性化
会議などでは多様な意見が出るようになります。ホラクラシー型組織では、社員一人一人の役割が明確にされていますので、自身が行っている業務に対して発言することが容易になります。上下関係などの煩わしい人間関係に悩まされることなく、日々、自身の業務に集中できるので会社の業績向上に前向きな意見が多くなります。積極的な意見交換は会社の活性化に繋がります。
ホラクラシー型組織のデメリット
管理職、リーダーが不在
プロジェクトに関しての管理や監督をする人がいないということがメリットでもありましたが、ホラクラシー型組織では最大のデメリットになってしまいます。何かトラブルや問題が発生した時、従来のヒエラルキー型組織では上司やリーダーが動いてくれました。しかし、ホラクラシー型組織では全て自分で解決しなければいけません。
自分で解決できるくらいの問題なら、次から気をつければ良いで終わりますが、自分一人ではどうにもならないくらいの大きな問題が発生した時が大変です。必然的に一人の人に精神的、肉体的負担がかかります。その結果、ストレスが溜まり仕事に対して意欲を失い離職してしまうということもあります。
情報漏洩のリスクがある
ヒエラルキー型組織なら社内機密情報は、一般社員には知らされることはありません。機密情報が漏洩してしまっては大変です。ところがホラクラシー型組織では社員それぞれが意思決定の権限を持っていますので、機密情報も全てオープンに公開せざるをえません。
社員全員が機密情報を把握できるということはそれだけ情報漏洩のリスクが高くなるということです。会社の規模が大きくなればなるほど情報漏洩のリスク管理が課題となります。
組織としてのコントロールが困難
社員の自主性を重視するホラクラシー型組織の場合は、社員一人一人がどのような仕事をしているか把握するのが困難です。ホラクラシー型組織では他の社員がどのような仕事をしているかという情報が分からないこともあります。同じチームでも、自身の業務に没頭していれば他の社員の働きぶりも把握できません。
それ以上にチーム内で孤立する可能性もゼロではありません。チームワークを保って業務を遂行するにはコミュニケーションも大切です。お互いに業務進捗報告ができる体制、コミュニケーションが取れる体制を作っておかなければ上手くいかない可能性があります。
ホラクラシー型組織は近未来の組織形態と言われているぐらい新しい組織の形です。メリットもあればデメリットもありますので、ホラクラシー型組織導入に際しては慎重に検討する必要があります。
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