「飲みニケーション」のメリット・デメリット

更新日:2024.10.21スタッフブログ

飲みニケーション

同僚や上司、時には顧客とのコミュニケーションを目的とした“飲みニケーション”は、仕事を円滑に進める潤滑油のような役割を果たします。一方でアルコールハラスメントなど、酒の場ならではのトラブルが起きることも少なくありません。そもそも”飲みニケーション”は現代のビジネスパーソンにとって、本当に必要なのでしょうか?今回は、飲みニケーションのメリットやデメリットについて解説します

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若い世代ほど”飲みニケーション”が「役立つ」と回答

職場の飲み会は、人によっては苦痛に感じられるものです。仕事が終わったにも関わらず、さらに拘束時間が続くこともあり「悪しき習慣」と捉えられるケースは少なくありません。基本的に飲み会は業務ではなく、強制参加ではありません。ただ、断れない空気の職場も多く、半強制的に参加させられることもあるでしょう。実際、ビジネスパーソンは飲み会に対してどういった印象を抱いているのでしょうか。ある調査結果では、意外なデータが出ています。

意外?若い世代に支持される”飲みニケーション”

「バカルディジャパン」は2019年5月、「働き方改革と社内コミュニケーションの実態調査」を公表しました。同調査は就職活動中の学生200人、20代~50代の社会人 800人を対象としており、計1,000名から回答を得ています。

それによると、「“飲みニケーション”は社内の円滑なコミュニケーションに役立つと思いますか」という質問項目において、20代の過半数が「とてもそう思う」または「そう思う」と回答しました。反面、40代~50代では4割程度に留まっています。意外にも“飲みニケーション”は、若い世代に支持されているのです

一般的に若い世代は、プライベートな時間を大切にするというイメージから“飲みニケーション”に対して否定的だと思われてきました。しかし、実際の調査では真逆の結果が出ています。

“飲みニケーション”はプライベートに含まれる?

なぜ若い世代に”飲みニケーション”が支持されているのか。同じく「バカルディジャパン」による「働き方改革と社内コミュニケーションの実態調査」には、「どんな“飲みニケーション”を希望するか」という質問項目があります。結果、もっとも多かったのは「仕事とは関係ないプライベートな会話で盛り上がりたい」という回答で、全体の4割以上を占めています。

一方、「仕事上の悩み相談をしたい・して欲しい」や「仕事上のアドバイスをしたい・して欲しい」といった仕事関係の回答は、合計しても3割未満です。この結果を考慮すると、若い世代は“飲みニケーション”を仕事ではなく、プライベートの一環として考える節があります。あるいは仕事とプライベートの境界を明確にしておらず、仕事関係の飲み会であっても、オフとして楽しんでいるともいえます。

世代が高くなると“飲みニケーション”の必要性を感じなくなる?

同調査において、40代~50代は“飲みニケーション”の必要性を感じていないようです。いくつか理由が考えられますが、世代が高くなるとそれだけ責任も増え、同時に家庭を持つ方も多くなります。結果として、飲み会の優先順位が低くなると考えられます。また収入は増えても家庭を持つ、マイホーム購入などで可処分所得が減少し、経済的に飲みに行く頻度を落とさなければならないといった事情もあるとのことです。

“飲みニケーション”のメリットとデメリット

意外な結果が得られた同調査ですが、そもそも“飲みニケーション”のメリットとデメリット一体何なのでしょうか。ここでは、“飲みニケーション”の必要性とメリット、デメリットについて解説します。

“飲みニケーション”から期待できる効果とメリット

“飲みニケーション”には、従業員同士のコミュニケーションが円滑になる効果が期待できます。オフィスではできない話でも、飲みの席であればできてしまうケースも多いでしょう。また、飲み会では仕事中に出さない一面が見えることも多く、お互いを深く理解し、信頼関係を深めるきっかけにとなります。

「株式会社ジェイアール東海エージェンシー」による「お酒の力を借りて実現できたことは?」という調査では、以下の回答が得られています。

  • 上司や部下との関係が良くなった
  • 取引先と関係が良くなった
  • 上司にいいにくい報告ができた
  • (接待で)商談を成立させた

さらに「オックスフォード大学」による研究でも、飲みの席に頻繁に通っている方は友人が多く、独自のネットワークを構築し、コミュニティへの貢献度も高いことが分かっています。結果として、人生の充実度も向上するとのことです。会社の飲み会の参加頻度が高いほど、会社への貢献度が上がる上、本人の生活そのものが充実する、ともいえます。

”飲みニケーション”のデメリットは?

さまざまなメリットがある一方、飲みニケーションにはデメリットもあります。まず挙げられるのが、金銭的負担です。一回の金額は少なくとも、毎週のように飲みに行くとなれば、相当な出費となります。家庭を持っている方の場合、ますますその出費は痛く感じられるものです。

続いて、精神的な負担です。先ほど20代の過半数が「”飲みニケーション”は有効と考えている」とお伝えしました。しかし、その半数は“飲みニケーション”に対して、ネガティブな印象を持っています。”飲みニケーション”が役立たないと考えている方や、単純に飲み会が苦手な方にとっては、参加自体がストレスとなるようです。

飲み会は、うまく利用できればコミュニケーションを円滑にするものの、逆効果となるケースもあります。例えば、どうしても飲み会に参加できず、断ってしまった場合です。誘った側・断った側の双方でぎくしゃくとした雰囲気になり、関係性にヒビが入ることもあります。

平日に飲み会を行う場合、翌日の仕事に響く可能性もあります。お酒の席はリフレッシュの機会でもありますが、仕事関係の飲み会になると、それなりに気を遣うことになります。その疲労が蓄積すれば、翌日に響くのは当然です。

またアルコールが苦手な方は、二日酔いのために翌日の午前中は仕事にならなかったという経験をお持ちの方もいるでしょう。これは週末の飲み会も同様です。せっかくの休日を有効に使えず、拘束時間が長く感じられることもあります。いずれにしても、アルコールが苦手な方や飲み過ぎてしまう方にとって、“飲みニケーション”は「ストレスを感じやすい場」になる恐れがあります。

デメリットの少ない”飲みニケーション”にするには?

飲み会で感じる負担や、ストレスを軽減できるようなルール作りが必要です。一例として、以下のルールを定めると良いでしょう。

  • 個人が負担する費用に上限を設ける
  • 各種ハラスメントを禁止する
  • 解散時間は必ず決める
  • 一次会のみで解散する

上記を設定するだけでも、飲み会の敷居が大きく下がります。幹事がその都度指揮をとり、参加者をコントロールしましょう。

“飲みニケーション”には、「悪しき慣習」といったイメージが定着しています。しかし近年は、その効果やメリットが認められ、見直されているのも事実です。いくつかのデメリットもありますが、ルールを定めたり、飲み会の方法や頻度を見直したりするだけで、”飲みニケーション”の有効性が高まるでしょう。デメリットばかりに目を向けるのではなく、企業・組織のためにうまく活用する方法を考えてみましょう。

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