コールセンターにおける品質向上のコツとは?
更新日:2023.06.06スタッフブログコールセンターはお客様との大切な接点。その品質を向上させることが企業価値や商品・サービスの満足度に結びつくため重要視されています。今回はコールセンターの品質を表す指標や、品質の調査方法、品質向上のメリットや品質向上のための具体策などを紹介していきます。コールセンターの品質向上を図りたい管理者の方は参考にしてみてください。
目次
コールセンターにおける品質向上とは
コールセンターはお客様や見込み客との信頼関係を築いて売上につなげる、あるいはリピーターやファンをつくるための部署です。その品質を向上させることは売上の拡大や、企業のイメージ向上に直結します。ただし、コールセンターの業務にはさまざまな種類があります。
受信した電話に応対するインバウンド業務なのか、営業やマーケティングなどのアウトバウンド業務なのかによっても重視すべき品質は変わってくるでしょう。そのため適切な品質管理が難しいと感じる方もいるかもしれません。
しかし、共通しているスタンダードな指標もあります。それぞれの指標を自社に当てはめながら考えるとわかりやすいかもしれません。
品質向上の指標
コールセンターの品質には、一般的に次の3種類の指標があります。
応対品質
応対品質とは、オペレーターの電話対応の質です。迅速かつ的確に対応できているか、言葉遣いが適切か、マナーを守れているか、お客様に共感できているかなどを評価して品質レベルを判断します。具体的には、言葉遣いやマナーなどをチェックして数値化する「モニタリングスコア」やアンケート調査による「お客様満足度調査スコア(C–SAT)」、「クレーム発生率」や、お礼や感謝の数「Thanks Call発生件数」などで判断します。
接続品質
接続品質とは電話がつながりやすさのことです。電話がつながらないとお客様にストレスを感じさせてしまいます。長時間待たされるとお客様満足度にも悪影響を与えるでしょう。接続品質は、オペレーターが対応できたコール数の割合を示す「応答率」や、対応の前に切断されたコール数を表す「放棄呼率」、着信から応答するまでの平均時間を表す「平均応答速度(ASA)」や、一定時間内にオペレーターが処理できる件数を表す「CPH」などで算定します。
処理品質
処理品質とは、お客様からのお問い合わせに、正確に対応できたかどうかを評価する指標です。お客様が求めている情報や回答を正確に伝えて処理していくことが、お客様満足度の高いコールセンター運営につながります。処理品質は、一度の問い合わせで解決できた割合を示す「一次完結率」や、ミスの割合を表す「ミス率」、オペレーターだけで解決できず上司や他部署に相談・質問した割合を表す「エスカレーション率」、「保留発生率」などで評価します。
品質管理の調査方法
品質を管理するには、自社の応対が求める基準を満たしているかどうかを調査することも大切です。ここでは数値化しにくい、応答品質を中心に品質調査の具体的な方法を紹介します。
お客様アンケート
お客様アンケートは、お問い合わせしてもらったお客様に印象や感想を回答してもらう方法です。実施方法としては「後日、直接電話する」、SMSで「アンケートを送付する」、「問い合わせ電話の後にアンケートのガイダンスに切り替える」などの方法があります。
お客様に直接、オペレーターとの対話にどういう印象をもったかを答えてもらえるため、感想を把握しやすいのがメリットです。一方、全てのお客様から回答が得られるわけでないため、有効な数を集めるのに時間がかかることもあります。
モニタリング
モニタリングは、お客様の対話をリスニングして応答のスキルや言葉遣い、マナーなどをチェックする方法です。実施方法はリアルタイムでチェックする方法と録音した応答をチェックする方法の2つがあります。
リアルタイムのモニタリングはオペレーターの表情や通話前後の処理方法なども確かめられますが、オペレーターにプレッシャーを与えてミスを誘発する可能性もあります。一方、録音によるモニタリングは何度でも聞き直して評価できますが、リアルタイムに比べると時間を要するのがデメリットです。
ミステリーコール(覆面調査)
ミステリーコールは調査業者などの第三者が、お客様のふりをしてコールセンターに電話して、応対を確認する方法で覆面調査とも呼ばれます。「こうしたケースでは、どのような応対をするだろう」など、ピンポイントでチェックしたい項目を確認できるのがメリットです。一方、調査業者に依頼した場合、調査コストが発生するデメリットもあります。
通話システムの実績確認
接続品質や処理品質には、「発信数」や「通話時間」など、数値で評価できるものがあります。使用している通話システムにもよりますが、「応答率」や「放棄呼率」、「平均応答速度(ASA)」などが記録できるシステムもあります。数値で確認可能なものは、グラフなどにすればボトルネックとなっている部分や、強化すべき部分を可視化できるでしょう。
品質を管理するメリット
コールセンターの品質を管理すれば、次のようなメリットがあります。
お客様満足度向上
コールセンターはお客様が直接、コンタクトする部署です。「電話しても問題が解決しない」「応対が雑で冷たい」「言葉遣いが悪い」などの印象を与えてしまうと、当然お客様の満足度は低下するでしょう。反対によい印象を与えれば満足度が向上するだけでなく、企業や商品・サービスのファンとなってくれる可能性があります。ファンになったお客様はリピート購入してくれたり、周囲に商品・サービスを広めてくれたりもしてくれます。
企業イメージの向上
現在はインターネットやSNSなどで、すぐに評価が拡散される時代です。よい応対が継続できれば、企業イメージの向上にも結びつくでしょう。反対に対応が悪ければ、それも拡散されてしまいます。コールセンターの品質向上は、つちかってきた企業イメージを守り、向上させるものです。
関係者のモチベーション向上
問い合わせて課題が解決できれば、お客様から感謝される機会が増えます。お礼を言われればオペレーターのモチベーションも向上するでしょう。社内的にも品質調査でよい評価を受ければモチベーションが上がります。そのためにも公正で客観的な評価が大切です。
品質を向上させる方法
コールセンターの品質を向上させるためには、次のような方法があります。
定期的なフィードバック
対応品質を向上させるためには、調査結果にもとづくフィードバック体制の整備が大切です。フィードバックを定期的に繰り返すことで、オペレーターも得意な分野や苦手分野を理解して、応対品質が向上します。フィードバックではオペレーターと対面して、具体的な改善案を話し合いましょう。課題だけでなく評価すべき点も一緒に伝えれば、やる気アップにもつながります。フィードバックは数カ月に1回のペースで行うのが理想的です。
トークスクリプト・マニュアルの作成・更新
トークスクリプトとは、顧客との具体的なやりとりの例が、台本のように記載されたものです。トークスクリプトをお手本として読んでもらえば、言葉遣いの統一や基礎的な知識も共有できるでしょう。また「この質問にはこう答える」といった、Q&A形式のスクリプトを用意するのも効果的です。トークスクリプトは作って終わりでなく、定期的に見直しながら改善していきましょう。
丁寧な研修の実施
オペレーターの品質向上には、定期的な研修やトレーニングを実施するのも大事です。研修といえば新人研修が一般的ですが、初心者だけでなく、業務になれているオペレーターにも最新の知識や、アップデートされた応対方法を共有しましょう。
定期的に研修を実施して、一人ひとりのオペレーターの成長をうながすことで全体の対応品質が向上します。またトレーニングや研修だけでなく、メンタルケアなどのサポート体制も充実させるとよいでしょう。
応対の品質を向上させてお客様満足度を上げましょう
最前線でお客様対応をするコールセンターは、企業イメージや商品・サービスのイメージを左右する大切な部署です。調査で現状を把握して、フィードバックやトークスクリプトの改善、研修などをすれば確実に品質は向上します。
品質を向上させて高い基準を維持できれば、お客様満足度もアップして売上の向上にもつながります。コールセンターの品質向上で企業価値をアップさせてください。
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