路線価を正しく把握して相続税や贈与税の節税に活用!

更新日:2024.07.01ビジネス豆知識

路線価を正しく把握して相続税や贈与税の節税に活用!

路線価とは、不動産に関する評価額の一つです。土地や建物が個人間で相続・贈与される際、相続税や贈与税の税額を計算するために、国税庁が調査・公表しています。路線価の正しい金額を把握すれば、節税に役立つ可能性があります。不動産の相続や贈与を控え、どう税金対策するかで悩んでいるなら、路線価の概要や節税への活かし方を理解しておくと参考になるでしょう。そこで今回は、路線価について解説しながら、路線価を活かした節税対策や相続税路線価に関して相談できる専門家などをご紹介します

路線価とは?

路線価とは?

路線価は、道路に面した土地などについて定められた評価額です。相続や生前贈与のために具体的な金額を知りたい場合、路線価図や評価倍率表を見ると確認できます。

路線価と地価の違い

「路線価」と「地価」では、評価対象となる土地に主な違いが見られます。まず、路線価の場合、評価対象は路線(道路)に面する土地などです。国税庁の説明によると、路線価図や評価倍率表には、道路沿いにある標準的な宅地1㎡あたりの金額が千円単位で示されています。

一方、地価は、一般的な土地全般が評価の対象です。国土交通省の管轄部署が適正な地価の設定を目指し、標準地の正常な価格を公示します。道路に面しているかどうかは関係なく、主に土地取引や不動産鑑定の指標として用いられています。

このように、路線価と地価では、評価対象や金額の表示内容が必ずしも一致しません。そのため、道路沿いの宅地について具体的な評価額を知るには、路線価を調べる必要があると考えられます。

国税庁 路線価図の説明 (参照 2024-06)
国土交通省 地価公示 (参照 2024-06)

土地の評価額を知るには

相続や生前贈与の関係で土地の評価額を知るには、国税庁の公開資料や全国地価マップで路線価などをチェックするとよいでしょう。相続税や贈与税に関する土地の金額は、基本的に時価で計算されます。その際に路線価が高くなれば、相続や贈与で課税される不動産の評価額も上がり、結果的に納税額は増加すると考えられます。

逆に納税者が土地の評価額を下げて節税したいと思っても、土地の時価は変動するため、正確な金額を把握することは簡単ではありません。国税庁は、納税者による時価の把握が難しい点を考慮し、土地を評価する時の基準となる路線価と評価倍率を定めて発表しています。近年は、毎年の路線価などが同庁の公式サイトに掲載されているため、同サイトにアクセスすれば確認可能です。

また、全国地価マップでは、相続税路線価等のほか固定資産税路線価等・地価公示価格・都道府県地価調査価格も調べられます。路線価や土地の時価を把握して節税につなげるなら、国税庁のサイトや地価マップは参考になります。

国税庁 令和5年分の路線価等について (参照 2024-06)
一般財団法人資産評価システム評価センター 全国地価マップ (参照 2024-06)

路線価を活かした税金対策

路線価を活かした税金対策

路線価を活かした税金対策としては、生前贈与や配偶者控除が効果的な方法といえるでしょう

生前贈与

生前贈与は、生前のうちに自分の資産を親族などへ譲渡できる方法です。不動産の場合、自分が所有する土地・建物を、数年かけて配偶者や子・孫に贈与できます。税負担が相続税より少ない範囲で贈与を続ければ、トータルで節税することが可能です。路線価が下がり不動産の評価額も低下したタイミングで土地を譲渡した場合、贈与税の税額は軽減するでしょう。そのため、路線価の動きを見ながら贈与する時期を検討すれば、節税対策に役立つと考えられます。

配偶者控除

配偶者控除は、所定の条件を満たした夫婦間で不動産を贈与すると適用される贈与税の特例です。国税庁の資料によれば、具土地評価の見直し体的な条件は、結婚してから20年以上が経過しているケースと説明されています。また、適用対象は、居住用の不動産か居住地の購入費が贈与される場合です。路線価や自宅の評価額が下がった時に夫婦間で贈与を行えば、あまり贈与税は高くならないと考えられます。それでも所定の条件を満たすと、基礎控除に加えて配偶者控除も受けられるため、節税につながります。

国税庁 夫婦の間で居住用の不動産を贈与した時の配偶者控除 (参照 2024-06)

暦年贈与

暦年贈与は、贈与税が免除される仕組みを活用する節税対策です。国税庁の説明によれば、個人から財産を贈与された場合、取得者には贈与税がかかります。ただし、1年間に受け取った合計額が基礎控除額の110万円以下なら、課税されません。基礎控除額110万円は、不動産も適用対象に含まれるといわれています。そのため、路線価をふまえ年間の贈与額を基礎控除額の範囲内にとどめれば、贈与税は発生しなくなると考えられます。

国税庁 贈与税が係る場合 (参照 2024-06)

土地評価の見直し

土地の評価を見直すことも、相続税や贈与税で税金対策する方法の一つです。相続税や贈与税の計算では土地の時価が用いられ、土地の時価は年によって変わる可能性があります。すでに不動産の評価額を算出していても、改めて計算した金額は、以前と異なるかもしれません。路線価が低下している場合、土地の時価も下がり、相続税や贈与税の課税額が減少するケースも見られます。そのため、土地の評価額が高いと感じられる時は、見直してみることをおすすめします。

相続税路線価は誰に相談すればいい?

相続税路線価は誰に相談すればいい?

相続税路線価について疑問や不安がある場合、相続税や不動産関係の専門家に相談するのが得策です。

税理士

相続税の計算・書類作成や申告手続きに不安がある時は、税理士に相談すれば、適切なアドバイスを受けられると期待できます。税理士は、税に関する専門家です。税金関係の専門知識を有し、税務代理や税務書類の作成から税務相談まで幅広い業務を担っています。税金について何か知りたい場合は、気兼ねなく相談できます。

相続税について相談できる内容は、遺産の調査・遺産の評価や申告納税に関する問題です。不動産を分割相続した際、土地の形状や路線価の関係で納税額の計算が複雑になった時は、税理士にサポートしてもらえます。税理士の助力を得られれば、税額計算や申告手続きの負担は軽くなり、節税対策にもつながると考えられます。

不動産鑑定士

相続税路線価に疑問を感じた時、頼りになる相談相手は、不動産を専門的に扱う不動産鑑定士です。不動産鑑定士は、一般的に路線価や公示地価の評価に関わる職種といわれています。実際には、中立的な立場から土地や建物を鑑定評価し、公平な価値を見出す不動産の専門家です。具体的な業務には、地価公示のほか地価調査・固定資産税評価や相続税路線価等評価があります。

また、業務依頼があれば、遺産相続する不動産の価格を知りたいといった相談も受け付けています。不動産鑑定士には相続税路線価を公平に評価する知識があるため、不動産の相続前に相談すれば、正しい土地の時価を確認できるでしょう。なお、税理士と不動産鑑定士の専門分野は異なりますが、同じ事務所に在籍するケースも見られます。その場合、一つの事務所に足を運べば、相続税と路線価について各々の意見を聞けます。

費用の目安

税理士・不動産鑑定士に相談した場合、相談料の相場は、30分で5,000円ほどと考えるのが妥当でしょう。税理士の場合、顧問契約だけでなく単発契約でも相談できます。関連サイトの情報によれば、顧問契約の相場は年間で数万円~数十万円、単発契約は30分以内5,000円前後・1時間まで10,000円前後といわれています。

また、サイト情報によると、不動産鑑定士の相談料も30分あたり約5,000円が目安の金額です。さらに、不動産の鑑定評価も依頼すると、1件につき数十万円ほどの費用がかかると見られています。そのため、相続関係で単発的に数回ほど相談した場合、それぞれ数万円の相談料が発生すると考えられます。

土地評価額を下げるメリット

土地評価額を下げるメリット

不動産の相続や贈与で土地評価額を下げるメリットは、相続関係の税負担を軽減できるところです。

相続税・贈与税の節税

資産を相続・贈与する時に土地評価額が下がると、相続税・贈与税を節税するのに効果的です。不動産が道路に面している場合、路線価は土地や建物を評価する指標となり、税金の課税額を左右します。不動産の評価額が低くなるほど、相続関係の課税額は減っていきます。そのため、不動産の価値を見直して土地評価額を下げると、相続税・贈与税の負担を抑えることが可能です

固定資産税の節税

土地評価額を下げた場合、固定資産税を節税するのにも役立ちます。固定資産税は、土地・家屋をはじめとする、固定資産にかかる税金です。不動産を相続した時は、居住しなくても所有するだけで税金が課されます。不動産関係は、その評価額に応じて課税額が変わる仕組みです。この課税方法により、土地評価額が下がると固定資産の税額も低下するため、固定資産税を節税できるメリットがあります。

路線価は評価する時期によって変わる場合があり、必ずしも一定ではありません。そのため、不動産を相続・贈与する際は、正確な金額をチェックして節税に活かすことをおすすめします

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