上座・下座どっちがどっち?さまざまなシーン別のマナーを紹介

更新日:2023.06.23スタッフブログ

上座・下座シーン別マナー紹介

ビジネスにおいて応接室や会食などで人と接するときは、取引相手だけに限らず、社内においても上座と下座の理解が必要です。上座と下座のマナー違反をすると相手の気分を害する恐れもあるため、注意しなければいけません。何よりビジネスマナーを知らない非常識な人と見られてしまうことは、社会人としてマイナスとなります。本記事では、上座と下座の基本の位置やシーン別のマナーを紹介するので、ぜひ覚えて役立ててください

上座・下座の基本ルール

上座・下座の基本ルール

上座(かみざ)、下座(しもざ)とは、席に座る位置や席順のことを指します。テーブル席や座敷、会議室、車内などで複数人が座る場合、お客様や上司あるいは年長者が座る席が上座、お客様をもてなす側や部下あるいは年少者が座る席が下座です。

上座と下座の位置関係は、着席する場だけではありません。エレベーター、立食式のパーティーなどでも上座と下座があります。大切な取引先との接待の場では、常に上座となる位置にお客様を誘導し、もてなす側は下座に控えていなければなりません。

マナーにおいて上座・下座がなぜ重要視されるのか?

上座・下座がなぜ重要視されるのか?

上座と下座は対外的にも社内においても、ビジネスにおける重要なマナーとして認識する必要があります。日本は伝統や文化を重んじる国であり、上司と部下、先輩と後輩などの上下関係において礼節がかかせません。

また取引先、顧客などのお客様に対しても、失礼のないように丁重な対応が求められます。目上と目下、客と主人などの関係性において、上座と下座を間違えると相手を軽んじている、下に見ていると受け取られ、相手を怒らせてしまうこともあるのです。表立って怒りを表さなくとも、上座下座のマナーを知っている人なら不快に感じてしまうでしょう。

悪意のないマナー違反とはいえ、相手との関係性を悪化させかねません。それほどまでに上座と下座は一般常識として身につけておきたいマナーです。

上座・下座の基本ルール

上座や下座のルールは、席次や席順と呼ばれます。ここからは、上座と下座、それぞれの位置や順序について解説します。

基本は入り口から遠い奥の席が上座

席次のわかりやすい覚え方は、出入口から遠い席が上座、出入口に近い席が下座です。基本的に洋室でも和室でも、出入口から一番遠い奥の席が、最上位の人が着席する上座になります。反対に一番立場の下の人が出入口近くの下座に座ります。お客様や取引相手には、上座に座るべき人に「奥の席にどうぞ」と声をかけ、指を揃えて手のひらを上に向けて席を示すとスムーズです。

招待された側の場合は、案内された席に座るのがマナーです。洋室の場合、アームのついた1人がけソファや3人が座れる長ソファが置いてあると、席次に迷ってしまうこともあるでしょう。しかしこの場合も前述と同様、出入口から一番遠くの奥の席が上座になります。多くの場合、来客用として上座に長ソファが置かれています。

和室の場合も、出入口から一番遠い席が上座と考えていいでしょう。ただし床の間がある場合、床の間を背にしたときに一番近い席が上座となります。なお席次ルールは絶対的なものではなく、絵画や美術品を飾っていたり、窓から見える庭や風景が自慢だったりする場合は、よく見える位置が上座になるケースもあります。

「左上位」のしきたり

前述では出入口から一番遠くが上座であると説明しましたが、出入口が中央にあり、奥の席までの距離が同じ場合、どちらが上座になるか迷ってしまうケースもあるでしょう。このように部屋のつくりや椅子の配置によって席次の判断が難しい場合は、左上右下(さじょううげ)を基準にすることがあります。

左上右下は日本の伝統礼法で格の順序を表す言葉です。左側が上位右側が下位、能や歌舞伎、落語などの舞台から見て左が上手右が下手と呼ぶのも、左上位のしきたりに基づいたものです。このしきたりでは、並んだときに左側になる席が上座になります。

ただし、このしきたりはあくまでも日本国内で通用するものです外国では右上位とする国も多く、国際儀礼上のルール(プロトコル)では、日本とは反対の右上位となるため注意が必要です

着席順にもルールがある

会社組織でいえば会長、社長、副社長、専務などの役職の地位で、席順が決まります。その場にいる人のなかで、一番役職が上の人が一番奥の上座に座り、以下、役職順に着席して一番役職の下の人が下座に座ります。

同じ役職の人が複数人いた場合は、社歴(勤続年数)が長い人の席次が上という考え方が一般的です。同じ役職で社歴も同じ場合は、年齢が上の人が席次も上になります。つまり着席順に悩んだ場合は、役職、社歴、年齢の順に席次を決めるといいでしょう。

入り口が2つある場合の上座

出入口が2箇所ある場合は、出入りが多く騒がしい側の出入口から離れた、落ち着ける席を上座とするといいでしょう。

【シーン別】上座・下座の覚え方

4席程度の応接室ならすぐに上座と下座が判断しやすいですが、変則的なレイアウトや、部屋・会議室以外にも上座と下座を意識しなければならないシーンがあります。ここからは、シーン別に上座と下座の基本的な覚え方を解説します。

応接室での上座・下座

応接室では出入口から一番遠い奥の席が上座、出入口に近い席が下座になります。多くの場合、応接セットとして真ん中のテーブルを挟んで、3人がけのソファ、反対側に1人がけの肘かけ椅子が2脚設置されていることが一般的です。

ソファ(長椅子)と1人用の肘かけ椅子とでは、ソファの方が上質な席とされています。そのため上座になる側にソファが置かれていることがほとんどです。3人がけのソファの場合、出入口から離れた一番奥が上座になります。お客様が1人の場合は、長椅子の奥に座るよう案内します。和室の場合は、床の間に近い席が上座です。床の間が奥ではなく手前にある場合も、床の間を背にして座る位置が上座になります。

タクシーの上座・下座

タクシーでは、運転席の真後ろが上座になります。4人でタクシーに乗る場合は、1番立場の上の人が運転席の真後ろに、2番目は後部座席の乗り降りするドア側、3番目が後部座席の真ん中、4番目の下座が運転席隣の助手席です。

つまり、1番格上の人にタクシーに先に乗ってもらい、最後に降りてもらうことになります。若干の乗り降りのしづらさはありますが、運転席の真後ろが1番安全性が高いため上座になると覚えるといいでしょう下座に乗る人が運転手に行き先を告げたり、支払いを済ませたりします

エレベーターの上座・下座

エレベーターの扉が両開きの場合、操作ボタンは出入口に向かって右側に設置されているものがほとんどです。この場合、階数ボタンを押したり、開閉ボタンを押したりするのに1番便利な操作ボタン前が下座になります

上座は下座の真後ろ、つまり、エレベーター内から見て、後ろの右角です。順序で表すと、箱型のエレベーターの中から見て、右奥が1番の上座、次に左奥、その次が左手前、下座が右手前となります。お客様を案内する人は、下座に立ったときに真後ろのお客様にお尻を向けないよう、背中を壁に向けたり体を斜めにしたりなどの配慮が必要です。

列車の上座・下座

列車では1番よい席が上座となります。よい席とは人の出入りがなく、落ち着いて快適に乗車できる窓側です。窓側なら外の風景も楽しめます。3列シートの場合、真ん中が下座となります。対面式の席の場合、進行方向に向いた側の窓側が最上の上座、2番目の上座が進行方向とは逆側の窓側の席です。4人がけのボックスシートの場合、進行方向を背にした通路側が1番の末席であり下座になります。

丸テーブル・円卓の上座・下座

丸テーブルや円卓で会議をしたり飲食したりするシーンもあるでしょう。この場合、出入口から1番遠い席が上座です。席順は最上位の上座の左隣が2番目で右隣が3番目と、交互に左右に座ります。出入口に1番近い席が下座です。

上座・下座の基本ルールを身につけよう

上座・下座の基本ルールを身につけよう

基本的には、出入口から1番離れた席が上座の認識で間違いありません迷いやすいのが2番目や3番目でしょう。席次のルールを間違えてしまうと非常識だと思われてしまう可能性もあります。そうならないためにも席次のルールをちゃんと把握していない場合は、しっかりと基本ルールを把握しておくことが大切です。

なかには自慢の景色や調度品が1番よく見える場所を上座としている場合など、ケースバイケースで判断するシーンもあります。上座の概念は、相手を歓迎するおもてなしの精神からきています。本来の上座の位置と異なる場合は「ここからが一番よく見えますので」など一声かけて誘導するといいでしょう。

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