当事者意識を持って働くメリットとは
更新日:2023.02.17ビジネス豆知識当事者意識とは、自分が関わる物事に対して、「自分も責任者のひとりである」と自覚することを表す言葉です。多くの企業では、当事者意識の強い社員が求められています。当事者意識を持つメリットが分かると、仕事に対する姿勢が変わり、業績アップにもつながる可能性があるでしょう。そこで今回は、当事者意識の意味や特徴、強い当事者意識を持つメリット、また当事者意識を強めるポイントなどについてご紹介します。
目次
当事者意識とは
ビジネスシーンにおける当事者意識とは、自分が特定の案件に関わっている当事者であると自覚することです。仕事をするうえで当事者意識が重要視される理由や、当事者意識を持つことの難しさなどをご紹介します。
当事者意識の意味や特徴
当事者意識は、ある問題やテーマに対し、自分が直接の関係者であると認識していることを指す言葉です。ビジネスに限らず、さまざまな場面で使われます。当事者意識を持つことができれば、仕事に対して主体性や責任感を持って取り組めるようになる効果が期待できます。仕事への関わり方が積極的になり、真剣に業務に向き合うようになれば、結果としてパフォーマンスの向上にもつながるでしょう。
これらの特徴から、当事者意識は「責任意識」や「所有者意識」とも言い換えられます。英語に直訳表現はありませんが、類語としてcommitment (義務・責任)やsense of ownership(所有権・所有者)が使われます。
ビジネスシーンで重視される理由
当事者意識がビジネスシーンで重視される理由は、この意識の有無が責任感の大きさに少なからず影響を与えるためです。職場で仕事を引き受けた際、自分のなかに当事者意識があれば、多少なりとも責任感が芽生えます。責任ある立場であると自覚すればするほど、業務に臨む時の主体性は増していきます。
一方、当事者意識がない場合、責任感の生成は見込めません。職場で仕事を任されても、積極性を伴わないまま指示された内容を漠然と処理するだけになってしまうでしょう。従業員が当事者意識を持って主体的に作業することができれば、パフォーマンスや生産性の向上につながると考えられます。そのため、ビジネスシーンでは、当事者意識の強い人材が求められているのです。
職場で当事者意識を持つ難しさ
従業員が当事者意識の重要性を十分に理解していても、実際に強く自覚しながら業務を進めるのは簡単なことではありません。従業員が当事者意識を持ちにくい要因のひとつとして、仕事の全体像が見えにくいことが挙げられます。たとえば、ひとつのプロジェクトを達成するにあたって、複数のチームでそれぞれ細分化された業務を行うことがあります。
担当する業務によっては、単純作業を強いられることもあるでしょう。この場合、目標への関連性が分かりにくいため、当事者意識を持つのが難しいと考えられます。従業員に対して強い当事者意識を求めるなら、何かしらの工夫が必要になるといえるでしょう。
当事者意識を持つメリット
多くの企業では、当事者意識の強い人材が重視され、求められています。こちらでは、従業員が強い当事者意識を持つメリットをご紹介します。
積極的な姿勢が生まれる
強い当事者意識を持つメリットは、仕事に対して積極的な姿勢が生まれるところです。どれほど些細に思える業務でも当事者意識を持つと、自分の責任で進めなければいけないという気持ちが芽生えます。責任感を持って業務に向き合うことができれば、最後まで自分の力でやり遂げようという意識につながるでしょう。
「自分に責任がある仕事」と自覚していれば、指示された通り受け身的に作業するだけでは納得できないというケースも珍しくありません。また、単純に見える作業でも安易には周りに任せられなくなります。どうすれば自分の責任を果たせるかを考えながら業務に向き合うようになるため、主体性を持って積極的に取り組むようになるでしょう。
高いモチベーションが保たれる
業務中に高いモチベーションを保ちやすいところも、強い当事者意識がもたらす大きなメリットです。当事者意識が低いと、自分に割り当てられた仕事でもひとごとに感じてしまい、責任感の生成は期待できません。指示通り機械的に処理するだけでは、モチベーションの上昇にはつながらないでしょう。
一方、当事者意識が高いと、少しでも多くの成果を出そうという意識が働き、意欲的に仕事に取り組めるようになると考えられます。あらゆる業務に自分なりの目標を設定したうえで取り組めれば、モチベーションは高く保たれるでしょう。
効率よく作業を進められる
強い当事者意識を持つことで仕事へのモチベーションがアップすれば、作業効率が上がるメリットも見込めるでしょう。仕事へのモチベーションが低いと、作業に時間がかかってしまう傾向にあります。仕事の効率が悪ければ悪いほど、業績アップは難しくなるでしょう。
それに対し、当事者意識を持ってモチベーションを高く保ちながら業務に臨むと、作業に集中しやすくなると考えられます。また、仕事の期日を守るために業務の進め方を工夫するケースもよく見られます。作業効率が向上すれば、業績アップにもつながるでしょう。
当事者意識を高めるには
当事者意識は、作業効率や業績アップにつながると考えられます。従業員の当事者意識を高めるために、注意すべきポイントをご紹介します。
仕事の全体像を把握
従業員の当事者意識を高めるためには、仕事の全体像を把握してもらうことが大切です。ひとつのプロジェクトを進める際、業務を細分化し、複数の従業員で分担することがあります。担当する業務が、プロジェクト全体のなかでどのような意味を持つのか、その重要性が分かれば、当事者意識を持ちやすくなるでしょう。
明確な業務目標を設定
当事者意識を高めるには、明確な業務目標の設定が効果的です。担当業務の重要性を把握しても、何も目標がないまま作業すると当事者意識は徐々に薄れるといわれています。業務目標がはっきりしていると、単純作業でも目標に向かって手際よく進められるようになるでしょう。それぞれの作業で目標が成し遂げられると、達成感や充実感が得られるため、モチベーションの向上にもつながります。
職場内で信頼関係を構築
従業員の当事者意識を高めるためには、職場内での信頼関係の構築は必須と考えられます。たとえば、仕事を振り分ける時、与えられた業務内容に差がある場合、従業員への評価が反映されていると思われてしまうかもしれません。
簡単な仕事を任された従業員は「自分の評価が低いのではないか」と誤解し、当事者意識の低下につながる恐れがあります。このようなリスクを避けるにも、日頃から人事評価を含め職場内で十分に信頼関係を築いておくことが大切です。
情報交換は欠かせない
チームで仕事を進める際、従業員それぞれに当事者意識を高めてもらうためには、チーム内での情報交換が欠かせません。積極的に情報交換することで、自分が参加者の1人であると自覚する機会が増えるため、当事者意識を持ちやすくなります。こまめな情報交換によって、同じゴールを目指しているという仲間意識が芽生えることが期待できるため、チーム内の連帯感の強化にも有効です。
まとめ
従業員が強い当事者意識を持つようになると、自分の仕事に責任を持ち、最後までやり遂げる能力が身につきます。従業員一人ひとりの成長は、会社の業績アップにもつながるでしょう。職場の当事者意識の低さにお悩みの場合は、今回の記事を参考に、当事者意識を高める方法を試してみてください。
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