業務標準化で業務効率をアップ!メリットと進め方
更新日:2023.05.31ビジネス豆知識業務標準化は、各業務の手順や作業方法を均等化して、全従業員が同じ成果を出せるような状況にする方法です。有効に機能すれば、業務の効率化による生産性向上など多くのメリットを期待できます。これまで業務の担当者によって作業時間や業務成果に違いが生じていた場合、業務を標準化すれば問題解決に役立つでしょう。そこで今回は、業務標準化の概要を解説し、期待されるメリットや実際の進め方をご紹介します。
目次
「業務標準化」の概要
業務標準化は、従業員の区別なく同レベルの業務成果を生み出すために、仕事の流れや作業手順を統一することです。以下では、業務標準化の重要性や具体的な内容をご紹介します。
業務標準化の重要性
業務標準化は、さまざまな業務において担当者が変わった時の個人差をなくしレベルを一定に保つうえで重要なものです。一般の企業では、一つの事業やプロジェクトを進める時、多くの業務を複数の従業員で分担します。ただし、さまざまな事情から、同じ業務を最後まで1人の従業員が担当できるとは限りません。個々の業務の担当者が変わった際、以前より作業効率や仕事のクオリティが下がるのは問題です。
たとえば、子育てや体調不良などで最初の担当者が職場を離れた場合、仕事を引き継いだ従業員はこれまで通りのレベルで作業することを求められます。企業にとって、担当者の変更による仕事のレベル低下は望ましくなく、業務の標準化は重要と考えられています。
業務標準化の具体的な内容
業務標準化の具体的な内容は、大きく分けると「業務フローの標準化」と「タスクの標準化」の2種類です。業務フローの標準化は、仕事の流れを目に見える形で示して、誰もが情報共有できる状態にすることを意味します。これにより、仕事に関する全従業員の理解は統一され、担当者の変更後もスムーズに業務を遂行できると考えられます。
タスクの標準化は、各業務の手順や作業方法を統一することです。それぞれの業務の進め方がマニュアル化されれば、担当者によって作業効率や仕事のレベルが変わるリスクは減ると期待できます。ただし、業務の品質を常に一定レベルで保つには、全従業員が理解・実践できる明確なマニュアルを作成する必要があるといわれています。
「業務標準化」のメリット
業務標準化が企業にもたらすメリットは、生産性の向上をはじめ多種多様です。以下では、この手続きを実施した場合に期待できる主なメリットをご紹介します。
生産性の向上
企業の業務標準化により見込まれる代表的なメリットは、仕事の生産性向上です。社内の業務を標準化した場合、担当者が変わることで無駄な作業が生じる事態を避けられます。誰が担当しても無駄な作業を省ければ業務効率はよくなるでしょう。すべての業務が担当者に関係なく効率的に処理されれば、仕事全体の生産性は向上すると期待できます。
従業員の負担軽減
企業による業務標準化は、従業員の負担を軽減できるところも大きなメリットです。業務の標準化で全従業員が同レベルで作業を進められる状況になった場合、特定の個人に業務が集中する事態を避けられます。本来の担当者が体調を崩した時など、周りに頼れず無理に出社する必要はなくなるでしょう。さまざまな状況に応じて誰かが代役を務められる場合、それぞれの従業員にかかる負担は軽くなると考えられます。
モチベーション向上
仕事に対するモチベーションの向上も、業務標準化で期待されるメリットの一つです。すべての仕事について業務手順や作業方法が明確に示されると、従業員は個々の能力に関係なく働きやすくなります。これまで苦手に感じていた業務も、マニュアルを使ってスムーズに処理できれば自信につながります。業務標準化は各業務で従業員の自信を生み出す可能性があり、仕事に対するモチベーションを向上するのに効果的です。
業務スキルの共有
すべての従業員が必要な業務スキルを共有できる点も、業務標準化のメリットに挙げられます。仕事の流れや業務手順を一定レベルで統一した場合、全従業員は各業務で求められる必須スキルを共有しやすくなります。その結果、誰もが幅広い業務を担当することになれば、個々の従業員のスキルアップも望めるでしょう。そのため、従業員が業務スキルを共有できる業務標準化は、社内全体のスキル向上につながると評価されています。
仕事の品質向上
仕事の品質向上は、業務標準化による各業務の生産性向上や従業員のスキルアップを通して得られるメリットです。各業務の効率がよくなり作業時間が短縮された場合、さらに高い品質を追求する余裕が生まれると考えられます。また、全従業員が高いスキルで作業を進めれば、業務全体のクオリティは上がりやすくなります。個々の従業員のスキルが向上したなかで高い品質を追求するなら、仕事の品質向上は難しくなくなるでしょう。
社内の一体感強化
社内の一体感強化は、仕事の目標を従業員が共有することで期待できる業務標準化のメリットです。業務を標準化した場合、全従業員は同レベルの成果を求められます。誰が業務を担当しても共通の目標に向かって作業することになり、各々の従業員の間には同じゴールを目指す仲間として一体感が強まりやすくなります。
また、従業員の一体感が強まった場合、不測の事態が起きた時に業務を引き継ぎやすいところなども業務標準化の大きなメリットです。
「業務標準化」の進め方
業務標準化の進め方は、大きく分けると現状の分析・標準化する業務の選定・マニュアル作成の3つの流れです。以下では、これら3ステップで必要となることをご紹介します。
現状の分析
企業で業務を標準化する時は、最初に現時点の業務状況を分析することが必要です。この段階では、まず各業務の作業手順や生産性について情報収集するところから始めます。詳細な情報を集めるには、これまで業務を担当した経験がある従業員に幅広く話を聞く方法が有効です。
必要な情報を入手した後は、データ分析に進みます。データ分析では、担当者によって作業手順や業務効率に違いが見られるか、あるいは特定の従業員がいない時に業務が止まっていないかなどを調べます。さらに、以上のデータ分析をふまえ各業務が抱える問題を把握するところまでが、最初のステップの方法です。
標準化する業務の選定
各業務の問題点を確認したら、次は標準化する業務を選定する段階に進みます。いずれの業務を標準化するか検討する時は、現状分析で把握した問題の重要度について優先順位をつける必要があります。重要度の高い問題ほど解決が急がれるため、優先順位は上になります。
ただし、どの問題が重要視されるかは、企業によって異なるでしょう。業務によっては時間をかけて丁寧に作業することが求められる場合もあり、必ずしも業務の効率化が急がれるとは限りません。企業ごとに事情は異なるため、それぞれのニーズに応じて優先的に標準化する業務を選ぶことになります。
マニュアル作成
業務標準化で必要になる最終的なステップは、各種のマニュアル作成です。従業員によって業務手順や作業時間に差がある場合、効率のよい作業方法をマニュアル化することが望まれます。ただし、難しい作業方法は共有しにくいため、従業員のスキルレベルに対する配慮も欠かせません。
多くの業務が特定の従業員に集中している場合、周りの従業員によるスキルの共有が急がれるでしょう。ここでも、難易度の高いスキルは、全従業員が共有しやすいレベルで標準化することが大切と考えられます。
業務標準化の実施後は、マニュアルの定期的な見直しや改善が不可欠です。すぐに結果が出なくても、各マニュアルの見直し・改善を繰り返せば業務標準化の効果は上がると期待できます。
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