在宅勤務と相性の良いフレックスタイム制

更新日:2023.02.17ビジネス豆知識

在宅勤務のフレックスタイム制

現在は、多くの企業が在宅勤務制を導入しています。在宅勤務をスムーズに行い、作業効率を高めるためにおすすめなのが、フレックスタイム制を組み合わせることです。こちらでは、在宅勤務とフレックスタイム制のメリットや導入時のポイントなどをご紹介します

コロナ禍における在宅勤務のメリット

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い増加しているのが在宅勤務です。出社して仕事を進める勤務形態と比べ、感染リスクを軽減できる点が大きなメリットです

感染リスクの軽減

新型コロナウイルスの感染リスクは、人が集まる場所で高まると考えられています。高リスクの場所として取りざたされているもののひとつが満員電車です。通勤時間になると過密になる電車内で、感染対策するのは難しいといえるでしょう。少しでも感染する可能性を低下させるため、同じ時間帯に通勤する人数を減らすことが推奨されています。

在宅勤務できる企業の従業員が通勤しないことで、公共交通機関の利用者が減り、感染対策しやすくなるはずです。また、オフィス内のソーシャルディスタンスを保つためには、出社する人数を減らすのが効果的です。在宅勤務する社員が増えたら、その分、オフィス内が広く使えます。出社している社員同士がソーシャルディスタンスを保ちながら仕事できるでしょう。

固定費の削減

コロナ禍での不景気は、各企業へも大きな打撃を与えています。少しでも固定費を削減し、会社経営を維持したいと考えている方は多いのではないでしょうか。在宅勤務を行えば、社員の交通費が削減できます。交通費の負担が大きな企業ほど、効果を実感できるでしょう。また、オフィスを完全に引き払い、在宅勤務の社員のみを抱える企業も出てきたようです。そうなるとオフィスの賃貸料金を支払う必要がなくなり、固定費をさらに浮かせることができます。

新しい働き方の周知

副次的なものとして、在宅勤務の導入が働き方改革の呼び水となっているとの見方があります。これまで在宅勤務に否定的だった企業も、感染リスク軽減のために新しい働き方を始めることで、そのメリットに気づくケースが多いようです。多様な働き方のひとつとして、アフターコロナでも在宅勤務を続けていくことを認めた企業もあります。在宅勤務を取り入れることで働ける方が増えるほか、従業員の満足度向上も期待できるため、離職防止にもつながるでしょう。

フレックスタイム制を取り入れる企業の増加

在宅勤務には大きなメリットがある一方、導入できる企業は限られています。社員全員の設備を整えるコストや在宅勤務のために業務フローを変える手間などを考え、導入をためらう企業も少なくないようです。そもそも、出勤することが前提となる職業の場合は、在宅勤務は行えません。ただ、出社する場合もフレックスタイム制や時差出勤などで通勤時間をずらすことで、感染対策が行えます。

実際に、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、フレックスタイム制を開始した企業は増えたようです。すでに一部の社員のみにフレックスタイム制を適用していたところも、対象を拡大して、より多くの人が感染リスクを下げられるように配慮しています。

在宅勤務とフレックスタイム制を組み合わせるメリット

フレックスタイム制は、在宅勤務との相性が良いことで知られています。作業効率が上がるだけでなく、社員の満足度向上にも大いに貢献しているようです。

作業効率アップ

在宅勤務はオフィスでの仕事と異なる部分が多く見られます。オフィスと家でまったく同じ方法で働こうとしても、同じように生産性を維持することは難しいでしょう。在宅勤務での生産性向上に役立つのがフレックスタイム制です。時間を自由に使えるようになることで、効率的に作業を進めやすくなります。

たとえば、お子さんがいる家庭の場合、早朝に少し働いてから保育園へ送り、その後仕事を再開するといったスケジュールが可能です。勤務開始時間を固定しないことで、余裕を持って働くことができます。

社員の満足度向上

フレックスタイム制導入により在宅勤務時の途中退席が容易になることで、柔軟な働き方が可能になります。社員が働きやすさを感じれば、仕事に対する満足度も向上するはずです。従業員満足度の向上は、会社側にとっても大きなメリットがあります。プライベートと仕事の両立がしやすくなった社員は会社に魅力を感じ、定着率がアップすると考えられます。これまで確保することが難しかった人材の離職率低下につながるはずです。

企業のイメージ向上

フレックスタイム制と在宅勤務導入は、新規人材確保においてもメリットがあります。多様な働き方が認められている企業はイメージが良いため、これまでよりも多くの人材からの応募が期待できます。これからの時代を一緒に生き抜く従業員を採用するため、社内の制度を一新してみるのもひとつの方法です。

在宅勤務でのフレックスタイム制導入のポイント

オフィスでの勤務と勝手が違う在宅勤務では、フレックスタイム制導入にもいくつか注意したい点があります。従業員と企業双方にとって、有益な働き方ができるようマネジメントしていきましょう。

勤怠管理の徹底

元より、フレックスタイム制の勤怠管理は複雑です。そこに在宅勤務の要素が加わることで、さらに管理が難しくなります。社員が働いている様子を見られない在宅勤務では、正確な労働時間を把握するのが難しいためです。おすすめなのは、フレックスタイム制に対応したWeb勤怠管理システムの活用です。

それぞれのサービスによって使い勝手は異なるため、吟味して選びましょう。また、勤務開始や休憩開始をチャットで報告する、業務日報をつけるなどで、成果を見える化するのもおすすめです。従業員を監視する必要はありませんが、ルールを守って勤務できる体制をつくりあげましょう。

働きすぎ・働かせすぎに注意

在宅勤務の場合、さぼりが問題視されることもありますが、一方で働きすぎてしまう人も珍しくありません。従業員側はタイムマネジメントをしっかりと行い、働きすぎないように注意しましょう。企業側は、働かせすぎに気をつけることが大切です。できれば一人ひとりの状況を定期的にヒアリングし、仕事を抱えすぎていないか、ケアを行うのがおすすめです。

社員間でのスケジュール共有

時間が固定されているわけではないフレックスタイム制は、社員間でのスケジュール共有が重要です。在宅勤務が組み合わさることで、より使い勝手の良いシステムが求められるでしょう。おすすめなのは、Googleカレンダーなどのスケジュール管理システムを社員同士で共有することです。ミーティングの時間や中抜けの予定時間などを記載しておけば、見るだけで同僚のスケジュールを把握できます。

従業員同士のコミュニケーション促進

在宅勤務では、出社して顔を合わせている時ほどのコミュニケーションは取れません。意識して会話量を増やす、コミュニケーションの取りやすい雰囲気をつくるなどの配慮が必要です。フレックスタイム制の導入で個々の勤務時間がばらばらになると、さらにコミュニケーションが取りにくくなります。

確認事項や連絡事項などを共有したくても、相手が離席中で情報伝達が遅くなってしまったというケースは珍しくないでしょう。在宅勤務とフレックスタイム制を組み合わせる時は、社員同士がコミュニケーションしやすいシステムを構築することが大切です。たとえば、コアタイムに定期ミーティングを設けるとチーム内での報告が簡単になります。チャットで質問するほどではないと思ったことも、気軽に聞きあえるでしょう。

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