マイナンバーカードで確定申告する方法

更新日:2023.02.20ビジネス豆知識

マイナンバーカード

かつて、確定申告は必要書類を窓口に提出する方法が基本でした。いまは、通信環境が整備されたこともあり、申告データをインターネット経由で送信する方式が選べます。電子申告する方式はe-Taxと呼ばれ、そのひとつがマイナンバーカードを使う方法です。この方法はいろいろな手間を省けるため、時間の節約に役立つでしょう。忙しいビジネスパーソンは、ぜひこの方法で確定申告してみてはいかがでしょうか。今回は、マイナンバーカードを使うe-Taxの方法やそのメリットをご紹介します。

確定申告の基本

所得税の確定申告は、1年間の所得にもとづき国に納めなければならない税額を申告する手続きです。書類作成時にはマイナンバーの情報が欠かせません。

確定申告が必要になるケース

確定申告が必要になる主なケースは、個人事業を営んでいる場合や一定以上の副収入があった時などです。個人事業主の所得は、会社に勤めるのと異なり源泉徴収されません。あらかじめ月々の給与から自動的に所得税が納められるシステムではないため、自分で確定申告する必要があります。給与所得者は基本的に確定申告を求められませんが、副業による年間所得が20万円を超えると必要となります。本業で源泉徴収されていても、改めて申告手続きの必要が生じます。

いまはマイナンバーが不可欠

現在、確定申告する際にはマイナンバーが欠かせません。最近は、従来通りに紙の書類を作成する方法に加え、申告データをインターネットで送信する方式も選べます。ただ、いずれもマイナンバーの記載や専用機器による認証が不可欠です。マイナンバーは、通知カードかマイナンバーカードで調べられます。

いずれも手元にない場合、役所の窓口でマイナンバーが記載された住民票の写しを発行してもらう方法があります。マイナンバーカードがあれば確定申告の手続きを簡略化できるため、時間に余裕があれば交付申請しておくとよいかもしれません。

マイナンバーカードを使う「e-Tax」

マイナンバーカードを使うと、インターネット経由のe-Taxで確定申告できます。このインターネットによる電子申告の種類は、大きく分けてID・パスワード方式とマイナンバーカード方式の2つです。

e-Taxとは

e-Taxとは、インターネット経由で電子申告する方法を指します。かつて、確定申告はすべて紙の書類で処理されていました。この方法の場合には申告者があらかじめ必要書類を手書きで作成し、申告手続きの受付時期になると窓口に足を運ぶか郵送する必要があります。e-Taxを使うと、インターネットにアクセスできる通信端末からオンラインで申告できます。指示通りにデータ入力すれば書類作成は済み、自宅にネット環境が整っているなら窓口などへの外出も不要です。

ID・パスワード方式

ID・パスワード方式は、事前にIDとパスワードを取得する方法です。この方法なら、申告手続きそのものはインターネット経由で済ませられます。年度末で忙しいなか多くの時間や労力を費やして、受付窓口まで出向く必要はありません。ただ、この方式でe-Taxを利用するとなると事前にIDとパスワードの発行が不可欠です。この手続きの際には税務署で本人確認を求められるため、自分で窓口まで行かなければなりません。

マイナンバーカード方式

マイナンバーカード方式は、マイナンバーカードやICカードリーダライタを使って申告手続きを進める方法です。この方式も電子申告の一種であり、必要な機材が一通り手元にそろっていれば手続きを進められます。以前と異なり、必要書類一式を抱えて窓口を訪れる手間などはかかりません。ID・パスワード方式と違い、税務署でID・パスワードを事前発行しなくても大丈夫です。確定申告の時期に少しでも面倒を省くなら、この方式が適していると考えられます。

マイナンバーカード方式のメリット

マイナンバーカード方式の大きなメリットは、申告手続きに伴う手間の少なさです。

必要書類を手書きで作成する手間がない

マイナンバーカード方式は、必要書類を手書きで作成する手間がありません。かつて紙の書類は、手書きによる作成が普通でした。通常、公式書類では確定申告に限らず鉛筆書きが認められません。提出用の書類に記入する時には書き損じるわけにいかず、かなりの緊張を強いられました。マイナンバーカード方式は、通信端末の画面上で指示を見ながらデータを入力するスタイルです。誤入力しても修正は簡単であり、手書きよりストレスを感じることなく書類作成を進められます。

書類を窓口提出・郵送する手間がない

マイナンバーカード方式は、書類を窓口提出もしくは郵送する手間がありません。従来は、書類一式を窓口に提出するケースが一般的でした。郵送でも受理されましたが、受付会場では疑問がある時に質問できたため、多くの方は窓口での提出を選んでいます。マイナンバーカード方式の場合、インターネット経由で入力データを送信すれば作業完了です。時間をかけて窓口に向かう必要はなく、年度末でいろいろ多忙な時に貴重な時間を節約できます。

申告前に税務署を訪れる手間がない

今後のマイナンバーカード方式は、申告前に税務署を訪れる手間がありません。最近までは、e-Taxを利用する際に2つの方式ともe-Taxの開始届書の提出とID・パスワードの取得が必要でした。ID・パスワード方式の場合、税務署で対面式の本人確認も欠かせません。これからは、マイナンバーカード方式を選ぶと書類提出とID・パスワードの取得ともに不要です。手元にカードと機材があれば申告時にデータを作成・送信するだけで済み、手続きをスムーズに進められます。

手順や準備するもの

以下には、マイナンバーカード方式で確定申告する手順と事前に準備するものをご紹介します。

申告手続きの手順

マイナンバーカード方式による申告手続きの手順は、大まかに機材の準備とセットアップを済ませ、申告データを入力・送信する流れです。申告作業を始める時には、まず必要な機材一式をそろえます。e-Taxではインターネットを利用するため、マイナンバーカード以外にパソコンなどの通信端末が不可欠です。

確定申告書にデータを入力する時は、確定申告書作成等コーナーを利用します。それには、所定ソフトのインストールが必要です。国税庁が提供する事前準備用ファイルをダウンロードし、セットアップします。申告書類は、確定申告書等作成コーナーにアクセスしたうえでマイナンバーカードが認証されたら指示通りに作成します。申告データの入力を終えた完成書類は、電子申告用のデータとして保存可能です。一通りの作業を済ませ最後にe-Taxで申告データを送信すれば、確定申告の手続きは完了です。

事前に準備するもの

マイナンバーカード方式で確定申告する場合、事前に準備するものはマイナンバーカード、通信端末、ICカードリーダライタです。マイナンバーカードの交付には、申請から1カ月ほど時間がかかるといわれています。まだ取得していない場合は、早めに交付申請しておきましょう。通信端末としては、パソコンやスマホが使えます。ただ個人事業主の場合、現在はスマホでの申告が不可のためパソコンを用意しなければなりません。

ICカードリーダライタは、これまでマイナンバーカードの情報を読み込むのに必要であった機材です。今後はスマホでカード情報を読み取れる可能性があり、不要になるかもしれません。申告時に慌てないため、これらは余裕をもって準備しておくことをおすすめします。

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