傾聴力は電話応対で欠かせない!鍛え方のポイントを解説

更新日:2024.04.18ビジネス豆知識

傾聴力は電話応対で欠かせない!鍛え方のポイントを解説

ビジネスにおいて電話対応は欠かせません。電話中に電話先にいる相手の話を傾聴することで「伝えたいことを読み取ってもらえた」「自分の話を熱心に聞いてくれている」と好印象を持ってもらうことができ、顧客満足度につながるケースもあります。本記事では、傾聴力を高めるメリットや傾聴力をアップさせるポイントを解説します。ビジネス電話で傾聴を実践する際の具体的な方法も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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そもそも傾聴とは

傾聴とは相手の話に意識を傾けて、聴くことです。ここでは傾聴の語源などについて解説します。

傾聴の語源は象形文字

傾聴の語源は象形文字から変化したものです。傾聴の「傾」の字は、神に対し、身をかがめて拝む姿を表しています。次に、「聴」の字の左側(へん)は、耳を表しており、右側の旁(つくり)の方は、10の目・心の全身を表しています。これには耳、目、心を合わせ「身を乗り出し、全身を耳にして聞く」という意味があるとされています。また「聴」の字の旁(つくり)は、諸説あり、「10の目」の他に「14の心」という意味になります。

荘子の「和して唱えず」とは

中国古代に、荘子という思想家が著した荘子の話にある「和して唱えず」は、傾聴が何をもたらすかを教えるエピソードです。中国の衛の国に、哀駘它(あいだいた)という男性がいました。哀駘它は容姿や財産、権力、知識のどれにも恵まれていません。しかし哀駘它は、男女問わず慕われていたそうです。哀駘它がなぜ慕われていたかというと、「和して唱えず」の姿勢があったからです。

相手の話がどのような話であろうと、哀駘它は決して話の否定をせず受け入れます。そして哀駘它の「和して唱えず」の姿勢により、彼と話をした人は皆、心の痛みが軽くなったそうです。

医療現場・ホスピスでの実例

傾聴の例として医療現場、ホスピスでの実例をご紹介します。終末医療のひとつであるホスピスは、患者とその家族の心のケアを目的とするケアプログラムです。余命が残り少ない患者や家族は大きな悲しみ、怒り、苦しみなどに包まれ、気持ちの整理が難しい場合があります。

ホスピスの現場では傾聴が取り入れられています。余命が残り少ない患者やその家族の気持ちに寄り添い傾聴することで、患者本人やその家族の気持ちの整理や、悲しみなどを少しでも和らげようとしているそうです。

傾聴力を高めるメリットとは

メリットについて解説する講師

傾聴力を高めることは、良好な人間関係の構築や相手をより詳しく知ることができるなどのメリットがあります。傾聴力を高めると、相手が話しやすい状況をつくることができ、相手から「真剣に、自分の言葉を最後まで聞いてくれる人」と認識されます。

相手が話しやすい状況をつくれるようになると、相手の考えや気持ちを多く話してくれるようになり、相手に求められていることが把握しやすいでしょう。相手の悩みや問題の解決策が見つからなかったとしても「親身になって話を聞いてくれた」という事実があることで、相手から必要とされる存在となり、良好な人間関係を築けます。

ホスピスの例から学ぶ!傾聴を実践する際のポイント

ホスピスの例から傾聴を学んでいきましょう。下記で、傾聴を実践する際のポイントをいくつかご紹介します。

何を聴くのかを意識する

傾聴を実践する際のポイントは、何を聴くのかを意識することです。傾聴の「やり方」ではなく、傾聴の「目的」を理解することが必要です。患者の苦しい、悲しいなどの気持ちの部分を聴くことを意識しましょう。ホスピスを担当する医師は、悲しい、苦しいなど患者の気持ちを聴き、悲しみや苦しみを軽くする手助けをするのです。また電話対応の際は、通話内容から相手が何を伝えたいのかを探るため、丁寧に話を聴くことが大切です。

話を聴く理由を考える

ホスピスで傾聴をする目的は、患者の気持ちを軽くする心のケアです。したがって、ただ話を聞いているだけの形式的な傾聴をするのではなく、相手の話す言葉のなかに込められた思いを聴き取ることが大切です。電話対応の場合はお客様へ適切な回答をし、喜んでもらうことを目的とするといいでしょう。

適切な話の聴き方を考える

傾聴を実践する際のポイントとして、適切な話の聞き方をおさえておきましょう。ホスピスの場合、相手の話をそのまま受け入れる聴き方が好まれます。話し終えた患者が「自分の気持ちを理解してくれた」と感じてもらうことがとても重要となります。患者の話に対して解決策の提案や助言をするのではなく、患者の話を受け入れること、気持ちを理解することがとても大切です。

電話対応では通話内容から、相手が何を求めているのか会話をよく聴き、何を伝えたいのかを理解したうえで適切な回答をすることがポイントとなります。

ビジネス電話で傾聴力をアップさせる方法とは

講習会の参加者

傾聴力をアップすることで、ビジネス電話でも顧客満足度のアップが期待できます。ここからはビジネス電話で傾聴力をアップさせる方法をいくつかご紹介します。

相手に会話の主導権を握らせる・遮らない

ビジネス電話で傾聴力をアップさせる方法は、相手に会話の主導権を握らせること、相手の会話を遮らないことが重要です。電話口の相手を中心として会話を進めることで、相手の話を聴く時間が長くなり、相手の話を聴く時間が長いほど、傾聴するチャンスとなります。

会話の7割程度は相手の話す時間とし、ご自分が話すのは3割程度を意識するといいでしょう。また傾聴する際に相手の会話を遮ることはやめましょう。相手の発言に対して訂正を入れたくなることもあります。相手の話を最後まで聴き終わってから、訂正を入れるよう心がけることが大切です。

適切なタイミングで相づちをうつ

傾聴は相手を中心に話を聴くことが重要ですが、無言で話を聴くことは望ましくありません。傾聴する場合は、適切なタイミングで相づちをうつことで、相手に安心感を与えられるので、ポイントとしておさえておきましょう。

相手が使った言葉で返す

相手が使った言葉で返すことも傾聴する際には大切です。業界用語では「おうむがえし」とも言いますが、相手が使った言葉で返すことで、相手が伝えたいことを整理することができます。例えば「12月1日にアポイントを取りたい」と言われた際に「12月1日ですね」と返すことで、ご自分が聴き取った内容と相手の伝えた内容に相違ないかの確認と情報の整理ができ、トラブルを防ぐことにもつながります。

相手の反応を待つ

会話中の沈黙は焦ってはいけません。沈黙は、相手が話の内容など何かを考えている時間である可能性があるため、相手の反応を待ちましょう。

簡潔に要点をまとめる

要点を簡潔にまとめることを意識しましょう。着信を受けた際には、相手の話を聴き、要点を簡潔にまとめることで、会話がスムーズに進みやすくなります。反対に発信する場合は、相手に伝えたい要点をあらかじめまとめておくと、相手に伝わりやすいです。

声に強弱・抑揚をつける

電話での傾聴は、ご自分の表情や頷きなどのリアクションが伝わりません。声に強弱をつけたり、抑揚をつけたりしてご自分の反応が相手に伝わるようにしましょう。声の強弱や抑揚がないと話の内容が聞き取りづらく、相手が理解しにくい場合があります。

相手にあったスピードを考える

相手に合わせたスピードで会話をしましょう。例えばお客様が高齢者の場合、話すスピードが早いと理解してもらえない場合が多いため、ゆっくりと丁寧に話をすることが大切です。相手にあったスピードで話をすることで、お客様の満足する傾聴につながります。

電話応対での傾聴力を高めて良好な人間関係を築こう

傾聴とは相手の話に意識を傾けて聴くことです。傾聴力を高めることで、相手からの理解を得やすくなったり、良好な人間関係が築けたりするなどのメリットがあります。また電話で傾聴する際には、おうむがえしや相づちを使うこと、相手に合わせた会話のスピードや声の強調、抑揚をつけることも大切です。今回紹介した内容を参考に、電話応対での適切な傾聴を実践してみてください。

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