キャリアドリフトとは

更新日:2023.02.27ビジネス豆知識

キャリア

自分が理想とする人生を自分で設計することがキャリアデザインです。将来の自分ということを考える上では欠かせないのもキャリアデザインです。しかし、近年は自分で決めるというキャリアデザインではなく、キャリアドリフトという考え方が出てきています。今回はキャリアドリフトについて紹介します

「キャリアドリフト」

神戸大学 大学院教授の金井壽宏氏が提唱した理論です。仕事の経験を意味するキャリア(career)と漂流を意味するドリフト(drift)を合わせた言葉です。漂流するように流れに身を任せてキャリアを形成していくという考え方です。

ちなみに、キャリアデザインも金井壽宏氏が提唱しています。年功序列や終身雇用制度が基盤になっていた日本の企業ではキャリアは決めておくのが一般的でした。数年後の自分はどうなっているのか、どうしていたいのかを決めておくこと、いわゆるキャリアデザインです。

企業の研修でも短期、中期、長期で自分のキャリアプランをデザインするというプログラムが実施されました。自分がこれから歩む道筋を決めておいて、それに沿って進んでいくということが当然だという考え方もありました。

しかし、近年は変化の激しい時代になりました。キャリアデザインをしても環境の変化によってあっさりと崩れてしまう事も珍しくなくなりました。もちろん、キャリアデザインをすることは悪いことではなく大切なことです。ですが、市場の変化も激しいため、キャリアデザインをしたくても、市場の流れが読めなかったり、将来のビジョンが見えなかったりという時代になりました。

そのせいか、キャリアデザインをすることができないという人が多く出てきています。また、せっかくキャリアデザインを固めて社会に出ても、環境の変化によって変更せざるを得ないということも発生してきています。

それならば、自然の流れに身を任せるのが良いのではないかという考え方がキャリアドリフトです。
こういうとキャリアデザインは必要ないのではないかと思われる方もいるかもしれませんがそうではありません。ある程度おおまかにキャリアデザインをしておいて、偶然の出会いや予期せぬ出来事に対して柔軟に対応するということです。

流れに身を任せるのです。そして、人生の節目が訪れた際には自分のキャリアデザインを見直して修正するのです。変化の激しい時代では詳細にキャリアデザインをすることは難しくなりました。ある程度の方向性を持って人生を進め流れに身を任せる、そして、節目になれば立ち止まって考える。キャリアデザインとキャリアドリフトを繰り返すことで、自分の理想とするキャリアに近づくことができます。

キャリアドリフトのメリット

環境の変化に対応することができる

時代の変化に関わらず、人生とは予想外のことが起きるものです。想定外の出来事に柔軟に対応することができなければキャリアの可能性も狭くなってしまいます。想定外の出来事に惑わされて自分が作ったキャリアデザインとのギャップに苦しんでしまうことも考えられます。そうならないようにするためには、キャリアドリフトの考え方を頭においておくことです。想定していなかった出来事もチャンスと捉えるようにできることで環境の変化に対応することができます。

モチベーションの維持に繋がる

キャリアドリフトを頭においておくことで想定外の出来事が発生してもモチベーションを維持することができます。キャリアドリフトの考え方が頭にないと、自分がデザインしたキャリア通りに進まなかった時にモチベーションを維持することができず転職してしまうこともあるでしょう。そうなると自分が思い描いていたキャリアデザインからも離れてしまうことになります。想定外のことが起きることも考えて、ある程度流されるキャリアのあり方を受け入れることができればモチベーションの維持に繋がります。また、新たなチャンスが広がり、自分の可能性を拡げることもできます。

キャリアドリフトの注意点

キャリアドリフトは単独で考えるのではなく、キャリアデザインと一緒に考えましょう。ただ、流されていればいいというものではありません。自分にとっての節目を意識しておかなければ、節目に気が付くことなく流されてばかりになってしまいます。普段は流されていても構いません。それこそがキャリアドリフトの考え方です。しかし、節目には立ち止まってキャリアデザインをしなければいけません。キャリアドリフトとキャリアデザインの繰り返しが大切です。

人生の節目とはいつなのか

キャリアデザインで言う節目とは人それぞれ様々です。意識するポイントをピックアップします。

年齢

20代、30代、40代など年齢の節目にキャリアデザインを行う方法です。自分が目指すことや姿も環境と共に変化していくでしょう。キャリアドリフトしながら年齢の節目でキャリアデザインをするのが良いでしょう。

直感

自分はこのままで良いのだろうかと感じた時にキャリアデザインをしましょう。それがあなたの節目です。自分が感じた危機感を敏感に受け止めてキャリアデザインします。このタイミングでキャリアドリフトをするのではなく、キャリアデザインをするのです。

ライフイベント

結婚などのライフイベントがあった時もキャリアデザインをしましょう。家族との関わり方や仕事との関わり方など、多くの変化が発生する時です。あなたの人生の節目にあたりますから、キャリアデザインの再検討が必要です。

充実感と助言

今、自分は充実した人生を送ることができていないのではないかと感じた時も節目にあたります。また、あなたに助言をくれる人からの声も参考にしてください。助言をくれる人からは客観的な意見を聞くことができます。今が充実していないと感じるならば、キャリアデザインを見直す時期に来ています。

キャリアドリフトについて紹介しました。自然の流れに身を任せるという考え方がキャリアドリフトです。しかし、流されてばかりではいけませんので自分の人生の節目を意識して、節目にはキャリアデザインを再検討することが大切です。この機会にキャリアドリフトの考えを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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