ブレインストーミングで効率的なアイデア出し。
更新日:2023.03.15ビジネス豆知識ビジネスでは新しいアイデアが求められる場面が少なくありません。ひとりでアイデアを出すのが難しい場合には会議を行いますが、時間がかかったわりに良いアイデアが出なかったということも多いでしょう。特に日本では、多くの企業で無駄な会議が問題視されています。そんな場合におすすめしたい方法が、効率的にアイデアを出すための「ブレインストーミング」です。こちらでは、「ブレインストーミング」の概要や基本原則、事前準備などについてお話しします。
目次
ブレインストーミングとは?
「ブレインストーミング」とは、複数人でアイデアを出し合うことで独創的な発想を生む、会議の手法のひとつです。日本では「ブレスト」という略称も一般的に用いられています。アメリカの広告代理店「BBDO社」の副社長であるA・F・オズボーン氏が考案し、1953年に発行した自身の著書で提唱した手法です。
ブレインストーミングに参加する人数は定義されていませんが、通常は10人程度までの少人数が好ましいと考えられています。3人程度のチームに小分けし、最終的な結果を持ち寄るブレインストーミングも一般的です。また、ひとりでアイデアを洗練させていく作業もブレインストーミングと呼ばれることがあります。
ブレインストーミングの主たる目的は、それぞれのアイデアにある刺激で新しい発想を生み出すことです。すでに多くのアイデアが出尽くした状態でさらにアイデアが必要な場面や、新しい領域においてアイデアが必要な場面で多用されています。日本のビジネスシーンの会議でも使われることが多い手法のひとつです。
ブレインストーミングにおける4つの原則
ブレインストーミングは複数のアイデアから洗練された発想を生む手法ですが、やみくもにアイデアを出し合うわけではありません。ブレインストーミングには4つの原則があります。参加者には、以下の4つの原則を事前に周知しておきましょう。
批判しない・結論を出さない
ブレインストーミングでは積極的な意見交換を促すために、アイデアを「批判しない・可否の結論を出さない」という原則があります。そうした具体的な検討を行うのはブレインストーミングの次の段階です。もちろん、予算やリソースなどの問題から現実的ではないアイデアもあります。一方で、その場での結論付けや批判は、自由な意見交換が阻害されてしまうことも少なくありません。特に立場が強い方による結論や批判は、ブレインストーミングでは控えるべきです。
自由な発言を求める
ブレインストーミングにおいては、基本的にどんなアイデアでも歓迎されます。当たり前のアイデアも、荒唐無稽なアイデアも、ブレインストーミングでは貴重な要素です。そうしたアイデアから、今までない、かつ現実可能な発想が生み出される可能性があります。
自由で活発なアイデア交換を期待するうえで大切なのは、雰囲気づくりです。そのため、ブレインストーミングでは一般的な会議に見られるシビアな空気ではなく、笑い合ってリラックスできるムードをつくることが推奨されています。
アイデアの質よりも量を重視する
ブレインストーミングでは、アイデアの質は問われません。重要なのは少しでも多くのアイデアを出すこと。アイデアの質について精査するのは後でもかまいません。ひとつのアイデアについて深掘りしていくよりも、次々と角度を変えてアイデアを出すよう促しましょう。あるアイデアから連想して関連アイデアが生まれることもありいます。参加者には、粗野なアイデアでも積極的に発言するよう期待していることを伝えましょう。
出されたアイデアを統合して新しい発想を生み出す
出されたアイデアに関連したアイデアを出し、双方を統合して新しい発想を生むことも大切です。参加者には、ほかの参加者が出したアイデアに便乗して積極的にアイデアを出すことを求めます。「誰がアイデアを出したか」ではなく、チーム全体でアイデアを練り上げることがブレインストーミングの本質です。
ブレインストーミングの準備
上述したのはブレインストーミングの基本的な原則です。実際にブレインストーミングを行う際には、以下のポイントも意識していただくとスムーズに進行できるでしょう。
ファシリテーターを用意する
ブレインストーミングでは、「ファシリテーター」という役割の方が求められます。「ファシリテーター」とは、分かりやすくいえばブレインストーミングの司会進行役のことです。ファシリテーターの最たる仕事は、ブレインストーミングの雰囲気づくりです。上述したとおり、ブレインストーミングの参加者には他社のアイデアを批判しない姿勢や「質より量」の意見交換が求められます。ファシリテーターが率先してリラックスできる雰囲気を形成することが大切です。
最適なメンバーを選ぶ
ブレインストーミングでは、参加するメンバー選びが大切です。多様性のあるアイデアを期待するためには、メンバーの属性が重複しないように配慮する必要があります。年齢や性別、部署や経験などにおいて、可能な限りバラエティーに富んだメンバーを集めましょう。人数については3~10人程度が適切だと考えられています。あまりにも人数が多いとアイデアの取りまとめが困難になるため注意しましょう。
議題を決める
ブレインストーミングは自由なアイデア交換の場ですが、最低限「何について話すのか」が決まっていないとアイデアの収拾がつかなくなってしまいかねません。ファシリテーターをはじめとする主催者は、ブレインストーミングの議題を決め、参加者に周知しておく必要があります。
制限時間を設定する
長時間ブレインストーミングを行うと参加者の集中力が切れてしまうことがあります。続ければ続けるほど多くのアイデアが期待できますが、時間から考えると必ずしも効率的とはいえません。ブレインストーミングでは、あらかじめ制限時間を設定しておくのが一般的です。事前説明に5分、アイデア出しに15分、アイデアの総括に15分といったように、タスクごとに制限時間を決めましょう。
Webサービスを利用したブレインストーミング
会議室などの空間にメンバーが一堂に会するブレインストーミングが一般的ですが、Webサービスを利用して疑似的にブレインストーミングを行うこともできます。メンバーのスケジュールが合わない場合や、メンバーそれぞれが違う場所にいる場合におすすめの方法です。
ブレインストーミングに活用できる代表的なツールが、Web会議ツールです。ビデオ通話、音声通話などで、その場に集まっているかの様にアイデア交換が行えます。後でアイデアを取りまとめることを考えると、録画機能があるツールが適しているでしょう。
ドキュメントを共同編集できるツールもブレインストーミングに適しています。音声でのアイデア交換はできませんが、編集履歴がそのまま記録されるため書記を用意する必要はありません。メンバーそれぞれが好きな時間に書き込めるため、時間的な制約がなくなるというメリットもあります。
アイデアがすでに出尽くしてしまった状況でも、複数人が集まれば新たな発想が生まれるかもしれません。ブレインストーミングは効率的に複数人のアイデアをまとめていくための手法です。意思決定が必要な場面では積極的にブレインストーミングを行い、それまでにないアイデアの創出を目指してはいかがでしょうか。
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