南海トラフ地震への備えや対策のポイントとは
更新日:2024.08.28スタッフブログ日本列島は地震大国として知られており、南海トラフ地震はそのなかでもとくに高いリスクをもつ地震の一つです。南海トラフは、紀淡海峡を挟んで四国と本州の南方沖に位置し、地震活動が盛んな海溝です。万が一、南海トラフ断層帯沿いに大規模な地震が発生すると、それに伴う津波が日本全国に及ぶ恐れがあるといわれています。しかし、適切な備えと対策により、減災することは可能です。今回は、南海トラフ地震によって想定される被害と地震発生時の安全対策、今からできる地震の備えなどをご紹介します。
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目次
南海トラフ地震が起きた時に想定される被害
南海トラフ地震は、約100年周期で発生する可能性が指摘されています。過去の記録や研究によれば、南海トラフ地震が発生した際には、直下型地震が発生し、沿岸部を中心に大きな被害が発生すると考えられています。まずは、南海トラフ地震が起きた場合、想定される被害についてみていきましょう。
想定震度
南海トラフ地震が発生した場合、静岡県から宮崎県にかけての太平洋側沿岸部の地域で、震度7となる可能性があります。また、それに隣接する広い地域で、震度6弱から6強が観測されると想定されています。
想定津波被害
南海トラフ地震は震源が陸地に近いため、津波が陸に到達するまでの時間が短いことも特徴的です。関東地方から九州地方にかけての広い範囲で、10m超の津波が襲来すると想定されています。とくに高知県や静岡県では30m超級の大きな津波が生じる可能性が指摘されています。
さらに、四国から関東にかけての23市町村でも、20m以上の津波が発生する見込みであり、甚大な被害に見舞われるでしょう。津波の高さが3mを超えると住宅の流失が始まるとされているため、人への被害はもちろん、住宅地の家屋への被害も深刻です。
想定建物被害
南海トラフ地震が発生した場合、揺れや津波ではもちろん、液状化や地震火災、急傾斜地崩壊などで多くの建物に被害が及ぶと想定されています。発生エリアによっても異なりますが、全壊および焼失棟数は、東日本大震災の約18倍にあたる238万6,000棟ともいわれています。死者数も最大で32万2,000人ほどにのぼるといわれており、これは東日本大震災の約17倍の数字です。
ほかにも、電力や水道、通信などのライフラインの断絶や、交通インフラの破壊などが予測されています。地震による被害がなかった場合でも、食糧不足や情報不足により復旧に時間がかかってしまうケースも少なくありません。電車やバスなどの交通機関が機能しなくなれば、帰宅困難者で多くの人が路頭に迷う可能性も考えられます。
内閣府「南海トラフ巨大地震対策について(最終報告)~南海トラフ巨大地震で想定される被害~」
https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taisaku_wg/pdf/20130528_houkoku_s2.pdf
(参照2024-08)
減災のための安全対策
南海トラフ地震は、海洋プレートのひずみが原因で起こると予想されているため、完全に防げるものではありません。しかし、地震が起こることを前提として、その被害を最小限に抑えるために対策をしておくことはできます。ここでは、地震発生時に減災するため安全対策をご紹介します。
家屋の耐震化
家屋の耐震診断を受け、必要に応じて補強工事やリフォームを行うことで、地震に対する耐性を高められます。2000年(平成12年)以降に建てられた家屋は新耐震基準で建てられていますが、それ以前の建物は今の基準に満たない可能性が高いため注意が必要です。
家具の固定
背の高い家具や倒れやすい家具は、床や天井に固定しておきましょう。ガラス扉のついている棚などは、ガラス部分に飛散防止フィルムを貼っておくのもおすすめです。地震発生時は、家具の落下やガラスの飛散などによって負傷してしまうケースも珍しくありません。重いものや大きいものは、棚の上など高い場所に置かないようにしましょう。
避難場所や避難経路の確認
家族や同居人と、地域で定められている避難場所を確認し合い、避難経路や連絡手段について話し合っておきましょう。実践力を高めるために、実際に避難経路を歩くなど避難訓練を行っておくことが大切です。また、家族で防災会議を開き、災害時の安否確認方法や集合場所などを話し合っておくことも重要です。地震発生時に家にいない可能性や携帯電話が使えなくなる可能性を考え、地域の情報を収集しておきましょう。
防災グッズの準備
大地震が発生した場合、水道やガス、電気などのライフラインの断絶が予想されます。地震の規模によっては、復旧までに何日もかかる可能性もあります。ライフラインの断絶に備えて、懐中電灯やラジオ、非常用のバッテリーや充電器、応急処置薬など、防災グッズを用意しておきましょう。また、支援が遅れた時のために、非常食や飲料水など常備しておくことも大切です。賞味期限を定期的に確認し、いざという時に備えましょう。
地域とのつながりの確保
災害時は、自分の身は自分で守ろうとする自助の気持ちも大切ですが、近隣住民との助け合いが必要になることもあります。日ごろから近隣の方たちとコミュニケーションをとり、家族構成など知っておいてもらうことが大切です。とくに、身近にお年寄りや子ども、障害者など、支援が必要な人がいる場合は、災害時に支援が必要になった時に助け合うことにつながるでしょう。
災害時に使える情報サイトまとめ
南海トラフ地震をはじめ、災害が起きた時は、安全に対応するためにも正確な情報収集が重要になります。ここでは、災害時に使える情報サイトをいくつかご紹介します。
国土交通省 防災ポータル
国土交通省が運営している防災ポータルサイトは、災害対策の基本情報から地震・津波情報、避難情報などを提供しています。地震発生時には、最新の被害情報や被災者支援情報、安否情報などを確認できるほか、日ごろから確認しておきたい防災に関する情報も充実しています。
参考:国土交通省 防災ポータル
https://www.mlit.go.jp/river/bousai/bousai-portal/index.html
(参照2024-08)
おおさか防災ネット
お住まいの地域の防災情報サイトも確認しておきましょう。たとえば大阪府が提供する「おおさか防災ネット」は、大阪府内の防災情報を集約しています。避難情報や気象情報が市区町村ごとに確認できるため、災害時は重宝するでしょう。防災情報メールに登録しておけば、気象警報や避難情報など、防災情報が受信できます。
参考:おおさか防災ネット
https://www.osaka-bousai.net/
(参照2024-08).
東京都防災ホームページ
東京都防災ホームページは、地震発生時や事前の備えに役立つ防災知識が得られます。地震発生時は家にいるとは限らず、現在地から一番近い避難所を探さなければなりません。帰宅困難者になった時にとるべき行動や安否確認手段など、事前に確認しておきたい情報が満載です。東京都防災マップやハザードマップ、一時滞在施設など、災害時に役立つ情報が網羅されているため、確認しておくことをおすすめします。
参考:東京都防災ホームページ
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/
(参照2024-08)
ネットが使えない時は
大規模地震が起きた時は、インターネットの利用数が急増して各サイトにアクセスしにくくなるかもしれません。その場合、災害時に無料で開放される公衆無線LANサービス「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」も活用することをおすすめします。
まとめ
南海トラフ地震が発生した場合に想定されている被害や、事前に備えておきたい減災のための安全対策などをご紹介しました。内閣府によると南海トラフ地震は、今後40年以内に90%の確率で起こるともいわれています。地震の発生を防ぐことはできませんが、事前の対策で被害を最小限に食い止められる可能性はあります。災害時に想定されている被害をしっかり把握し、自分や大切な人を守るために対策しておきましょう。
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