エシカル消費とは?世界的注目を集める消費行動
更新日:2023.01.04スタッフブログエシカル消費は、倫理的な視点から地球環境や社会に関する問題に目を向けた消費行動です。環境問題や社会的課題の解決に向けた商品の購入・利用は、この消費スタイルに当てはまります。ただ、実践するとなると、どんな商品を選べばよいか迷うかもしれません。そこで今回は、エシカル消費の言葉の意味・実践時に必要な考え方・具体的な事例などをご紹介します。
目次
エシカル消費とは
エシカル消費は、地球環境や社会に配慮した消費行動です。環境問題が地球規模で深刻化するなか、世界の国々は消費行動の見直しを迫られています。以下では、エシカル消費の言葉の意味や世界的に注目を集める理由について解説します。
言葉の意味
エシカル消費のエシカルは、英語の「ethical」に由来する言葉です。本来の意味をふまえ、良識ある消費行動を指す場合に使われています。もともとethicalは、「倫理的」や「道徳的に正しい」という意味をもつ言葉です。エシカル消費を本来の意味通りに和訳した場合、「倫理的な・道徳的に正しい消費行動」と表現できます。
現在、世界で注目されるエシカル消費は、環境問題や社会的課題への配慮が感じられ倫理的と見られる消費行動です。地球環境に悪影響がないか、また社会に貢献できるか考えながら物品を購入・使用・処分するケースが該当します。以上の意味にもとづき、地球環境に優しく地域の活性化につながる良識ある消費行動はエシカル消費と呼ばれます。
世界的に注目を集める理由
エシカル消費が世界的に注目を集める理由は、地球環境や社会が直面する問題の解決に効果があると期待されるためです。物品を大量消費する生活が見直された場合、商品生産に伴うエネルギー資源の減少は防ぎやすくなります。また日々の生活でエネルギー利用が控えられCO2排出量が減れば、地球の温暖化を遅らせるのに効果的です。
昨今の社会的課題としては、長時間労働が挙げられます。消費者が労働環境の好ましくない企業からの商品購入を避けると、問題視された企業は環境改善に取り組む可能性が高いです。エシカル消費の効果に対する期待から、国連は2015年に採択したSDGs(持続可能な開発目標)の一つとして「つくる責任・つかう責任」を掲げています。
サステナブル消費との違い
エシカル消費とサステナブル消費の違いは、地球環境や社会への配慮があるかどうかの差です。上記の通りエシカル消費は、環境・社会に幅広く目を向けた消費行動を指します。エネルギー資源を節約するため物品を大切に使い続ける暮らし方も含まれ、サステナブル(持続可能)な消費につながるともいわれています。
一方、サステナブル消費は長く使える物品を積極的に購入するスタイルです。サステナブルには「持続可能」の意味があり、安心して暮らし続けられる生活環境の実現に重点を置いています。それぞれ地球環境・社会に対する配慮の有無に違いは見られますが、いずれも最終的に誰もが暮らしやすい社会を目指している点は共通しているといえます。
エシカル消費に必要な考え方
エシカル消費に必要とされる考え方は、「環境」「人・社会」「地域」への配慮から消費行動を見直す意識です。これら3つについて意識するポイントは、それぞれ異なります。以下では、具体的に何を意識する必要があるか解説します。
「環境」について意識するポイント
エシカル消費において「環境」について意識するポイントは、地球や生態系に優しいかどうかです。地球に優しいかは、商品に使われている素材で判断します。自然由来の原材料が使われている、あるいは廃棄後に自然界で分解しやすい場合は環境への負担が小さく地球に悪影響を与えにくいと考えられます。
生態系に優しい商品は、動物実験を行っていないケースが代表例です。他にも動植物に重い負担がかからない方法で生み出されたものは、生態系に対する優しさがあるといえるでしょう。エシカル消費で環境に配慮するには、以上のポイントを意識しながら購入品を選ぶことが大切になります。
「人・社会」について意識するポイント
「人・社会」について意識する時は、生産者やメーカーに着目することが重要なポイントです。農薬や化学肥料の使用を最小限にとどめる生産者・メーカーの商品を選ぶと、地球に優しい社会の形成につながります。また障害者が手がけた製品を買えば、代金の一部が寄付に回されるなど障害者支援に役立ちます。
フェアトレード製品の購入も、社会貢献になる選択肢の一つです。フェアトレードは、「労働者は労働に見合った対価を得られる」という理念を指します。この理念から生まれた製品を買うと正当な賃金が支払われ、不当労働の歯止めになります。人・社会に関わる課題を解決に導くには、生産者・メーカーとともに購入代金の使われ方も意識することが大切です。
「地域」について意識するポイント
「地域」については、地元産の物品の消費を心がけ地域の活性化につなげる姿勢が意識したいポイントです。豊かな自然に囲まれた地域では、周囲の環境から得られる自然の恵みを有効活用しているケースが多く知られています。地元の水や食材を使った商品がある場合、それらを選ぶと地域に貢献できます。
また長い歴史のある地元産業が生み出した品々を選択することも、地域を活性化できるエシカル消費です。なかでも古くから知られる工芸品を積極的に購入すれば、伝統の技を守ることにつながります。消費者が地元の特産品を強く意識する考え方は、地域にとって大きな支えになると期待できます。
エシカル消費の具体的な事例
エシカル消費を代表する具体的な事例は、「エシカルファッション」や「エシカル食品」です。いずれも、環境問題や労働問題を意識する特徴が見られます。以下では、それぞれの概要についてご紹介します。
「エシカルファッション」とは
「エシカルファッション」は、地球環境や労働者に目を向けて素材選び・生産・販売を進めるファッション業界の取組です。素材選びや生産・販売方法については、エシカルファッション推進団体が条件を定めています。主な条件としては、環境に優しい素材の使用に加えて生産時における化学物質の管理・汚染削減やリサイクルを視野に入れた販売スタイルが挙げられます。
エシカルファッションの普及は、素材栽培や生産品の染色で使われる薬品類を削減するのに有効です。また代金の一部は、衣類の製造に関わった労働者の賃金に当てられています。そのため消費者がエシカルファッションを取り入れれば、環境・労働問題の解決に効果を発揮すると考えられます。
「エシカル食品」とは
「エシカル食品」は、「エシカルファッション」と同じく地球環境や労働問題への配慮から生み出された食品類です。商品の生産時には、有機栽培やフェアトレードで得られた素材が選ばれています。さらに、製造過程では地球温暖化の主要原因となるCO2の排出量削減などに注意が払われています。
エシカル食品の目印は、「有機JASマーク」や「国際フェアトレード認証マーク」です。これらのマークがついている食品類は、農薬による環境汚染や労働賃金の問題を解決に導くエシカル食品と判断できます。近年は、食品業界を中心にフードロスの問題を懸念する声も増えてきました。日々の食材選びを通して食品関係の問題解決に貢献したいと考える場合、エシカル食品を購入・消費することはおすすめと考えられます。
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