中途採用で起こりうるトラブル事例と予防法
更新日:2023.06.02スタッフブログ最近は、多くの企業で即戦力になる人材を中途採用するケースが増えました。ただ中途採用には、新卒採用と異なる難しさがあるといわれます。面接時や入社後のトラブルを適切に処理するには、どんな事態が起こりうるか分かっていると役立つでしょう。またトラブル回避には、予防法を理解しておくと効果的です。そこで今回は、中途採用で起こりがちなトラブルをご紹介するとともに、トラブル発生時の対処法や未然に防ぐ方法を解説します。
目次
よく起こるトラブル
中途採用でトラブルが起こるシチュエーションは、大まかに分けると選考中と入社後の2パターンです。それぞれ、急に面接をキャンセルしたり入社日に来なかったりといったトラブルが目立ちます。
選考中に起こりがちなトラブル
選考中に起こるトラブルは、主に「突然の面接キャンセル」「求人情報の誤解」「内定の取り消し」の3タイプです。
突然の面接キャンセル
事前連絡のない突然の面接キャンセルは、多くの中途採用で発生しているトラブルの代表例です。このトラブルの厄介な点は、求職者から何も連絡がないため面接を辞退した理由が分からないところです。人事担当は面接キャンセルの原因を把握できず、どう対策すればよいか頭を悩ませています。
求人情報の誤解
求職者による求人情報の誤解も、選考中に起こりやすいトラブルに挙げられる事例のひとつです。求人サイトなどに掲載される情報は、必ずしも応募資格や採用条件が明確に示されているとは限りません。また掲載内容に問題がなくても、求職者によっては読み間違える場合があります。いずれにしても何かしら誤解があり、面接などで食い違いが生まれると、トラブルにつながる傾向が見られます。
内定の取り消し
内定の取り消しは、突然の面接キャンセルや求人情報の誤解と異なり、企業側に大きな責任があると指摘されるトラブルです。企業が内定を出した場合、求職者が承諾すると基本的に雇用契約は成立します。そのため、一方的な内定の取り消しは事実上の解雇に該当します。法律上、企業による任意の解雇は認められず、正当な理由説明が必要です。求職者が納得しないと問題は肥大化する恐れもあるため、内定を取り消す時は慎重に進める必要があるといわれます。
入社後に起こりがちなトラブル
入社後に起こるトラブルは、主に「入社日に出社しない」「経歴詐称」「給与条件の誤解」の3タイプです。
入社日に出社しない
中途採用された求職者が入社日に姿を見せないトラブルも、多くの企業が経験しています。このケースも突然の面接キャンセルと同じく、たいてい出社しない理由がはっきりと分かりません。体調不良あるいは不測の事態の発生まで考えられますが、連絡がないと対処は難しくなります。
経歴詐称
入社後には、経歴詐称が発覚するケースも見られます。詐称の中身によっては、解雇を検討する必要があるかもしれません。実際のところ、同じ詐称でも求職者が経歴を偽るレベルは人それぞれです。ただ、学歴や職歴の虚偽記載は重大な問題であり、人事担当は選考段階から慎重なチェックが求められています。
給与条件の誤解
給与条件に関する求職者の誤解も、入社後にトラブルへ発展する典型的な問題のひとつです。さまざまな採用条件のなかでも給与関係の誤解は、入社後もトラブルになるケースが目につきます。そのため中途採用する際、人事担当は食い違いを生まない配慮も欠かせません。
トラブル発生時の対処法
中途採用でトラブルが発生した時は、何らかの対処が不可欠です。いろいろな問題に繰り返し見舞われる場合、採用条件の見直しとともに面接・選考方法の改善が急がれると考えられます。
面接・内定を辞退された場合
求職者から面接・内定を辞退された場合、求人情報の中身や面接の進め方が原因で仕事に対するモチベーションを下げている可能性があります。その際は、まず採用条件などの見直しが大切です。優れた人材は、他社から好条件を提示されるケースも多く見られます。給与面だけに不満があるとは限らないため、福利厚生の充実も怠れません。
また、面接の進め方にも注意が必要です。面接官の態度が不快に感じられると、企業そのものに対する不信感を招くリスクは高まります。この点をふまえるなら、面接中は言葉遣いや話し方に配慮する姿勢が重要になります。すでに何度も面接・内定を断られている場合、求人情報や面接方法の見直しは急務といえるでしょう。
経歴詐称が発覚した場合
入社後に求職者の経歴詐称が発覚した場合、どの程度の問題があるか確認したうえで解雇が妥当かどうか慎重に検討する必要があります。経歴詐称は、求職者が何を偽っているかに関係なく企業にとって好ましい事態とはいえません。人事担当は、いずれの虚偽記載も放置せず迅速かつ適切に対処することが求められます。
ただ、すべて重大な過失と見るのは早まった考え方でしょう。企業ごとに判断基準は異なると考えられますが、それぞれの社内規定や職場のルールにしたがい検討を進めればスムーズに問題解決できると見込まれます。何も処分しないまま見過ごすと、経歴詐称した本人は反省また謝罪する機会を得られません。当事者のためにも、企業は適切に対処することが望まれます。
早期退職が続く場合
社内で中途採用した人材の早期退職が続く場合も、面接および選考方法からの見直しが必須です。新入社員や転職者が入社後に短期間で退職する時は、面接で抱いたイメージと職場の実態にギャップを感じていることがあります。近年は多くの企業が人手を求めている影響もあり、面接と話が違うと判断した際に早期退職するケースは増えています。
職場内で早期退職の流れが止まらない場合、面接段階で詳しく実情を伝えると事態の改善に効果的です。そのうえで十分に納得してくれた求職者を選べば、入社後のミスマッチに歯止めがかかると期待できます。さらに入社後は、周りのフォローも重要です。あらかじめ働きやすい環境を整えておくと、新入社員や転職者は職場に馴染みやすくなります。
未然にトラブルを防ぐには
中途採用のトラブルを未然に防ぐには、求人情報の明確化やスピード感のある業務処理が有効です。ただ内定を出すかどうかは、あくまで慎重に判断する意識が求められます。
求人情報の明確化
求人情報の明確化は、面接および内定の辞退をはじめ中途採用に伴う各種のトラブルを避けるうえで不可欠です。職場で人材募集する際、給与面に限らず一通りの採用条件を明確に示すと求職者の誤解を防ぐのに効果があります。企業にとって不都合な部分も伝えたほうが、プラス面ばかりアピールするより信頼感は高まると考えられます。
スピード感のある業務処理
スピード感のある業務処理は、優れた人材を確保する時に効果を見込める方法のひとつです。通常、ほとんどの求職者は複数の企業にアプローチします。優れた人材の多くは、すぐ採用が決まります。そのため確保したい人材であれば、早めに連絡を入れたほうが内定辞退のトラブルを防ぐのに効果的です。
慎重に判断する意識
中途採用するかどうか慎重に判断する意識は、内定の取り消しをめぐるトラブルや早期退職の回避に効果を発揮します。選考作業を急ぐ必要がない場合、求職者の性格や価値観が社風や職場環境に合っているかまで検討すると、内定を取り消す事態は起こりにくくなるでしょう。また、入社後のミスマッチ防止にも有効といえる方法です。
さらに採用後の経歴詐称の発覚を防ぐ意味でも、求職者に関する情報は面接時や選考段階で細かく確認しておくほうがよいと考えられます。急いで人員を補充したい場合もあると思われますが、焦って採用を決めないように気をつけましょう。
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