昼休みの行動はどこまで許される?休憩に関する規則

2020.03.17スタッフブログ
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昼休みは基本的に自由な時間です。ただ、実際は簡単な業務を依頼されることや、休憩場所や外出に制限が付くケースも珍しくありません。そこで今回は、昼休み中の行動についてどこまで許されるのか、制限される可能性のある行為は何かなど、法律的な観点も併せてご紹介します。

時計

労働時間と休憩時間

労働時間と休憩時間の関係について定めたのが労働基準法第34条です。まず第1項では、労働時間が6時間を超える場合は最低45分、8時間を超える場合は最低1時間の休憩を与えることを使用者に求めています。加えて、上記の休憩時間については第3項で以下の様に定められています。

使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

※出典:電子政府の総合窓口e-Gov「労働基準法」(https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049)

そのため、昼休みにプライベートな用事を済ませる、仮眠を取る、食事を取るなどの行為は基本的に問題ありません。

昼休み中の行動として制限される可能性があるもの

ただし、会社の秩序が乱される、ほかの従業員の休憩を妨げるなどの合理的な理由があれば、会社は昼休み中の行動を制限することが可能です。以下では、昼休み中の行動として制限される可能性のあるものをご紹介します。

制服を着用してのパチンコ

制服を着用したままでのパチンコは、昼休み中であっても制限される可能性があります。一般の方には、業務中と休憩中の区別がつきません。「従業員が仕事をサボってパチンコをしている会社」として企業の評判を下げかねないためです。

制服を着用する仕事なら、パチンコへ向かう前に私服に着替え、業務中と勘違いされない配慮をする必要があるでしょう。

会社パソコンの私的な利用

会社のパソコンをゲームやネットショッピングの様な私的な目的に利用するのも、場合によっては制限されるかもしれません。パソコンに限らず、会社の備品はすべて業務に使用することが前提です。そのため、会社の許可がない限り私的に利用するのは望ましくありません。

会社が予定していない使い方をすることで、ウイルスに感染するといったリスクも考えられます。

飲酒

昼休み中であっても、飲酒が認められるケースはほとんどありません。飲酒による判断能力の低下、ほかの職員に対する悪影響など、さまざまなデメリットが考えられるためです。企業秩序を維持するには合理的な措置といえるでしょう。

昼食や仮眠を取る場所の指定

各従業員がバラバラのタイミングで昼休みを取るケースの様に、衛生上や秩序維持の観点から昼食や仮眠を取る場所を指定するのも合理的な制限として認められるでしょう。

ただし、上記の制限を設ける場合は、従業員が不自由なく休憩を取るために休憩室を開放するといった措置が求められます。

過度な運動

昼休みの時間に適度な運動やストレッチを行うことで、気持ちをリフレッシュし、午後からの業務の活力になる方も多いでしょう。ただ、運動の内容が激しくなる通りフレッシュを超えて疲労につながり、かえって午後からの業務に支障をきたす場合もあります。

そこで、休憩時間の過度な運動について制限するのは、企業の合理的な措置として認められるでしょう。

休憩時間の過ごし方が問題となった判例

過去には、休憩時間の過ごし方が原因で懲戒戒告処分となり、裁判にまで発展したケースもあります。職員が休憩時間に休憩室と食堂でベトナム戦争反対のビラを配った事件(電電公社目黒電報電話局事件)では、上記行為がほかの従業員の自由な休憩時間の利用を妨げた点、その後の作業能率を低下させる可能性があったことなどを考慮し、当該職員に下された懲戒戒告処分を適法としました。

つまり、企業は休憩時間中の行為についても秩序維持の観点から一定の制約を設けることが可能で、違反した方には処分を下せるということを示しています。

制限を設けるにあたって企業が注意すべき点

ただ、労働基準法でも認められている通り、基本的に休憩時間は自由な時間であるはずです。そのため、企業が休憩時間中の行動に制限を設ける場合、注意すべき点がいくつかあります。

正社員と非正規社員の待遇差

現在は、非正規社員の割合が増加しており、正社員だけでは業務を回せない会社も少なくありません。そこで問題となっているのが、正社員と非正規社員の待遇差です。

例えば派遣社員の場合、労基法の一部が派遣先の事業主を使用者とみなして適用されます。そのため、派遣社員も派遣先の社員と同様に休憩を取る権利があります。非正規社員であることを理由に特別不利な制限を設けることはできません。

また、企業によっては休憩室や食堂の利用を正社員に限る、といった措置を行っている様です。労働契約法の20条では不合理な労働条件の禁止を掲げており、休憩時間の行動制限として認められない可能性が高いです。

昼休み終了5分前の着席は違法

労働基準法で定められている休憩時間とは、労働者が完全に労働から離れている時間を指します。そのため、たとえ業務を行っておらず待機している時間でも、すぐに作業に取り掛かれる状態にいる場合は休憩時間とは認められません。労働時間と扱われ、賃金の支払いが必要です。

上記の理由から、昼休みの終了5分前に着席することを義務付けるのは、休憩時間の消化として認められません。場合によっては追加の賃金を請求されるでしょう。実際に業務を行ったかどうかは関係ないため注意が必要です。

同様の理由から、昼休み中の電話応対も労働時間に入ったとみなされる場合があります。休憩中の従業員が電話応対しなくて済む労働体制を築く必要があるでしょう。

休憩時間をなくして帰宅時間を早めることはできない

労働者のなかには、休憩時間をなくして仕事を片付け、少しでも早く帰宅したいという方もいるでしょう。しかし、この要望はたとえ従業員側からの希望があっても認められません。

労働基準法34条では、一定の労働時間を超える方には休憩時間を与えなければ「ならない」と定めており、義務であることが分かります。そのため、休憩時間を与えるか与えないかについて、使用者や労働者に裁量は認められていません。

休憩時間が不要になるのは、あくまで労働時間が6時間を下回る方のみです。

外出禁止は違法

昼休みやほかの休憩時間は、基本的に労働者の自由な時間です。労働基準法第34条第3項が、休憩時間を自由に利用「させなければならない」と規定していることからも分かります。そのため、休憩中の外出を完全に禁止するのは違法です。就業規則に記載のある場合でも、従業員は従う必要がありません。

ただし、従業員の安全確保や秩序維持のために、外出を許可制や届け出制にすることは違法ではないとされています。許可制や届け出制を採用している企業で、届けを提出せずに外出した場合、懲戒処分を受ける可能性があるため注意しましょう。

昼休み中に労働を命じられた場合

上司から昼休み中に労働を命じられた場合、「休憩中のためできません」と断れるのが一番です。しかし、はっきり断ると角が立つケースも多く、聞き入れてもらえないことも少なくありません。

そんな時は、命じられた業務内容とかかった時間や日時、上司の言動などをメモしておきましょう。退職時に未払い賃金を請求する際や、労働基準監督署に訴える時の重要な証拠になります。

労働時間に見合った休憩時間の確保は、使用者の義務であり労働者の権利です。効率よく業務を行うためにも、労働者は適切な休憩時間と環境を整えましょう。また、労働者にもほかの従業員の休憩を妨げないという責任が発生する点を忘れてはいけません。

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