エレベーターのセキュリティとメンテナンスのあり方
更新日:2022.05.06スタッフブログエレベーターは、マンション生活の利便性を左右する重要設備。万が一、故障が発生すれば住民生活に大きな影響を及ぼします。エレベーターのセキュリティシステムや点検方法は、どうなっているのか気になるところ。そこで今回は、マンションのエレベーター管理について詳しくご説明します。
目次
マンションでの生活を支えるエレベーターの管理
マンション・エレベーターの点検方法とは?
エレベーター所有者には、建築基準法に基づき、年に1回の定期点検が義務づけられています。建築基準法第12条3項では、「エレベーター所有者は、国土交通大臣が定める基準に適合しているかの検査を、6ヶ月~1年ごとに昇降機等検査員の作業によって行う」旨が定められています。所有者は定期検査の結果に基づき、定期検査報告書を作成。特定行政庁に報告しなければなりません。
これとは別に、エレベーターは月1回の保守点検も必要です。建築基準法第8条に基づくもので、人を乗せて運ぶエレベーターには性能維持と安全保持が強く求められます。不測の事故を防ぐためにはこまめな検査が重要で、エレベーターの電気系統や部品の性能、劣化具合などを、専門の技術者がチェック。保守点検によってエレベーターの安全性を確認することも、所有者・管理サイドの大切な務めです。
一般的に、エレベーターの維持管理は保守管理会社と契約を結び、定期検査と保守点検を実施します。
修理の目安は?
エレベーターの部品やケーブルなどの耐用年数は、一般的に20年前後と言われます。そのため、20年を超えると大がかりな修理・交換作業が必要となるでしょう。
小さな部品などは10年くらいから故障が目立つ様になり、ベアリングの交換・巻き上げ機の解体修理を必要とするケースが多いです。ケーブルの損傷も見られる様になり、これも10年程度で交換となるかもしれません。定期検査や保守点検などで「要是正」と判定されれば、所有者や管理会社は適切に対処しなければなりません。
エレベーターの管理責任は?
マンションに備え付けられたエレベーターの管理責任については、建築基準法第8条(維持保全)に定められています。その内容は、「昇降機の維持保全の義務は所有者または管理者にある」。エレベーターの事故件数は、年々増加傾向にあります。マンション住民の快適な生活を守るためにも、マンションの所有者または管理会社は、法令に基づきその責任を負い、定期的な点検とメンテナンスに努めなければなりません。
エレベーターのセキュリティ・サービス
エレベーターの維持管理では、定期検査や保守点検以外にも、緊急時対応のためのセキュリティシステムが必要不可欠です。どの様なセキュリティ・サービスがエレベーター設備に対して行われるのか、以下にまとめます。
24時間365日監視サービス
自動診断運転や遠隔監視、異常診断、故障部分の遠隔復旧、閉じ込め時の救出などのサービスは、24時間365日監視で行われます。地震などの災害でいつ何時エレベーターに異常が発生するか分かりません。エレベーターのセキュリティは、24時間365日いつでも見守る体制作りが重要です。
エレベーターの24時間遠隔監視は、何らかの故障や不具合などでエレベーターが動かなくなった場合、オートメーションで電話回線を通じて危機管理センターに異常を通知するシステムです。その情報は保守点検員に一早く知らされるため、迅速復旧が可能となります。
たとえエレベーター内に人が閉じ込められても、管理センターの係員との通信が電話回線によって可能で、住民の不安を大きく軽減してくれます。異常事態の発見と通知、保守作業員による復旧、オペレーター対応と、すべての工程を24時間体制で対応するサービスです。
サービス階切り離し運転
管理者のスイッチ切り替え操作により、エレベーターが特定の階を通過できるシステムです。たとえば、2階の部屋がオフィスだとして、夜間は誰も出入りがないとすれば、その時間帯は停止せず通過できると言うもの。サービス階の変更が生じた際も、管理者の判断で自由に停止・不停止の設定が可能です。必要最低限の動作設定をすることで、消費電力やコストの節減につながります。
24時間監視の防犯カメラ
エレベーター内部もしくは外に防犯カメラを取り付け、24時間監視するのも、大切なセキュリティ業務です。防犯効果があり、住民の安心にもつながることから、導入する管理者も多いです。
望ましいエレベ-ター管理のあり方は?
エレベーター設備を管理するのは、マンションの管理会社もしくはオーナーの大切な務めです。建築基準法に基づく定期検査・保守点検が大切なのはもちろん、緊急時に備えた体制の構築が望ましいのは言うまでもありません。
事故の確認時に必要な確認項目シートの作成、初動対応を定めたマニュアル、食料や衣服などの補給品完備、救護活動に関する必要な技能訓練など、緊急事態がいつ起きても迅速に対処できる様な体制作りが必要不可欠。住民保護の観点を大切に、セキュリティを考える姿勢がエレベーター所有者・管理会社には求められます。
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