ビジネスフォンの歴史について

更新日:2022.05.06スタッフブログ

企業で活用されるビジネスフォン

今では、オフィスに1台はあるといわれるビジネスフォン。内線機能と外線機能を共有させる技術の誕生によって生まれた電話機は、次々に新しい機能を追加し、今なお進化を続けています。今回は、ビジネスフォンの進化の過程を振り返り、改めてその利便性と機能性にスポットを当ててみます

オフィスにあるビジネスフォン。その歴史とは

ビジネスフォンの成り立ち

ビジネスフォンを簡潔に説明すると、内線機能外線機能共有させた電話機のことです。ビジネスフォンには、内線と外線をつなぐ「主装置」と呼ばれる小型の交換機があり、少ない回線を多数の内線電話機で共有します。外線・内線の切り替えや電話帳番号データの記憶機能を有します。家庭用電話機にはない多機能性と充実したサービスで、多くの企業で活用されています。

電話の誕生当初、そのスタイルは「外線電話」と「内線電話」に分類されていました。外線電話とは、公衆回線を使って外部と連絡するもの。内線電話は、内線専用の回線や構内交換機、主装置の使用で、公衆回線なしで連絡網を築くタイプの電話です。内線電話は私設電話とも呼ばれ、電話料金がかからないなどのメリットも手伝い、企業内通話などに多用されていました。

それが通信技術の発達により、内線管理の主装置に公衆回線が接続され、外部との通信機能を併せ持つ電話機が誕生しました。今につながるビジネスフォンのはじまりです。

ビジネスフォン進化の過程

1950年代~1970年代まで

通信の発達による利便性の向上にともない、企業の間で急速に普及した私設電話(内線電話)。『ステップバイステップ交換機』の誕生により、加入電話(外線電話)と私設電話の接続が可能となります。やがて内線相互の交換も、交換手による手動交換から自動交換に切り替わり、『クロスバー交換機』の登場によって「内線→外線」の発信がオートメーションで可能となりました。その後、加入者線に電話番号を追加し、認識させる『ダイヤルインサービス』の開始にともない、外線電話から交換手を介さずに内線電話へ着信する技術も生まれました。

1980年代

1980年代以降、ビジネスフォンは急速な進化を遂げ、どんどん多機能化が進みました。それを可能としたのが、NTTが1988年に開始した『ISDN回線サービス』です。

それまでの電話回線はアナログ回線で、「1回線=1通話」で利用されてきました。それがISDN回線サービスにより、「1回線=2通話」が可能となったのです。つまりデジタル信号を利用した回線サービスの誕生です。電話機能が電子化・デジタル化された流れは、そのままビジネスフォンの進化と重なります。現在、多くのオフィスにある多機能型のビジネスフォンの原型は、この時すでに確立されていたのです。

導入されたビジネスフォン

1990年代

1990年代前半、インターネットサービスが日本でも広がりはじめます。当初はダイヤルアップ接続だったのが、2000年にはアナログ回線を使用した『ADSLサービス』が開始され、インターネット環境の快適度は飛躍的に向上しました。数年後には、インターネット回線を利用して通話できる『IP電話サービス』がはじまります。

通信技術の発達は、ビジネスフォンを取り巻く環境にも大きな影響を与えました。ビジネスフォンの各メーカーは、ISDN回線に対応した新機種を次々に売り出し、ビジネス環境における通信サービスの利便性は大きく向上。オフィスサービスとしてビジネスフォンが根付いたのは、この時代といって良いでしょう。

2000年代

ADSL技術が通信業界に革新をもたらしたかと思えば、それから5年もたたないうちに光ファイバーが登場。それにともない誕生したのが『ひかり電話』です。

ひかり電話の誕生当初、通信品質が悪く、企業のサービスレベルに達していないことから、ひかり電話を使ったビジネスフォンの導入はなかなか進みませんでした。そこでNTTは、ひかり電話の信号をアナログ信号とデジタル信号に変更する機種を開発。『ひかり電話アダプター』として販売されました。ひかり電話をうたうものの、実際にはアダプターを使ってひかり回線の信号をアナログもしくはデジタル信号に変換させているのが特徴。ちなみに、型番の「a」はアナログ変換、同じく「i」はデジタル変換するためのアダプターを意味します。

やがてひかり電話の通話品質も向上したことで、アダプターを使用しないひかり回線ユニットの提供がはじまります。NTT『GXシリーズ』、NEC『AspireX』、日立『iA』などのタイプは、いずれもひかり電話に対応したユニットです。

現在のビジネスフォン

現代社会において、ビジネスフォンのあるオフィス風景は今や当たり前となっています。単なるオフィス機能を充実させるサービスだけでなく、セキュリティ機能搭載型や、スマホとの連携サービス、または見た目がスタイリッシュでデザインにもこだわったユニークなタイプまで、実にバラエティに富んでいます。
今も進化を続ける一方、ビジネスフォン市場には現在でも十分通用するクオリティの中古機種が多数出回っています。ビジネスフォンはその誕生当初から、常に高機能サービスを提供してきたことの表れといえるでしょう。

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