ヘルプデスクとは?コールセンターができること
更新日:2023.10.23電話代行ヘルプデスクの中心業務は、ITシステムの運用をサポートすることです。有効に機能すればシステム運用の円滑化につながるため、近年のビジネスシーンで注目を集めています。ただし、業務内容が類似するコールセンターなどと明確に区別しないと、それぞれの窓口を設置した時に混乱を招くかもしれません。そこで今回は、ヘルプデスクの概要やコールセンターなどとの違いをご紹介します。
目次
ヘルプデスクの概要
ヘルプデスクは、主にIT関連の円滑なシステム運用をサポートする業務です。社外および社内から質問やトラブル発生の連絡が入った際、電話やメールで対応します。以下では、ヘルプデスクの基本的な役割や業務内容をご紹介します。
基本的な役割
ヘルプデスクの基本的な役割は、社外の顧客や社内の従業員によるITシステムの運用を知識・技術面でサポートすることです。ITシステムを運用する場合、専門的な知識や技術が必要になります。とはいえ、誰もが複雑な仕組みに通じているわけではありません。IT分野に詳しくない顧客から質問を受けた時、ヘルプデスクはシステムの使い方について案内する役割を担います。
また、ITシステムは、社内で運用中にトラブルを起こす場合があります。システム障害は会社の仕事を滞らせる可能性があり、迅速な対処が不可欠です。システム上のトラブルについて社内から連絡が入ると、ヘルプデスクは社員に対処法を伝えます。職場によっては、社内ネットワークや業務用サーバーなどIT基盤の監視もヘルプデスクの役割と考えられています。
主な業務内容
ヘルプデスクの主な業務内容は、「社外ヘルプデスク」「社内ヘルプデスク」「監視オペレーター」の3つです。
社外ヘルプデスクは、社外からのお問い合わせに対応する業務を指します。会社がITを用いたサービスを提供している場合、サービスを利用する顧客から質問が寄せられた時は質問内容に応じて回答します。
社内ヘルプデスクは、社内の従業員から連絡があった時に対応する業務です。会社で運用するITシステムにトラブルが発生したと連絡が入ると、問題解決に向けた手続きをサポートします。監視オペレーターは、社内のIT運用に関わる基盤システムを監視する業務です。監視対象には、ITシステムを構築するサーバー、ネットワーク関連のシステム、業務で活用しているアプリケーションなどが含まれます。
実際にITシステムを運用するのは社外の顧客や社内の従業員であり、ヘルプデスクはシステム運用を円滑化するためのサポート業務を担当します。ヘルプデスクのレベル向上は、ITシステムを円滑に運用するうえで欠かせない重要な要素です。そのため、多くの会社ではIT分野の知識・技術レベルが高いヘルプデスクの育成に力を入れています。
業務で必要な能力・スキル
ヘルプデスクの業務では、コミュニケーション能力とIT関係のスキルが必須です。また、トラブルへの対処力などが求められるケースも見られます。以下では、ヘルプデスクに必要とされる主要な能力・スキルをご紹介します。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、ヘルプデスクがITシステムの円滑な運用をサポートするうえで不可欠です。ヘルプデスクは、ITシステムについて質問やトラブル発生の連絡を受けた時、迅速かつ的確に対応する必要があります。電話対応などで適切に回答するには、何が問題になっているか上手にヒアリングすることが大切です。
ヘルプデスクのコミュニケーション能力が高いと、ITシステムに関する質問の内容やトラブルの状況を聞き出しやすくなります。そのためコミュニケーション能力は、ヘルプデスクにとって重要性が高いと考えられています。
IT関係のスキル
IT関係のスキルも、ヘルプデスクがITシステムの運用を円滑化するのに欠かせない要素です。ヘルプデスクには、ITシステムについて社外および社内から多岐にわたる用件で連絡が入ります。基本的な知識を伝えれば済むこともあれば、高度な専門技術が求められるケースも見られます。
社外の顧客や社内の従業員の多様なニーズに応えるには、IT分野の幅広い知識・技術が必要です。そのためヘルプデスクは、ITに関わる多くのスキルを身につけることが求められています。
トラブルへの対処力
ヘルプデスクは、クレームやシステム障害などのトラブルを適切に処理する能力も重要です。会社が提供するITシステムのサービスに対しては、さまざま理由で社外からヘルプデスクにクレームが舞い込みます。社内でシステム障害が起きる時も、発生原因は必ずしも共通しません。
多岐にわたるクレームやシステム障害は、その理由・発生原因に合わせて対処しないと解決に時間がかかります。いずれのトラブルも素早く解決するには、ヘルプデスクが個々の状況に応じて対処する能力を備える必要があります。また、システム障害が発生した際、ヘルプデスクは複数の部署と情報交換することが一般的です。同じ社内でも多くの部署は業務スケジュールが異なるため、トラブルに対処する時はスケジュール調整する能力も欠かせません。
さらに近年は、経済のグローバル化が進み、国内企業の海外進出が盛んです。その影響により、ヘルプデスクは海外からの連絡に対応するため語学のスキルを求められる場合もあります。
コールセンターなどとの違い
ヘルプデスクと似通った職種・業務としては、コールセンターや社内SEが挙げられます。それぞれの業務内容は似通っており、明確には区別されていません。以下では、ヘルプデスクとコールセンターなどとの基本的な違いをご紹介します。
コールセンターとの違い
ヘルプデスクとコールセンターとの主な違いは、業務内容がIT関連のサポート中心になるかどうかの差です。
ヘルプデスクの場合、社外ヘルプデスク・社内ヘルプデスク・監視オペレーターのいずれも業務内容はIT関連のサポートが中心になります。IT分野以外の用件は、基本的に担当しません。コールセンターは、ヘルプデスクに比べると業務内容が広範囲です。職場によってはIT関係の質問やトラブルを専門に対応しますが、幅広いジャンルの用件を受け付ける窓口も多く見られます。
また最近のコールセンターは、インバウンド業務だけでなくアウトバウンド業務も積極的に行うことがあります。多くの窓口は、社外・社内からの連絡に応じるとともに、窓口側から情報発信するケースも増えています。そのため、ヘルプデスクとコールセンターとの間では、業範範囲に大きな違いがあると考えられます。
社内SEとの違い
ヘルプデスクと社内SEは、ITシステムの運用のうち、サポートする部分に差があります。ITシステムを運用する場面において、多くのヘルプデスクはシステムの利用時に生じた質問やトラブルに対応します。サポート対象は、ITシステムを実際に運用している社外の顧客や社内の従業員が中心です。
社内SEは、会社がITに関わる機器・システムを運用し始める際、その導入・管理など基盤部分をサポートするケースが多くなります。ITシステムの導入時に初期システムの構築や管理業務を支援し、スムーズに運用を開始できる状態へ導きます。
会社で新しいITシステムを運用する場合は、新規導入に関わるサポートが基本的な業務範囲です。通常、社内でシステム運用が開始された後のトラブル対応などは管轄外になります。ただし、多くの会社では、ヘルプデスク・コールセンター・社内SEの区別が不明確です。これらが同一視されていると、それぞれの窓口で業務範囲を分けることは難しくなると考えられます。
これからヘルプデスクとともにコールセンターや社内SEを設置する場合、サポート範囲の重複など混乱を避けるためにも、各々の違いを明確化する必要があるでしょう。
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