年収を上げたいなら睡眠の質も向上させるべき?

更新日:2023.02.16ビジネス豆知識

睡眠の質が低い女性

最近は、年収が高いと睡眠の質も高い傾向にあるとの調査結果が知られています。短時間の睡眠でも元気に働いている場合、良質な睡眠を取れているのかもしれません。いずれにしても、日々の生活を健康的に送るには睡眠の質が大切でしょう。そこで今回は、睡眠の質と仕事との関連性、良質な睡眠がもたらすメリットや睡眠の質を高める方法をご紹介します。

高年収と良質な睡眠との関連性

数年前に医療関係の会社が実施した調査からは、高年収と良質な睡眠との間に関連性があると推測されました。とくに注目された睡眠に関わる行動は、「寝床でのスマホ操作」「寝具に費やす予算」「早寝・早起きの心がけ」です。

寝床でのスマホ操作

睡眠時に寝床でスマホを操作するかどうかは、年収の差で大きな違いが見られました。一連の調査項目で比較されたのは、年収1,000万円以上と年収1,000万円未満との違いです。全国の20~69歳の男女4,700人を対象に、インターネット調査が実施されています。寝床でのスマホ操作は、「スマホしない」との回答が年収1,000万円以上で50.0%、同額未満では37.3%でした。

一方、「週に3回以上」は前者27.4%に対し後者44.8%です。これらの結果からは、高年収の場合には睡眠時に寝床でスマホを操作しない割合が高く、年収が高水準に及んでいない場合には逆にスマホ操作する傾向が強いと分かります。

寝具に費やす予算

年収1,000万円を基準に比べると、寝具に費やす予算にも若干の違いが表れています。「寝具にお金をかけるか」と質問したところ、年収1,000万円以上の回答を見ると「行っている」16.1%、「やりたいと思っているができていない」40.3%、「行っていない」43.5%です。年収が同額未満の回答では、それぞれ10.4%、24.1%、65.5%の割合でした。

それぞれ大きな違いは見られませんが、「行っていると」と「やりたいと思っている」を合わせると21.9%の差が生じます。「行っていない」も20%以上は離れることを考慮すれば、寝具に対する意識の違いも小さくないと判断できます。

早寝・早起きの心がけ

年収の差が睡眠に関わる行動について比較的に明確な違いを示した調査項目は、早寝・早起きの心がけです。調査結果では年収1,000万円以上の回答のうち「早寝・早起きを行っている・心がけている」は80.6%に達し、「行っていない」は19.4%にとどまります。

年収が同額未満では、それぞれ68.3%と31.7%です。また「1,000万円プレイヤー」と「平均年収層」の起床時間について比べた別の調査を見ると、5時起床は前者が後者を11.5%上回りました。7時起床は、逆に後者が約11%多い結果です。これらの調査結果を見る限り、高年収のほうが早寝・早起きを心がける意識は強いと考えられます。

良質な睡眠がもたらすメリット

良質な睡眠がもたらす主なメリットは、1.心身の疲労回復、2.記憶の整理・定着、3.成長ホルモンの分泌促進、4.免疫力の維持・向上、5.食欲のコントロールです。

心身の疲労回復

良質な睡眠には、心身を休める効果があります。起床中は交感神経が優位であり、脳や筋肉の動きは活発です。それに対し睡眠時は, 副交感神経が優位になり血圧や脈の動きは落ち着きます。脳や筋肉は休息を得られるため、心身ともに起床中の疲れは解消されていきます。良質な睡眠により十分に疲労回復できれば、いつも通りの体力を取り戻して翌日の仕事や日々の生活に打ち込めるでしょう。

記憶の整理・定着

良質な睡眠は、記憶を整理・定着するのに効果的です。睡眠中、頭のなかでは起床している間に覚えたことを整理します。脳が記憶情報を不必要と認識すれば消去し、必要と判断すれば定着させる仕組みです。睡眠中の記憶の整理は、一般的に短期記憶より長期記憶に大きな役割を果たすと考えられています。記憶を定着させるには、良質な睡眠を取ることが望まれます。

成長ホルモンの分泌促進

睡眠中は、成長ホルモンの分泌が増える時間帯です。このホルモンには体を成長させる役割があり、細胞の修復や代謝調節に大きく関わっています。とくに成長ホルモンの分泌が促されるのは、もっとも眠りが深くなる就寝直後の90分間です。この時間帯は睡眠サイクルの第一周期と呼ばれホルモンの分泌量が最多になると考えられているため、良質な睡眠により深く眠ることは重要です。

免疫力の維持・向上

睡眠は、免疫力の維持・向上に高い効果を発揮します。たっぷり睡眠を取ると体内のホルモンバランスが調整され、免疫機能の働きはよくなるといわれています。十分な睡眠時間の確保は、病気への抵抗力を強めるのに有効です。高い免疫力で健康を維持するなら、良質な睡眠はかかせません。

食欲のコントロール

睡眠時間の確保は、食欲抑制ホルモン「レプチン」の増加につながります。逆に睡眠不足は、食欲増進ホルモン「グレリン」を増やしレプチンを低下させる原因です。普段の運動量や活動量が変わらない場合、これらのホルモンの量が食欲を大きく左右します。良質な睡眠時間を確保すれば、ホルモンの働きで食欲をコントロールできるでしょう。さまざまなメリットをふまえた場合、普段から良質な睡眠を心がける価値は高いと考えられます。

睡眠の質を高める方法

睡眠の質を高めるのに効果的な方法をいくつか挙げると、規則的な生活リズムの維持、自分に合った寝具の選択、リラックスしやすい環境づくりです。

規則的な生活リズムの維持

普段の生活は、朝から日光を浴びて朝食を摂るリズムが習慣化すると睡眠の質を高めるのに効果があります。日光は、体内時計をリセットしてくれます。起床時に朝日を浴びておくと、その後の生活リズムを整えるのに有効です。

朝食には内臓を目覚めさせる働きがあるので、毎日、忘れずに摂ることが望まれます。夜は、早めに夕食を済ませましょう。目安は、就寝の3時間前です。夕食後から3時間くらい時間があれば体内の消化活動は終わり、就寝時には内臓も休息できます。ゆっくり内臓を休めるなら、食後にすぐ寝床に入るのは避けましょう。

自分に合った寝具の選択

寝具は、少しでも自分に合ったタイプを選ぶと良質な睡眠を取るのに効果的です。どれを選ぶか迷った場合、とくに注目したいポイントは枕の高さや敷き布団の硬さです。枕の高さが首のカーブに合っていると筋肉の緊張が和らぎ、首の痛みや肩凝りを防ぎやすくなります。

敷き布団は、柔らか過ぎると腰痛を招く原因です。反対に、あまり硬いと体は痛みを感じやすく寝つきも悪くなる可能性があります。少しでも心地よく眠るには、適度な硬さの敷き布団を選ぶのがおすすめです。硬さを確認するなら、店舗で寝てみるかレンタルする方法があります。

リラックスしやすい環境づくり

就寝時にリラックスしやすい環境をつくるなら、室内は適度に明かりを落とし快適な温度を保つのがよいといわれています。寝る時、室内が明るいままでは眠りが浅くなるでしょう。とはいえ足元が見えないほど暗いと夜中に何かあった時に移動しにくいので、適度な明るさを保っておくほうが安心です。

室内温度は、暑くも寒くもないレベルが理想的といえます。外気温は季節によって変わるので、その時々に応じてエアコンなどの温度設定を調整すると寝つきをよくするのに役立ちます。

睡眠前に眠気を促すなら、温かい飲み物を飲むのがおすすめです。スマホはブルーライトに目覚ましの作用があるので、寝ながら操作するのは控えましょう。いろいろな方法を試して、睡眠の質を高めるのに活かしてください。

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