見込み顧客を育成する!リードナーチャリングとは?

更新日:2023.03.15ビジネス豆知識

ダイレクトメール

BtoBやBtoCの場面において、新規顧客の獲得に注力しているものの、獲得した見込み顧客の育成(リードナーチャリング)が追いついていない企業を多く見かけます。今回は、リードナーチャリングのメリットや具体的な手法の説明を通して、顧客育成の重要性についてお伝えします

リードナーチャリングとは何か

リードナーチャリングは、直訳すると「見込み顧客の育成」です。SEO対策・Web広告・SNSなどで獲得した見込み顧客(リード)に対して、ダイレクトメールやセミナーを通して継続的なコミュニケーションを取り、商品やサービスへの検討度を上げるマーケティング手法を指します。購買意識が高まったタイミングで商談を行うことで、自社顧客獲得の可能性を高めることが可能です。

リードジェネレーションとの違い

リードナーチャリングとよく似たマーケティング手法に「リードジェネレーション」があります。リードジェネレーションとは、見込み顧客の獲得の手法を指します。先ほどの例では、SEO対策やWeb広告・SNSなどを通して見込み顧客を獲得することがリードジェネレーションです。つまり、リードジェネレーションを通して獲得した顧客に継続的にアプローチすることをリードナーチャリングと呼びます。

リードナーチャリングが注目される背景

元々、マーケティング手法のなかでもっとも注目されていたのがリードジェネレーションでした。見込み顧客を獲得できなければ、最終的な顧客獲得につながらないためです。しかし、近年の注目はリードジェネレーションからリードナーチャリングに変わりつつあります。リードナーチャリングが注目される背景についてご紹介します。

購買プロセスの長期化、複雑化

インターネットが普及する以前は、「AIDMAの法則」で示される通り、購買プロセスはとてもシンプルであり、短いスパンで認知から実際の行動に移っていました。AIDMAとは、従来示されてきた顧客行動の移り変わりを示す単語の頭文字を取った言葉です。

□1.Attention(認知)
□2.Interest(興味)
□3.Desire(欲求)
□4.Memory(記憶)
□5.Action(行動)

しかし、現在はインターネットが普及し、提供された製品やサービスについて比較・見当が容易になりました。その結果、顧客行動が複雑化し、購入までのプロセスは長期化しています。顧客行動について、AIDMAの法則からAISCEASの法則へと変化したといわれることもあります。

□1.Attention(認知)
□2.Interest(興味)
□3.Search(検索)
□4.Comparison(比較)
□5.Examination(検討)
□6.Action(購買)
□7.Share(共有)

購買プロセスが長期化・複雑化したことで、新規顧客だけでなく一度興味を持ったリードの育成の重要度が増しているのです。

休眠顧客の増加

休眠顧客とは、リードジェネレーションによって一度獲得したものの、購買へとつながらず放置しているリードを指します。リードジェネレーションの推進によって多くのリードを獲得したものの、すべてをフォローしきれず、休眠顧客となってしまったケースも少なくありません。

休眠顧客を自社顧客とするべく、リードナーチャリングに注目が集まっています。製品やサービスに興味を持ちリードとなったものの、継続的なフォローができなかった結果休眠顧客となってしまった方は、2年以内に競合から製品を購入しているというデータもあります。休眠顧客という資産を活用するには、リードナーチャリングが最適といえるでしょう。

※参考:Urumo!「今さら聞けない『リードナーチャリング』。基礎から実践まで徹底解説!」
(https://www.innovation.co.jp/urumo/the_lead_nurturing/)

リードナーチャリングを活用するメリット

営業手法として近年注目を集めているリードナーチャリング。活用することでどんなメリットがあるのでしょうか。

リードの競合への流出を防止できる

最大のメリットは、リードの競合への流出を防止できる点でしょう。前述の通り、フォローを受けられなかったリードは、競合の製品やサービスを購買する可能性が少なくありません。他社に流れてしまったリードを取り戻すのは容易ではないでしょう。リードナーチャリングを通して見込み顧客に適切にアプローチすることで、リードの興味を自社に惹きつけられ、競合への流出防止につながります。

営業効率が上がる

マーケティング部門でリードジェネレーション・リードナーチャリングを行い、検討度を高めた状態で営業部門に託すことで、受注率を上げることができ、営業効率を高められます。検討度の高いリードについて商談をストップせざるを得なくなった場合でも、再度マーケティング部門でリードナーチャリングを行うことで、商談が復活する可能性もあります。

集客コストの無駄を削減できる

安くないコストをかけてリードジェネレーションを行ったにもかかわらず、すぐに自社顧客へと発展する、いわゆる「顕在顧客」にのみアプローチしていては、費用の大半が無駄になってしまいます。リードナーチャリングによって、今までは獲得できなかった見込み顧客から受注が可能になり、集客コストの無駄を削減可能です。

リードナーチャリングの注意点

適切に行えば高い効果を見込めるリードナーチャリングですが、気をつけるべき点もいくつかあります。以下では、リードナーチャリングを運用するうえでの注意点をご紹介します。

リソースを割く必要がある

リードナーチャリングを行う場合、新たなツールの導入や広告の作成・セミナーの開催など、工数や人員・費用などリソースが必要になります。リードナーチャリングで成果をあげるためには必要なリソースとはいえ、成否の分からない段階ではためらうこともあるでしょう。

効果が出るまで時間がかかる

リードナーチャリングでは、見込み顧客の検討度合いによってアプローチ方法や提供する情報を変更します。特に、検討を始めたばかりのリードは、自社の製品について詳しくないことも多く、根気良く育成しなければいけません。コストをかけて取り組んでも、すぐに成果の出ない施策といえるでしょう。

リードジェネレーションとの連携が必要不可欠になる

冒頭から説明している通り、リードナーチャリングは自社製品に興味を持っている見込み顧客に行うマーケティング手法であり、見込み顧客を獲得するのはリードジェネレーションの役割です。リードジェネレーションの手法自体に問題がある場合、見込み顧客を獲得できず、リードナーチャリングを活かすことはできません。両システムの連携が必要不可欠になるでしょう。

営業の能力が求められる

一方、リードジェネレーション・リードナーチャリングが無事成功しても、自社顧客の獲得とはなりません。見込み顧客に営業をかけ実際に顧客となってもらうためには、営業の力が必要です。営業部門の能力が不足している場合は、リードジェネレーションやリードナーチャリングに力をいれても成果はあがらないでしょう。

リードナーチャリングの具体的な手法

実際にリードナーチャリングを取り入れている企業が実践している手法をご紹介します。

MAツールの活用

MA(マーケティングオートメーション)ツールは、顧客の検討度合い別に配信メールを分ける、見込み顧客の確度を可視化するなど、マーケティング活動の自動化を可能にするツールです。膨大なデータを取り扱うリードナーチャリングにおいては必要不可欠といえるでしょう。

リターゲティング広告

一度サイトを訪問したユーザーに対して配信する広告を「リターゲティング広告」と呼びます。自社製品を定期的にユーザーにインプットさせることで、常に購買候補になるための仕組みです。インターネットでは、一度の訪問でいきなり成果につながることは珍しいため、リターゲティング広告などを使って定期的に周知する必要があります。

SNSの活用

もっとも手軽で導入コストの低い手法としてはSNSがおすすめです。利用者も多く、一度に多くの方に情報を届けやすいという特徴があります。ただ、情報であふれている分、突出したところがなければ埋もれてしまうという面もあります。

セミナー

リードナーチャリングの手法としてもっとも一般的なのがセミナーです。コストや事前準備は必要になるものの、多くの見込み顧客へ一度にフォローが可能です。ただ、セミナーの内容によっては顧客の離脱を促す可能性もあります。リードを育成しつつ脱落者を出さない工夫が必要です。

インターネットが普及し、情報社会が成熟しつつある現在、大切なのは新規顧客の獲得だけではありません。リードナーチャリングによる休眠顧客の顕在化が可能になれば、まだまだ十分な成長ができます。マーケティング手法のひとつであるリードナーチャリングを試してみてはいかがでしょうか。

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