ら抜き言葉・い抜き言葉とは?意味と違いをわかりやすく解説
更新日:2026.01.16 / 公開日:2026.01.21ビジネス豆知識ビジネスメールや社内資料を見返したとき、「この日本語、正しいのだろうか」と不安になった経験はありませんか。とくに「食べれる」「見れる」といった“ら抜き言葉”や、「知ってる」のような“い抜き言葉”は、無意識のうちに使ってしまいがちです。日常会話では違和感がなくても、ビジネスシーンでは評価や信頼に影響することもあります。本記事では、「ら抜き言葉」「い抜き言葉」とは何か、それぞれの定義や違い、なぜ注意が必要なのかを整理し、正しい使い分けを理解できるようわかりやすく解説します。曖昧なまま使っていた言葉を、この機会に一度しっかり確認してみましょう。
目次
ら抜き言葉・い抜き言葉とは?
日常会話では自然に使われがちな「ら抜き言葉」「い抜き言葉」ですが、文法的には注意が必要な表現です。まずはそれぞれが何を指すのか、基本から整理していきましょう。
ら抜き言葉とは
ら抜き言葉とは、本来「ら」を入れて使うべき可能表現から、「ら」を省いてしまった言い方のことです。たとえば「食べられる」「見られる」「来られる」といった形が正しい日本語ですが、会話では「食べれる」「見れる」「来れる」といわれることがあります。これが典型的なら抜き言葉です。
話し言葉としては広く浸透している一方で、公的な文章やビジネス文書では誤用とされることが多く、場面に応じた使い分けが求められます。
い抜き言葉とは
い抜き言葉とは、「~ている」「~ていた」といった形で使われる語から、「い」を省いてしまう表現を指します。
「考えている」が「考えてる」、「確認していた」が「確認してた」となるケースが代表例です。会話では自然に聞こえますが、文章にすると砕けた印象になりやすく、ビジネスメールや資料では幼い、または雑な印象を与えることがあります。
文法的な誤りというより、「文体として不適切」になりやすい点が特徴です。
関連して知っておきたい「さ入れ言葉」「れ足す言葉」
ら抜き言葉・い抜き言葉とあわせて覚えておきたいのが、「さ入れ言葉」と「れ足す言葉」です。
さ入れ言葉とは、「行かせていただく」が正しいところを「行かさせていただく」としてしまうように、本来不要な「さ」を入れてしまう表現です。一方、れ足す言葉は「読める」が正しいのに「読めれる」としてしまうなど、不要な「れ」を足してしまう言い方を指します。
いずれも会話では耳にする機会が多い表現ですが、正確な日本語としては注意が必要なため、ビジネスシーンではとくに意識しておきたいポイントです。
※横にスクロールできます。
| 誤用名 | 何が起こる? | 誤用例 | 正しい表現 | 原因・特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ら抜き言葉 | 可能表現から「ら」が抜ける | 食べれる 見れる 来れる |
食べられる 見られる 来られる |
・もっとも有名な誤用 ・可能と受け身を区別したい心理 ・五段活用との対称性 |
| い抜き言葉 | 「~ている」から「い」が抜ける | 見てる 食べてる 何してんの |
見ている 食べている 何しているの |
・話し言葉で頻発 ・発音の簡略化 ・カジュアルな印象 |
| さ入れ言葉 | 使役形に不要な「さ」が入る | 行かさせていただく 読まさせていただく |
行かせていただく 読ませていただく |
・過剰な丁寧意識 ・五段活用で起こる ・ビジネスで目立つ誤用 |
| れ足す言葉 | 命令形に不要な「れ」をつける | 見れ しれ 出れ |
見ろ しろ 出ろ |
・方言の影響 ・可能形との混同 ・地域差が大きい |
【媒体別】ビジネスでのOK・NG基準|メール・チャット・資料の使い分け
ら抜き言葉・い抜き言葉は、すべての場面で一律にNGというわけではありません。ただし、使ってよい媒体・避けるべき媒体の線引きを誤ると、相手に違和感や不信感を与えることがあります。ここでは、ビジネスでよく使われる媒体別に判断基準を整理します。
外向けメール:原則NG(敬語+文語が基準)
取引先や顧客に送る外向けメールでは、ら抜き言葉・い抜き言葉は原則として避けるのが無難です。ビジネスメールは「話し言葉」ではなく、敬語を用いた文語表現が基本となります。
社内チャット:状況によってOK(簡潔さ重視)
社内チャットでは、必ずしも厳密な文法が求められるわけではありません。スピード感や簡潔さが優先される場面では、現実的な表現が使われることもあります。
提案書・資料:表記ゆれを避け、統一ルール必須
提案書や社内外向け資料では、ら抜き言葉・い抜き言葉の使用は避け、正しい表記に統一することが基本です。
SNS・カジュアル媒体:読者層に合わせて調整
SNSやオウンドメディアなど、比較的カジュアルな媒体では、読みやすさや親しみやすさを重視し、口語的な表現を使うケースもあります。
今日から使える!ら抜き・い抜き言葉の置き換えテンプレ
ら抜き言葉 → 推奨表現一覧
- 見れる → 見られる
- 来れる → 来られる
- 食べれる → 食べられる
- 辞めれる → 辞められる
- 載せれる → 載せられる
- 受けれる → 受けられる
- 決めれる → 決められる
- 考えれる → 考えられる
- 出れる → 出られる
- 寝れる → 寝られる
い抜き言葉 → 推奨表現一覧
- してる → している
- いってる → いっている
- 思ってる → 思っている
- 持ってる → 持っている
- 進んでる → 進んでいる
- 決まってる → 決まっている
- 使ってる → 使っている
- 行ってる → 行っている
- 待ってる → 待っている
- 確認してる → 確認している
FAQ|ら抜き言葉・い抜き言葉のよくある質問
ら抜き言葉・い抜き言葉は「正しい・間違い」だけでなく、受け手の印象によって評価が分かれやすいテーマです。ここでは、ビジネスシーンでよく聞かれる疑問を中心に整理します。
Q. い抜き言葉が嫌われるのはなぜ?
A. 「してる」「見てく」などの表現は口語性が強く、ビジネスの場では幼い印象や軽率さ、雑さを感じさせることがあります。とくに初対面の相手や取引先とのやり取りでは、意図せず評価を下げてしまう可能性があるため、避けるのが無難です。
Q. ら抜き言葉を指摘されるのが「うざい」と感じてしまいます…
A. ら抜き言葉は、マナー違反としてやや強い口調で指摘されやすい傾向があります。そのため、感情的な摩擦が生じることも少なくありません。ビジネスの場では、個人の感覚に委ねるのではなく、最低限の表記ルールを共有しておくことで、無用な衝突を防ぎやすくなります。
Q. ら抜き言葉は「頭が悪そう」と思われるのは本当ですか?
A. 実際に知性と直接結びつくわけではありませんが、相手に与える印象に影響するのは事実です。とくにメールや資料では、「言葉遣いの丁寧さ=知的さ」と受け取られやすいため、ビジネスシーンでは控えたほうが安全といえるでしょう。
Q. 方言としてのら抜き言葉は直すべきですか?
A. 北海道や東北地方の「食べれる」など、地域による文法の違いは方言として自然なものです。ただし、ビジネス文書や外向けのメールでは、標準語に統一するのが一般的です。社内チャットや雑談など、カジュアルな場面であれば無理に直す必要はありません。
Q. ら抜き言葉は「間違いではない」という意見もありますが?
A. 言語学的には、ら抜き言葉は日本語の自然な変化として受け入れられつつあります。ただし、ビジネスにおける外向けメールや公式文書では、「使わないほうが無難」という基準が現在も主流です。場面に応じて使い分ける意識が重要です。
ら抜き言葉・い抜き言葉は、意味が通じるからといって常に使ってよい表現ではなく、場面によって評価が分かれる言葉といえます。日常会話や社内のカジュアルなやり取りでは許容されることもありますが、ビジネスメールや資料では「丁寧さ」「正確さ」がそのまま印象につながります。
大切なのは、正誤を過度に恐れることではなく、媒体や相手に応じて表現を選び分ける意識を持つことです。本記事で紹介した定義や置き換え例を基準に、自分の文章を一度見直してみるだけでも、伝わり方は大きく変わります。
言葉を整えることは、相手への配慮を形にすることでもあります。今日から少しずつ、使い分けを意識していきましょう。
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