向き不向きがある?ゼネラリストを目指すには
更新日:2023.02.16ビジネス豆知識ビジネスパーソンの特性を表す言葉としてよく用いられる「ゼネラリスト」とは、どのような人を指すのでしょうか。今回は、これからの企業に必要な人材ともいわれている、ゼネラリストの特徴や目指し方をご紹介します。ゼネラリストの比較対象としてよく用いられる「スペシャリスト」との違いを解説しながら、それぞれの特徴や強みを見てみましょう。
目次
ゼネラリストとは?
ゼネラリスト(generalist)とは、多方面の知識や能力を持つ人を意味する言葉です。つまり、ビジネスの場では管理職やマネージャー、総務など、幅広い視野で現場を見まわすことができる対応力の高い人材を指します。
ゼネラリストの特徴
ゼネラリストは、幅広い分野の知識とスキル、経験を持っていることが特徴です。物事をさまざまな角度から見て判断することができるため、斬新なアイデアで周囲を驚かせたり、思いもよらない解決方法を思いついたりします。
また、豊富な経験を土台に、第三者の目線から仕事や仲間を評価できるという点も大きな特徴といえるでしょう。さまざまな仕事の経験を活かして、組織に求められた役割をオールマイティにこなし、臨機応変に対応することができます。現場やチームをまとめたり、管理したりする役職に適した人材です。
一方で、具体的なスキルや実績を示すことが困難であるため、転職などで不利になる可能性がある職能といえます。終身雇用制度の崩壊やリストラが問題となっている今、ゼネラリストは計画的なキャリア形成が必要となるでしょう。
スペシャリストとの違い
ゼネラリストの比較対象として取り上げられることが多いのが、「スペシャリスト」です。スペシャリストは、特定の分野においての専門知識やスキル、経験値が特化している人を指します。つまり、ゼネラリストとは真逆の人材といえるでしょう。士業と呼ばれる弁護士や看護師などの専門職をはじめ、エンジニアや営業、研究員、デザイナーなど、スペシャリストの職種は多岐にわたります。
スペシャリストは、ゼネラリストと違って自分のスキルや実績を具体的にアピールしやすいという特徴があります。しかし、所属する業界が不況となった場合、一気に失業してしまう可能性が高いのがデメリットです。さらに、所属する業界の知識やスキルは異業界では活かしにくいため、異業界へは転職しづらい傾向にあります。
企業に必要なのはゼネラリストかスペシャリストか、などの議論がなされることが多々ありますが、これは正しいとは言い切れません。なぜなら、それぞれ企業から求められている仕事内容や、仕事に対する取り組み方がまったく違うためです。どちらも企業にとっては必要な人材であり、ゼネラリストだけでもスペシャリストだけでも企業は機能しません。
ゼネラリストに向いている人
ゼネラリストには向き不向きがあると考えられており、だれにでもなれるとは限りません。では、ゼネラリストになるためにはどのような能力が必要なのでしょうか。ゼネラリストには、ひとつの分野に限らず幅広い知識と経験が求められます。転勤や部署移動などを繰り返して経験を積むためには、以下のような能力が必要です。
高いコミュニケーション能力
ゼネラリストは組織やチームの上に立ち、まとめるのが仕事です。さまざまな意見をまとめるために、一人ひとりとうまくコミュニケーションを取り、問題の解決や業務の改善に努めなければなりません。ただ、コミュニケーション能力は、さまざまな部署で経験を積むことで身につくものでもあります。ゼネラリストになりたいもののコミュニケーション能力が足りないと考えている方も、焦らず身に着けていくことが大切です。
リーダーシップ
ゼネラリストは全体を統括する立場に置かれるため、当然リーダーシップが必要になります。チームがひとつの目標を達成するためには何を優先すべきか、どう行動すべきかを考え、導く力が求められます。広い視野でチームを支え、責任を持って仕事することで、皆から慕われ信頼も集まるでしょう。
旺盛な好奇心
ゼネラリストに必要とされるのは、ひとつのことを深く知りたいという探求心よりも、複数の分野で幅広く知りたいという好奇心です。豊富な知識と経験は、ゼネラリストの大きな強みになります。どんな部署でも好奇心旺盛に取り組める人は、ゼネラリストに向いているといえます。
また、ゼネラリストは将来的に重要なポストに置かれる可能性が高いため、出世に対しても意欲的な人が求められます。
ゼネラリストを目指すには
マネジメントにやりがいを感じる、将来的には管理職として出世したいと感じている人はゼネラリスト向きといえるでしょう。ゼネラリストを目指す際、覚えておきたいポイントをご紹介します。
ジョブローテーションで知識と経験を積む
まずは、定期的な転勤や部署移動で、ゼネラリストに必要な知識と経験を磨くことが大切です。たくさんの人に会ってコミュニケーション能力を高め、交渉力を身につけましょう。ただ与えられた仕事をこなしているだけでは、肝心のマネジメント能力は育ちません。ゼネラリストとして出世を望むなら、たゆまぬ努力と勉強が必要不可欠なのです。
スペシャリストからゼネラリストへ
スペシャリストとして経験を積んだ後に、ゼネラリストへ昇進する場合もあります。この場合、これまで積み上げてきた知識のほかに、マネジメントなどの専門知識が必要になってくるため、ノウハウを一から学ばなくてはなりません。
ゼネラリストに必要なこととは?
ゼネラリストになりさえすれば、おのずとキャリアアップできるというわけではありません。つねに自己研鑽に取り組むことが大切です。
最先端の知識
ビジネスシーンでは、技術やトレンドが常に変動しています。ゼネラリストとしてキャリアアップを目指すなら、それに合わせて知識も蓄え続けていく必要があります。複数の分野の専門的な知識や経験が求められるゼネラリストにとって、それを続けていくことはとても簡単なことではありません。ゼネラリストとしてキャリアアップするためには、並々ならぬ努力が必要です。
積極的に人とかかわる
多くの人とかかわり、コミュニケーション能力を鍛えたり人脈を広げたりすることもゼネラリストには大切なことといえます。特に、他業種のスペシャリストとは積極的に交流しましょう。スペシャリストは、特定の分野の知識やスキルを有する人です。社内外問わずさまざまな業種の人とかかわることは、自分の知識の幅を広げてレベルアップすることにつながるでしょう。
苦手分野をなくす
ゼネラリストとして活躍するためには、あらゆる分野で経験を積んでおく必要があります。経験しているうちに苦手分野も出てくるかもしれませんが、できるだけ苦手意識をなくすことが大切です。すべての分野において完璧なスペシャリストになる必要はありません。高い意識を持って経験を積んでいれば自ずと身につき、ゼネラリストに近づくことができるでしょう。
多角的な視点から物事を見定め、チーム全体をまとめて導けるゼネラリストは、ビジネスシーンにおいて重要なポジションであるといえます。ゼネラリストになるためには、たくさんの経験を通して豊富な知識やスキルを身に着けていかなくてはなりません。また、人と話す機会が多いため、人とのかかわりを大切にする人、人と接するのが好きな人に向いているといえるでしょう。将来ゼネラリストとして出世を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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