ピークエンドの法則とは

Q: ピークエンドの法則とは

ピークエンドの法則は、人はほとんどの経験をピーク（最も感情が高ぶった絶頂期）とエンド（最後の印象）で判断するという意味を持った法則です。

プライベートやビジネスで相手に強い印象を残す

更新日：2023.02.24ビジネス豆知識

ピークエンドの法則を理解しているとプライベートやビジネスなどの様々な場面で相手に強い印象を残すことができます。また、ビジネスではピークエンドの法則を上手く活用することで多くのメリットを得ることが可能になります。今回はピークエンドの法則について紹介します。

1 「ピークエンドの法則」
2 ピークエンドの法則の活用方法
- 2.1 セールストークはピークとエンドを意識する
- 2.2 サービス提供時にもピークとエンドを意識する

「ピークエンドの法則」

ピークエンドの法則は、1999年にプロスペクト理論で有名な心理学者、行動経済学者のダニエル・カーネマン氏が提唱しました。ダニエル・カーネマン氏は2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。人はほとんどの経験をピーク（最も感情が高ぶった絶頂期）とエンド（最後の印象）で判断するという意味を持った法則です。このピークとエンドのもとに人は印象の良い、悪いを判断しています。

例を挙げます。前半が退屈で仕方のない映画だったとしても、ピーク（クライマックス）とラストが感動的であったなら、人はその映画を感動的な映画だったといいます。逆に最初から面白い映画だったとしても、ピーク（クライマックス）とラストがつまらないものであったなら、人はその映画をつまらない映画だったといいます。

全体的なストーリーや描写よりも、ピーク（クライマックス）とラストの盛り上がりが絶頂であれば良い印象が記憶に残ります。終わり良ければすべて良しという言葉がぴったりな心理現象です。

違う例です。恋愛でもピークエンドの法則は大切です。デートではエンドを印象深いものにするだけで、待ち合わせに遅刻したとしても良い印象を与えることが可能です。できれば素晴らしい食事などのピークも頑張りたいところですが、エンドを重視したほうが良いです。なぜならピークをコントロールするよりもエンドをコントロールする方が簡単だからです。

エンドの演出の方法は様々ですが、会話時間の長さで勝負しないことが大切です。時間だけ長くあっても沈黙が続いてしまってはエンドを演出することが困難になります。別れ際のキスなんかは有名ですが、キスでなくても素直な自分の気持ち（また会いたい気持ち、今日は楽しかったこと、感謝の気持ち）を伝えるだけでもいいのです。

長期的な関係を望むのであればエンドにプレゼントを用意するのも良いです。別れ際に急いで立ち去るのはやめましょう。しっかりとエンドを演出してお別れすることで自分のことを相手に印象付けることができます。

もう一つ違う例を挙げます。テーマパークで人気のアトラクションが120分待ちの大行列です。どうしようか迷った挙句、友人と一緒に列に加わることにしました。待っている間は少しイライラしたり、並んだのを後悔したりしてしまうかもしれません。

やっと順番がやってきて、乗ってみたアトラクションは人気のアトラクションだけあって最高でした。120分待って乗ったかいがありました。乗り終えた後の気分は最高です。友人と感想を言いあって盛り上がります。この場合は、アトラクションに乗っている間がピークで乗り終えた後がエンドです。アトラクションに乗ったのは数分なのに120分待った疲れが吹き飛んでいます。

このことから、人が判断するのに必要なのはピークとエンドだけで時間は関係ないということが分かります。短くても長くても時間の長さは関係ないのです。時間の質が大切なのです。ピークエンドの法則を上手く活用することで、あなたが相手に与える印象を良いものにすることができます。

ピークエンドの法則の活用方法

セールストークはピークとエンドを意識する

商品の価値を強く印象付けることができれば、商品の魅力を効果的に伝えることができます。ピークを上手く伝えることで価値を感じてもらうことができます。そのために、セールストークにはピークとエンドを用意しましょう。まずは、商品の興味付けをしっかりと行いピークを用意します。コミュニケーションを上手く取りながら最後に特別感を出してエンドを演出します。今日だけ、あなただけなど特別感を感じてもらえるエンドが望ましいです。

サービス提供時にもピークとエンドを意識する

接客担当者によるおもてなしはもちろん、サービスを提供する空間に気を配りピークを演出します。提供するサービスが印象深いものになれば、ピーク時の思い出も印象深いものになります。次に大切なのがエンドです。サービス提供時のエンドは基本的にお見送りです。エンドがお粗末になってしまえば、お客様のピークの印象も薄れてしまい良くないお店だったと思われてしまいます。そうならないように、お見送りをしっかりすることでリピートしてもらえる可能性も高くなります。サービス提供時にもピークエンドの法則をしっかりと意識しましょう。

ピークエンドの法則について紹介しました。ピークエンドの法則を意識するだけで相手に与える印象をコントロールすることができます。ビジネスではピークエンドの法則を活用することで価値を上げることができます。もちろんプライベートでもピークエンドの法則は有効です。常に意識して行動したいものですね。